雪山の白い影。
山のぼった。後方からハイスピードな白服がやってきて2.3回ポワり、そのまま追い抜いていった。白服は大抵吹っ飛んで先にいくので特に何も思うことなく一人で歩いたが。薄暗ーい雪山なわけですよ。何しろ吹雪の雪山だ。あたりに人影なんかあるわけがない。吹雪がびゅうううう・・・・って叩きつけるように吹き付ける。そこを一人でね、「あー、なんかヤダなー気持ち悪いなー」と思いながら歩いてたワケですよ。でね、丁度谷に風が吹き込む部分、っていうんですか、ようやくそこまでたどり着いた。「あー、やっとここから少し楽になるなー」と、ホッとしながら谷を抜けると、目の前がパーッと開ける場所に出た。一面真っっっっ白な雪原に、細ーい・・・卒塔婆みたいな旅ビトの墓標がいくつかたってるんだな。それがね、寂しーーーーい光景なんですよ。何人もの旅ビトが頂上を目指して、ここで力尽きたんだろうなぁ・・・なんてなんとなく視線が手前に戻ってくる。その瞬間、「うぅぁああああああっ!!」って、いやもう・・・・・驚いたね。いるんだ!目の前に!さっき自分を追い抜いて行ったはずの白い服着た旅ビトが。ちょこなーんと。雪の色と服の色が同化してわかんなかったんだ。もう、こっちは驚いてポワも出ないわけですよ。ビックリして金縛り状態っていうのかな。すると、すくーーーーっと、立ち上がったんですよ。その旅ビト。何事もなかったかのように。どうやら彼は私の事を・・・・・待ってたんですね。彼は私を・・・頂上まで道連れに・・・・・・するつもりなんですよ。という稲淳のナレーションが、勝手に脳内で流れるくらい、久々にビックリした。あぁ、うん。ゴールまで道連れにされた。立ち止まると「早く来い」って感じで戻ってくるもんで。ハイスピードの人は、一人で先に行きたいん(だったらオフラインでやればいいのに、とも思うが)だろうなと思って基本スルーしてたんだが、違う人もいるのか。