犬の顔半分。
外出先で、店と店の間を抜けて表通りに出ようとした時。ふと前方をみると、柴犬が店の壁から顔の半分だけ出してこちらを見ていた。ホントに半分だけ。私が知る限りその店の犬ではない。私との距離が縮まるにつれ、柴犬は顔全部を見せるようになった。ところがその度に、またギュッとカベの方へ引き戻されていく。で、顔が見えなくなったなぁと思っていると、またニュッと顔を出す。それを数回繰り返した頃、私は表通りに出たわけだが、柴犬は店の入り口で待つ、お客さんが連れきた犬だったようだ。柴犬は、横を通り抜ける私に吠えるでもなく。味のある顔で見つめていた。いや、それだけなんだけど。それだけなんだけど、柴犬ってのはなんであんなに表情豊かというかいい味出しているというか。可愛いよなぁと思ってしまうのだ。