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[音楽三昧] カテゴリの記事

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  いい音さがし＾＾

  久しぶりに、ホント久しぶりにｈｐの更新です＾＾このところ、ｈｐは中々見られません。お恥ずかしいながら、フェースブックが主になりつたります。スマホで楽天を更新するにもフェースブックよりも正直工程を踏みます。それ故にだいぶご無沙汰となりました。本日はユーチュウーブの映像と音楽からジャッキー・エバンコのラビアンローズを載せます＾＾かなりいいですよ＾＾でもって彼女も大人っぽくなりました＾＾

  2014/02/16

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  やっぱりモディリアーニの音楽はいい＾＾

  先だってここ最近の状況を久々に掲載しました。が、どうしてもモディリアーニの映画音楽についての自分の文章悶々に言葉足らずに思い、その続きを少々。映画の内容については以前に掲載したが、簡略化してまとめるとアンディ・ガルシアの「モディリアーニ～真実の愛」は画家モジリアーニの強烈な個性と芸術性、そしてリアルな人間像に深みと神聖を加えた。すぐれた才能と高慢さ、情熱ゆえにお互いへの羨望と賛美を募らせた若き芸術家たちの知られざる青春物語であると同時に、悲劇的な最期を遂げた天才画家モディリアーニとその妻ジャンヌの、美術史上最も壮絶な真実の愛の物語であるといえると思う。その映画にこれ以上はない！という音楽をガイ・ファーレイがサントラを作曲した。2005年から2008年までに彼はサントラを6作品書いている。「ブロークン」「マザー・テレサ」「沈黙の追撃」「消えた天使」ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の「レクイエム」の6作品だ。共通する音楽の母体はあまり感じられないほど、音楽は似ついていない。とりわけこの「モディリアーニ真実の愛」の音楽は白眉であり、映画音楽史上、最高の情景標題音楽に数えられるレベルであると思える。音楽の1曲を下記にＵＰしたので良ければお聴き頂けたらと思う。ちなみに国内・輸入盤とも現在は廃盤になっていて入手は中古盤くらいしかないのが現状だ。廉価版としてでも再発してもらえると有り難い1枚である。

  2013/09/02

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  現代の奇跡～佐村河内の交響曲第１番「ＨＩＲＯＳＨＩＭＡ」

  だいぶご無沙汰をしている。前回のｈｐの更新から3ヶ月が過ぎてしまった。このところ、忙しさに感けてｈｐを殆ど見ていない状況が続いた。宛ら情けない限りである。最近オンデマンドで一人の日本人作曲家の姿をNHKスペシャル「魂の旋律～音を失った作曲家～」の映像を観た。佐村河内守、49歳。１４年前に原因不明の病で両耳の聴力を失いながら、クラシック作品の中で最も困難とされる交響曲を書き上げ、その苦難の中から至上の音楽が創りだされていく様を固唾を呑みながら一瞥も出来ず見続けた。あまりにもあまりにも...天は何ゆえにこのような至難を与えたのか...佐村河内は17歳で『交響曲第1番「ヒロシマ」』の作曲に着手。その小さく細かい音符が恐ろしいほど巧みに一枚の付箋に刻まれている。着想はすでにできていた。同年から原因不明の偏頭痛や聴覚障害を発症。高等学校卒業後に上京したが、現代音楽の作曲法を嫌って音楽大学には進まず、肉体労働者として働きつつ独学で作曲を学んだ。このころに既に交響曲は10曲ほど書かれたが、彼はそれをすべて破棄した。そしてこの「交響曲第一番ヒロシマ」に改めて書き始めている。抑鬱神経症や不安神経症に苛まれ、常にボイラー室に閉じ込められているかのような轟音が頭に鳴り響く。頭鳴症、耳鳴り発作、腱鞘炎などに苦しみつつ、絶対音感を頼りに作曲を続けた。生きているだけでも不思議なくらいの悲惨な状況にいながら、ものすごい執念で作曲を続けている。本に記されたその様子は先に進ませるのを拒ませる。それでも彼はそれを人に言わないようにしてきた。知られるのも嫌がった。障害者手帳の給付も拒み、自分の音楽を同情抜きで聴いてもらいたいと考えていたようである。自分は作曲に打ち込みたいだけだというのが彼が言い分だ。マーラーは「いつか自分の時代がやって来る」と言った。何時かは佐村河内守の音楽も自分の時代到来というのに相応しい時が来ると個人的に思った。生きているうちに、書けるうちに、書くべきものを書くしかない、そういう気概が強く感じられる。そこには始終普遍的なマーラーの第3交響曲の旋律が沸き出でるかのようで、広大無辺な景色が見えてくる。交響曲の作曲法の見解として現在では、1960年代を最後にベートーヴェンやブルックナーのような交響曲を書けない時代であることが通説である。なのに佐村河内の交響曲にはマーラーやショスタコーヴィッチやブルックナーのような系譜がしっかりとある。このような音楽を今の時代に創作するということは、大凡誰しも考えたことはないのではないだろうか。こういう作曲法を用いて創りだしたその労は、奇跡としか言いようがない。現代音楽の模索の時期に、佐村河内の音楽は今後の世界の作曲法の抜本的基盤の道標を示したといってもいいかもしれない。この交響曲は自らの命を削り、命がけで書かれた大曲である。「闇が深ければ深いほど祈りの灯火は美しく輝く」という作曲者の言葉に象徴される。少なくとも五体満足でいられる自分には、これ以上何を望めばいいのか？と赤裸々に自身の人生を顧み、胸が痛くなる。この交響曲第一番にはあらゆる苦しみを越えて希望を見出そうとする人間の普遍的な心情に、深く通じる真実の音楽が聴く者の心を深く揺さぶる。最終楽章に苦しみと闇の彼方にある希望の曙光が降り注ぎ、先に見える黎明は人間の根底に途轍もない感動を呼び起こさずにいられない。この作品を聴いて流水のような涙が何度もあふれた。溢れ出る涙は佐村河内という人の至難の姿に涙するものではない。この作品に存在する魂の所以がそうさせるそう聞こえるが故の涙であると心から思った。

  2013/04/19

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• 深町純～幻の新作

  3ヶ月ぶりの投稿、昨日も書いたがｈｐを見る事も激減、ただ音楽三昧や映画は忘れることなく日々過ぎている。小生の大好きな音楽家であり日本屈指の即興演奏家で作曲家の深町純のアルバムがEMIから発売になった。８月21日。昨年11月に他界し、彼の最晩年の録音である。一度に３枚発売になった。行方さんの渾身の企画であり、東芝EMIのメジャーから待望の発売である。１枚は「黎明」というタイトルでオリジナル即興演奏の10曲入りのアルバム。2つ目が唯一のクラシックライブ（ショパンにシューベルト）、そして3枚目が日本の唱歌童謡に至るもの。その3枚の中でも「黎明」には常住依空というか森羅万象のごとく晩年の人生を燃焼したかのような音跡がある。静寂と爆発するようなエネルギーの対当するコントラストだ。何故このような音楽になったのか、死に至るまでの痕跡はもしかしたらここに凝集されていたのではとも思われる。そういう音である。このアルバムの中から静寂に至る即興は深町純の真骨頂、その旋律の美しさ、そして間合から生まれる途轍もない美は生涯2度とは生まれない旋律である。2枚目のクラシックライブはたぶん数回しかトライされたことがない珍しい集合で、小生は唯一ライブを聴いた。このショパン、シューベルト作品は通常クラシック音楽を聴いているものからすれば正直あまり良いとは思えないと思う。かくいう小生も何度も聴きなおしたが同じ感想を抱く。その中でもショパン＝深町のアレンジものは面白い。唯一このアルバムの中でこれが深町と頷ける音楽になっている。そして日本の唱歌・童謡編は以前に出ていた幾分かのアルバムの方が彼らしい音楽を表情の人として演奏されていたように思われる。このアルバムはちと残念にも感じた。今までのデビュー（あてはまらないかな）から最晩年の集大成まで、深町の音楽を垣間見ると、シンセ屈指の70～80年代から2000年前後からの即興を中心にした様々な音楽、人生の転換期が今日までに残された彼の足跡である。演奏一回生、生涯に同じ音楽、音は二度は聴けない、その必然にして確固たる世界が彼の最大級の遺産である。小生はその中でも「春夏秋冬」の4枚のアルバムが深町純の全作品中で最高のアルバム、音楽であったとあえて確信した。深町の音楽を聴くたびにいつも思い出すのが、世界的名指揮者、セルジュ・チェリビダッケの言葉だ。「音楽は存在ではなく生起するもの、響きは音楽ではなく音楽が響きを作り出す」。二度は同じものが存在しない演奏一回生、生前息子の誕生日に父の演奏した音楽会の音を録音して、誕生日のプレゼントにほしいと息子は言った。チェリビダッケは音楽は音はそこにしかない、息子に欲しいのであれば聴きにくるしかないと言ったほど。即興という演奏一回生の世界がこれらのアルバムに残された。小生の生涯の宝であり琴線にふれるメロディラインはもう生まれないのかもしれない。

  2012/09/08

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• レコード再来の兆し

  いや～超がつくほどご無沙汰至極で6月以来の投稿です。特に書けない状態でしゃなかったのに何とも””昨年末よりスマホに換えてから、携帯での投稿がしづらくなった。自分のｈｐを見ることさえ減少した。何とか記入していくようにしないと、生きた化石になりそうである。このところネットニュース等で話題になっているのがＬＰレコードの復活劇である。すでに生産量が前年の1.5倍になり増産体制をメーカーがとっている。とはいえ東洋化成がほとんどのプレスをしているが、アナログファンとしては嬉しい限りだ。レコード人気、急回復のワケ、デジタル世代には新鮮な響き レコードの試聴もできる(東京都千代田区のディスクユニオン)この企画が起爆剤となり、12年１～６月のディスクユニオンの店舗への来店客数は前年同期比１割ほど増えたという。ディスクユニオンの塙耕記さんは「若いときにレコードを集めて、しばらく離れていたという団塊の世代の来店が目立つ」と話す。一方で「ザ・ビートルズ」やアニメ「けいおん！」などのデザインをあしらった同社独自企画のレコードバッグなどファッションを入り口として、一昔前は皆無だった20～30代の女性も来店するようになっており、年齢層の裾野は広がっている。レコード本体だけではなく、ジャケットの魅力も大きい。東京都新宿区に住む元会社役員の男性（56）は、レコードを飾れるよう自宅マンションを改装するつもりだという。約100枚所有するレコードの一部を並べられるよう入り口からリビングまでの壁に棚を備え付ける計画。「訪問客にジャケットを見てもらい、気に入ったら実際にプレーヤーにかけて聴いてもらいたい」。スピーカーとプレーヤーはすでに用意した。もろさも否定的に捉えるばかりではない。レコードのみをかけるジャズ喫茶「ジャズオリンパス！」（東京・千代田）を経営する小松誠さん（54）は「紙のジャケットが朽ちていくのも魅力の１つ」と話す。米アップルの音楽配信サービス「ｉＴｕｎｅｓ（アイチューンズ）ストア」の機能が近く拡充される見通しとなるなかで脚光を浴びるレコード。デジタル一辺倒の流れに対する抵抗感を暗示している。ディスクユニオンの塙さんは「音楽配信で音だけを手に入れるのを味気ないと感じている消費者は少なくない」とみる。ちょっと立ち止まって音楽の楽しみ方を考え直してもいいのかもしれない。などなどニュースに事欠かない話題を繰り広げている。実際はちょい数年前まではオーディオ全盛期だった。その中でも群を抜いていたのが、ベルトドライブ方式のアナログプレーヤーで（トーレンスやＥＭＴなど）、ＣＤプレーヤーのワディアやアキュフェーズ、デンオンの最高機種等でやっと肩を並べるという世界だった。今はiＰod等が世の主流になりつつある。だが、音質やあらゆる音楽の臨場感や演奏家の魂に通ずるものはまるで天と地の開きがある。そもそも比べる世界ではないのだ。以前はディスクの中に含まれた音楽を具現化し音場を眼の辺りにしたのが、オーディオ全盛期であり、アナログもそういおう方向性を持っていた。今は形あるものではなく、音さえあれ良いというつかみ所を失った世界といえる。音楽聴ければいいか...そんなものである。決して音が悪いわけではなく、ただ音楽が流れているというに等しい。長くなるので、まずはこのあたりで一度掲載し、また改めて記載したい。

  2012/08/26

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• 吉田秀和先生死去～思い出

  《音楽表現に論理的な視点を提示》２２日に亡くなった吉田秀和さんは、美しい文体の評論で、音楽ファン以外にも多くの人を引きつけた。東京帝大仏文科を卒業後、音楽評論を自身のノートに書き始めたころから、演奏の印象雑記や好き嫌いに終始する当時の日本の音楽評論の打破を目指した。戦後「ロベルト・シューマン」などの評論で、音楽表現に論理的な視点を提出、文化論としても高い評価を得た。その後、新聞に批評を定期的に掲載、新聞の音楽評論が先導する日本の音楽文化の形態を作り上げた。新聞批評でも「評価する理由をはっきりさせなければ意味がないでしょう」と常に語っていた。ピアニストのグレン・グールドをいち早く評価するなど先駆的な評論は世界でも知られ、初来日公演を吉田さんに「ひび割れた骨董（こっとう）品」と批判された名ピアニストのホロビッツが「吉田を満足させる」と、再来日公演を決めたことも知られている。（毎日新聞）小生、このニュースを知った時、筋肉が弛緩したかのような居た堪れないショックで、体から力が抜けきった。あまりにも大きな指標が消えたという感じだった。数いる著名は音楽評論家の諸先生の中で、過去にも今にも未来にも、吉田先生のような方は出てこない。吉田先生ほど論理的な書き方で構築された文章を客観的に文学的に書かれる方はほとんどない。専門的でありながらも、詩的であり且つ論理的であり、批評家以上に文学者であり、作家であった。吉田秀和先生は、日本を代表する以上に世界３大音楽評論家として天下に名が通った方である。常に何ゆえにということが明晰に書かれている。最も大切な批評や書き方の中にその所以たる確証を用いた方であり、感覚だけではなく譜面の裏付けが必ずあった。大仏次郎賞を受賞した「吉田秀和全集」は小生の30年以上も前からの座右の書になっている。小生がその30年も前、当時駆け出しの音楽評論なんぞを傍らに始めていたころだが、偶然にも先生に出会えた。地元の音楽愛好家やアマチュア演奏家の方たちのコンサートプログラム、曲目解説などを書いていたころで、たまたま縁あって日比谷公会堂でポゴレリッチの初来日コンサートを聴きに行ったとき、吉田先生にお会いした。会場で見かけ、お声をかけるのにも声が震えて、何を話してよいやら固まってしまった記憶がある。先生の存在は、当時から雲の上の神様みたいな人だった。それ以来、吉田先生の音楽観、感性に纏わる文章の流れの美しさ、また造詣の深さからくる信憑性と確信的な裏付けによる普遍的なな解釈、それらは読んでいて安心し、自らが納得して確信をもてるようになった。朝日新聞での書評、レコード芸術での書評と考察、どれもが評論家としての風格と質の高さは、日本屈指である。アメリカのハロルド・ションバーグ、ドイツのヨアヒム・カイザーと並び、評論家としてその実力と評価は世界でもお墨付きだった。先生の死で日本を始め、世界のクラシック音楽会での大きな指標がなくなってしまったことは、残念極まりない。高齢であり、どれほどかのご負担はあったかとは思うが、もっと書き続けていてほしかった。宝を失い、巨星が消えた悲しみはあまりにも大きすぎる。こう思うのは小生だけではなく、大多数のクラシック音楽ファン、そして吉田先生の文献を読んでこられた人たちはそう思うのではないだろうか。

  2012/06/02

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  ラトル会心の名演奏、ブルックナーの第9番　４楽章付

  久々に投稿。このところ忙しさに感けてｈｐの更新すらしていない。そんな中、事の他素晴らしい名演奏に巡り会った。サイモン・ラトル/ベルリンＰＯによるブルックナーの第９シンフォニー。それも４楽章付の数少ない版だ。ブルックナーは1896年10月11日、ウィーンのベルヴェデーレ宮殿の管理人用宿舎で亡くなった。悲報に集まった友人や知人たちが最後の作品となった交響曲第9番に関わる楽譜も含む貴重な自筆譜の数々が、記念や想い出、あるいは転売のために持ち出されてしまい、後年、その一部が遠く離れたワシントンDCで発見されたという経緯をもつ。そしてブルックナーのもとに残された第4楽章の自筆譜には、さまざまな段階のスケッチが存在しており、それを素材としてフラグメントとして演奏するか、あるいは補筆完成して演奏するかという二つの選択肢が現在まで続いている。だがあまりにもその数は少ない。というより演奏される機会は稀といえるのが実情だ。フラグメント活用の最初の重要な試みは、ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮ウィーン交響楽団（1984）の録音で知られるが、ブルックナーの素材を元に自由に作曲したもので、補筆完成目的とは異なるアイネムだが印象深い。　補筆完成の最初の重要なものは、1981年から83年にかけて書かれたアメリカの音楽学者、ウィリアム・キャラガンによるものでヨアフ・タルミ指揮オスロ・フィル（1985）によって録音され、フラグメント集も同時に収録されて話題になった。そしてその次にあらわれたのが、イタリアの音楽学者ニコラ・サマーレとジュゼッペ・マッツーカにより1984年に書かれた補筆完成版で、エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団（1987）と、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮ソ連国立文化省交響楽団（1988）によって録音された。今日最も聴かれてきたのはたぶんインバルのレコード、ＣＤだろう。その後、何度か改訂がおこなわれてそれぞれの完成度を高めており、第4楽章補筆完成版の2大ブランドとしてすでにファンの間では定着している。今回ラトルがとりあげたヴァージョンは、ニコラ・サマーレとジュゼッペ・マッツーカによって始められ、後にジョン・アラン・フィリップスとベンヤミン＝グンナー・コールスが加わって完成度を高め、1992年に刊行された「サマーレ、フィリップス、コールス、マッツーカ版（SPCM版）」の最新版である。SPCM版の原型であるサマーレ＆マッツーカ版が1984年に刊行された時点では発見されていなかった素材を反映するなどし、実に26年をかけて進化してきた。今回使用された最新の改訂版は、一連の作業の集大成として、これまでにない大幅な改訂を加えたものとなっているのが特徴。純度を高めるべく改訂の進められた今回の新しいヴァージョンにラトルは深く満足したらしい。（Ｄ・ハーディングの演奏も素晴らしかった）ラトルによる実際の演奏は、まず2011年10月に、ベルリンのユース・オケであるブンデス・ユーゲント管弦楽団を指揮しておこなわれ、これにはコーラスも関わって入念な解釈の検討がおこなわれ、翌年のベルリン・フィルとの演奏を成功に導くことに繋がった。再現部の第3主題部まで、つまりコーダの部分を除き、大まかな構想はできていたといわれる第4楽章だが、600小節を超えるこのヴァージョンのうち、三分の一ほどがブルックナー自身により完全に作曲された部分となっている。これを基本に補筆して加えられ研究者たちによる創作部分は、30小節前後となっていると記載されている。ところが実際にその完成ヴァージョンを聴くと、ブルックナーらしさも感じられる一方で、違和感が感じられる部分もあるのも拒めない。ラトルはこれについて、「このフィナーレで奇妙な個所は、すべてブルックナー自身の手によるものです。ここには彼が当時体験した脅威、恐れ、感情のすべてが現われているのです」とライナーに書かれている。また「これまでに再構築を繰り返してきた第4楽章には、非常に多くの人の手が加えられていたと思われる。今回の完成版は今まで聴かれていたものとあまりに違うことに驚くでしょう。もっとワイルドで、奇異な感じがして、当時では考えられないようなたくさんの不協和音が用いられ、時代の先端をいっていたのです。」とも述べている。実際これまでのヴァージョンで感じる薄味な響きとは全く異なる迫力あるサウンドは説得力がある。壮大無辺な宇宙観はまさにブルックナーの真髄といえるだろう。３楽章から４楽章に続くその限りは起承転結で語れるものではないが、宮廷オルガニストであったブルックナーの晩年最終の音楽観と世界観、宇宙観は底知れぬその大きさに深く感動するだろうと思われる。たぶん古今東西を通し、ブルックナーほど宇宙、それが音楽の根源であると考えさせられる作曲家はいないのではないだろうか。そしてこのラトルの熱演、まさに第９番の最高峰の１枚として歴史に残る名演を成し遂げたといえるのではとディスクを聴いて感極まったしだいである。・ブルックナー：交響曲第9番ニ短調 WAB109（第4楽章補筆完成版） [82:18]　第1楽章：Feierlich: Misterioso [24:02]　第2楽章：Scherzo: Bewegt,lebhaft [10:59]　第3楽章：Adagio: Langsam [24:34]　第4楽章：Finale: Misterioso, nicht schnell [22:43]　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団　サイモン・ラトル（指揮）　録音時期：2012年2月　録音場所：ベルリン、フィルハーモニー　録音方式：デジタル（ライヴ）

  2012/05/20

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  ジャッキー・エヴァンコ、天賦の才を単なる天才と呼ぶにはあまりに安易、まさに歌神の生まれ変わり

  世に言う天才と呼ばれる人は、分野によって多々誕生している。学者肌の分野の医学や科学や文学音楽と様々である。事、音楽の世界はその才たるものが常人と全く違ったレベルの高さや、生み出されてきた音楽そのものに唖然とするほどの異なりを見せる。過去に名だたる作曲家のモーツァルトもベートーヴェンもバッハもと、バロックから現代に於いてその天才であり神がかった存在は、人類否宇宙の遺産であり、現在に生命のあるもの授けられた賜物として受けとめられている。その譜面の中身を具現化する演奏家に於いても、古今の名演奏家やその天才的な音楽家が多く誕生した。六道輪廻として神が与えたその時代に則した演奏家の誕生とよびたくなる。何故ならあまりにも必要不可欠の時に時代の寵児として誕生している。これはたんなる偶然ではないだろう。今日は昨年来から世界の音楽界に現在の天才歌手ジャッキー・エヴァンコの事を書いてみたい。先にも書いたが、世に言う天才とは...そう呼ぶにはあまりにも安易な表現で、彼女は正に神が創りたもた天使そのものである。あまりにも人間離れした完全に成熟しきって完成された歌手であり、もはや歌神といえる。11歳という今の年齢は歌の素晴らしさから見たら、信じられない年齢である。音域といい表現力といい、声質のピュアで透明度性とどれをとっても完璧すぎるくらい完璧で、美辞麗句をどれほどか述べても彼女を賛辞しきれない。「神よ、願わくば、彼女をこのまま歌神としてこの地球に存在させていてほしい」そう思えてしまうくらいだ。10月にはデビット・フォスターとの来日を果たし、来年1月13日にはオーチャードホールでの来日コンサートが決まった。伴奏は東京フィルで、来春最も興味の尽きない天使の歌声に聴き入ってみてはどうだろう。

  2011/11/13

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  ドニゼッティの「ロベルトデヴェリュー」　オペラを見て

  今日は知人から急遽電話があり、音楽会に行けずとの事で、小生が代わりに久々にオペラを聴きに行ってきた。題目はドニゼッティの「ロベルトデヴェリュー」。東京文化会館だったが、ほとんど上演される機会も少なく、ＣＤも輸入盤に少しあるくらい。もちろん小生も初めて見る聴くオペラなのだが、超満員。チケットもＳが54000円とさすがにオペラは高い。代わりとはいえ、申し訳なく感じた。結果、オペラはものすごく良かった(^^)とにかくグルベローバがむちゃくちゃ素晴らしかった・(^^)びっくりするほど、まだまだ現役、ぶっちぎりの存在(^^)きも～ち以前より力が入って歌ってるようにも感じた(^^)圧倒的貫禄と、風格は別物次元が違ってた。それにソプラノのサラ役のソニア・ガナッシ、彼女がとても素晴らしかった。メゾソプラノもこなし、軽く歌って、いやいやバカ上手い(^^)代役でテノールのロベルト役のアレクセイ・ドルゴフも良かった(^^)声は第一級もの。演技は少し難点があるかなバリトンのノッティンガム公爵役のデビッド・チッコリーニもこれまた代役で、上手いバリトンだった。演出は今風だったけど、初めて見るドニゼッティのオペラとしては、かなり分かりやすく、見やすい。ダボンテじゃないけど、詩に音楽をつけてこそ、オペラ。表情の人と言ってたのを思い出した。文字通りそういうオペラだった。内容は4角関係もので、オペラの詩はとても気品高く（このオペラに限らず）、普段自分が表現しない（出来ない）語り口調がとっても羨ましくも美しく響き、印象兼々良かった。あらためて、オペラ音楽の持つ魅力と魔力に毒されそうで癖になりそうだ。先立つものが許せば、また聴きに行きたい。こういうの聴いちゃうと、参るよね。ホント堪らない(^^)写真は神奈川県民ホールでのコンサート模様。花束こそは無かったもの、本日も同様でした。さすがに写真はとれませんでしたしね＾＾”

  2011/09/27

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  2011東京ＪＡＺＺフェスティバル！極上の大人のジャズ。

  今年で東京JAZZﾌｪｽも10周年を数える｡3月の未曾有の大震災もあり､何かと危惧されたが､全世界のｽｰﾊﾟｰJAZZﾒﾝたちがこの10周年を記念して一同に集まった｡小生､本日このﾗｲﾌﾞｺﾝｻｰﾄを聴いてきた｡9月3日の昼の部公演で､ｶｳﾝﾄﾍﾞｰｼｰ､寺井尚子+ﾘｼｬｰﾙ･ｶﾞﾘｱｰﾉ､そしてﾐｼｪﾙ･ﾙｸﾞﾗﾝ･ﾄﾘｵともの凄いﾒﾝﾊﾞｰ｡ PM1時00分から先ずは日本でもおなじみのｶｳﾝﾄ･ﾍﾞｲｼｰ･ｵｰｹｽﾄﾗが満を持して東京JAZZに登場｡5000人ﾎｰﾙの巨大空間で､ｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞﾅﾝﾊﾞｰ満載の華麗なﾋﾞｯｸﾞ･ﾊﾞﾝﾄﾞｻｳﾝﾄﾞが奏でられた｡今年CBﾊﾞﾝﾄﾞ40周年もあり､ﾒﾝﾊﾞｰ諸氏がずいぶん高齢になり､音楽も柔らかくて且つ切れのあるいい雰囲気を醸し出していた｡各自のｿﾛﾊﾟｰﾄで前列に出て演奏､やっぱﾋﾞｯｸﾊﾞﾝﾄﾞはこうだよね＾＾という音楽だった｡+ そして午後2時05分からは､東京JAZZ10周年に寄せて日本を代表するﾊﾞｲｵﾘﾆｽﾄ寺井尚子が､世界随一のｱｺｰﾃﾞｨｵﾝ&ﾊﾞﾝﾄﾞﾈｵﾝ奏者のﾘｼｬｰﾙ･ｶﾞﾘｱｰﾉと贈るｽﾍﾟｼｬﾙﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄ｡ﾋﾟｱｿﾗに感銘･影響を受け､それぞれの音楽世界を築いてきたふたりが､ﾋﾟｱｿﾗにｵﾏｰｼﾞｭを捧げながら､ふたりのｺﾗﾎﾞﾚｰｼｮﾝによる音楽世界を新たに表現していた｡とにかくもの凄い演奏だった｡最初から3楽章形成のｺﾝﾁｪﾙﾄをぶっとｰして弾き切り､ｶﾞﾘｱｰﾉのﾊﾞﾝﾄﾞﾈｵﾝの驚異的な上手さに､寺井尚子のｳﾞｧｲｵﾘﾝ.....日中に携帯でタイトルだけを変更したら、何と昨日の文章が消えているマイッタガックリです。思わず力尽きた感じですその時にしか書けないことが消えてしまった。あぁぁ...携帯から編集は十分に注意しないとだめですね￥￥ 今から筆をとるというエネルギーは既に途切れてしまったけど、最後のルグランの演奏は、生涯二度は聴けない奇跡的な演奏だったことは記しておきたい。超人的なルグランの音楽にただただ神々の領域を感じ、その演奏を音楽を聴けたということに深く感謝している。生きていて本当に良かったと思えた。堪能とか千載一遇とか、表現できる術を超えたとこにある感慨であった。

  2011/09/03

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  新たなる伝説～クライバー　ドキュメントを見て

  久々に驚愕と呼べる伝説のクライバー・ドキュメントの映像を観た。言葉に代えることが困難なほどに興奮の坩堝と化した自分を垣間見たように思う。世に言う狂喜乱舞とはこういう状態を意味するとつくづく我ながらに思った。このＤＶＤ、「世界中から熱狂的な支持を集める伝説の指揮者、カルロス・クライバーの実像に迫るドキュメンタリー映像」と題していて、日本語字幕がついた作品である。白黒のシュトッツガルト管弦楽団を指揮したドキュメント映像を除けば、ほとんどが初登場のクライバーの実像である。2004年に逝去した伝説のカリスマ指揮者であり、取り上げるレパートリーを極端に絞り込み、少ない演奏会、決して多くはない録音と一般的に報じられているが、知られざる側面と実際はどうだったのかなどが、事細かく彼の側近の人たち（オットーシェンクやドミンゴなど）のインタビューでその赤裸々な人となりが浮かび上がる。ひとたび舞台に上がると聴く者すべてを魅了する演奏をしたが（これだけでもとてつもなく素晴らしい）、聴くだけでは聴衆は満足できなくなり、クライバーが指揮するオケを見たいという魔境の魅力を備えていた。そうドミンゴが語っているが、まさにその通り。かくいう小生もまったく同感である。あまりにも美しく艶やかで極上の魔力。古今東西に生きながらにして伝説の指揮者と呼べた指揮者はクライバーを於いて他に存在しない。これは言い切れる事実だ。この映像は、関係者、楽団員らの興味深い証言とバイロイトの「トリスタンとイゾルデ」のオーケストラピットでの映像など、クライバーのカリスマ性、音楽性を垣間見ることのできる超貴重な内容である。また有名なウィーン・フィルとのベートーヴェン交響曲第4番の第2楽章のリハーサル中に起きた「テレーズ事件」の音声や、リッカルド・ムーティ、有名なオペラ演出家のオットー・シェンクらのインタビュー、父エーリッヒへの尊敬と葛藤についての話など、完璧主義であったそれゆえに苦悩した天才カルロス・クライバーの実像が克明に描かれている。まだまだ枚挙に暇がないほど、興味津々の映像が埋め尽くされ、今までに見たどのクライバー関連の映像よりも驚きと興奮を隠せない最も優れたＤＶＤだと言えると思う。少なくとも小生のクライバー暦に於いて、この映像は金字塔的宝だと確信した。たぶんに万人にという言葉は正しくないと思うが、クラシック音楽をお好きな方や、コンサートを聴きに行かれる方は、十分すぎるほどに永遠の伝説的指揮者、カルロスクライバーの一面から、新たな音楽の入口に触れても良いと思ったほどである。そういう意味からも、多くの人に観てもらえればと思う所存である。

  2011/08/21

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• マーラー没後100年　アバド/ベルリンＰＯの名演

  先だってＮＨＫＢＳでマーラー没後100年記念（7月7日の七夕の日生まれ）のコンサートを見た。マーラーの第10シンフォニーと交響曲「大地の歌」だ。アバド指揮/ベルリンフィル、独唱にソプラノにオッター、テノールにカウフマンという現在考えられる理想的な最良の組合せ。そしてベルリン・フィル。マーラー没後１００年の記念演奏会であり、今日求められる演奏家でこのアバドの指揮でマーラーの大地の歌が聴けるというのは、クラシック・ファンなら狂喜乱舞するほど興味尽きないプログラムと言える。演奏の傾向は全体にゆったりとしたテンポ（特に最終楽章の告別）で朗々と奏でられ、歌も抜群に上手い。オッターも素晴らしいけど、カウフマンはかなり良いテノールだ。現在最高のテノールといえると思う。彼はこの曲を暗譜している。それにベルリン・フィルのオーケストレーションの上手さは熟知の極みといえるほどで、壮絶なまでに荘厳な世界観を披露していた。これほど素晴らしい演奏は、滅多に聴けない。若いころから自分の今生の別れには、大地の歌から告別の楽章とマーラーの第9番の最終楽章を静かに掛けてもらえたら有難いと決めている。人の生き死にに遭遇するたびにその感は深まっている。葬儀や法事でも御経と同等な趣がある。たぶんにほとんどの大地の歌を聴いているとは思うのだが、というかマーラーの音楽を子守唄としてきた。学生時代に電光石火の如く、眼前に彼の音楽との遭遇は小生の音楽人生最大の出来事だった。それ以来、この作曲家に惚れ込んでいる。そして、今回のアバドの指揮する大地の歌、これは凄かった。ライブやＣＤレコードのい時代を遡っても、記憶の片隅にあるワルター/ウイーン・フィル以来の名演であったろうと思えるくらい。5月18日のベルリンフィル・ハーモニーホールのライブ収録で、岐宿もマーラーの没後100年のちょうど命日にあたる日である。素晴らしい演奏に巡り会えることは、この上ない至福である。一時の感動を命ある限り、心に収めておきたい。そう思える「永遠を見た」そういう演奏だった。出来ることなら、是非ともこれはＣＤで発売されることを望みたい。尚、楽曲の編成を下記に掲載すが、マーラーの交響曲「大地の歌」は通常の４楽章形式の管弦楽合奏の交響曲とは異なり、６楽章の管弦楽伴奏をともなった歌曲集だ。中国の著名な古典から引用し、彼岸から至岸への世界観をマーラーは顕わしていると思う。第１楽章：「地上の哀愁を詠える酒席の歌」（李白）第２楽章：「秋に独り寂しき者」（銭起）第３楽章：「青春について」（李白）第４楽章：「美について」（李白）第５楽章：「春にありて酔える者」（李白）第６楽章：「告別」（孟浩然ー王維）１，３，５楽章（奇数楽章）をテノール２，４，６楽章（偶数楽章）をアルト乃至メゾで歌われる。

  2011/07/24

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  夏の夜長に涼む

  昨日の暑さは熱風交じりで、フェーン現象みたいでした。東京でも風が強く、で、暑い。こういう日はかなり疲れる暑さである。あつ～い！という暑さも疲れるが、昨日のような疲れは生じない。そんな暑さも夜中の12時を過ぎた頃から、微妙に涼しさもでてきた。こういうときは涼める音楽が功をさす。『ワルツ・フォー・デビー～ビル・エヴァンスに捧ぐ ティボーデ(p』。夏の暑い時に清風を注がれ、耳に心に一服の浄化作用があり、心地よくエンドレスにしておいても飽きが来ない。まさに鬱陶しい夏の暑さに最適だ。フランスの貴公子と呼ばれデビューしたが、彼も円熟の年齢になりつつある。このＣＤは1994年の発売だからだいぶ時が経つ。クラシックもジャズもお好きな方、音楽あまり好きじゃない、こういう人、つまりどんな人にも受け容れられるのがこのアルバム＾＾彼はエバンスの名曲をラヴェルやドビュッシーのように弾いている。香り高いフランス音楽のエスプリが漂い、ジャズのもつ都会性といったものとが抜群に相まっている。邪魔にならず洋々等々と流れていく。当のエバンス本人の名盤よりも個人的には好きなくらい。まさにエバンス的とよべるものです。そもそも曲がものすごくいいから、それに輪をかけて良くした感じです。四季を通じ一年中聴けるけど、暑い夏には最良の清涼飲料水を頂く様な安堵感と爽やかさが得られる。迷わずにオススメです。

  2011/07/05

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  ジョン・バリー氏死去

  遅ればせながら、朝から訃報のニュースを省みて...小生の最も好きな映画音楽の作曲家ジョン・バリーが去る1月30日に死去した。衝撃と悲しみが一緒に訪れた。かれこれ35年以上彼の音楽を聴いてきた小生としては、昨年後半の深町純の死以来、ジョン・バリーの死去は心の片隅を抉られてしまったように空虚な隙間が出来てしまった。至極残念で大ショックを受けている。思うに彼ほどメロディラインの美しい音楽を生み出した作曲家はいない。世界最高峰の映画音楽作曲家である。一般的にジョン・バリーの音楽は、映画「007」シリーズを手掛けたことで知られる国宝的な英国の大作曲家である。彼は30年以上にわたって活動し、100本以上の映画で音楽を作曲。その中で同氏が手掛けた「007」シリーズは『007／ゴールドフィンガー（Goldfinger）』や『007は二度死ぬ（You Only Live Twice）』など11本に及ぶ。ショーン・コネリー出演のシリーズは殆ど彼が作曲し、「007」の音楽の構築は"こういうものだ"というスタイルを築き上げた。その他、「フォーロー・ミー」「さらばベルリンの灯」など、名曲を上げたら枚挙に暇が無い。名曲の宝庫の大多数を彼の音楽は占めている。「愛と哀しみの果て」や「ダンス・ウィズ・ウルブズ、「冬のライオン」「野生のエルザ」でアカデミー賞を獲得し、名旋律、名曲として古今の歴史に大きな足跡を残した。中でも小生としては「ある日どこかで」の名画名曲を第一に推奨する。この映画は８３年だが、ここに流れるメロディの美しさは他に比較できないほど美しい。まさにジョン・バリー節といっても良いくらいで、彼の真骨頂であったと断言できる。この母体が「愛と哀しみの果て」や「ダンス・ウィズ・ウルブス」に結びついている。イングランド北部ヨーク（York）で映画館を経営する父親とピアニストの母親との間に生まれ、映画と音楽に囲まれて育った。1970年代中ごろ、ニューヨークに住まいを移していたが、１月30日、米ニューヨークで死去した。77歳。家族が31日に発表した。死因は心臓発作と伝えた。謹んでここにご冥福をお祈りしたい。亡くなられて商売の話をするのは恐縮だが、是非とも彼の残した作品全集をCDで発売してほしいと願っている。国内では以前にソニーから「ムービー・オーラ」のシリーズが２枚、他にEMIから「007シリーズ」が発売されていたが、現在は手に入らない。輸入盤のみが入手可能だ。他には輸入盤で29枚ほど出ているくらいだ。もちろんサントラとしては出ているものはあるが、作品数からしたらホンの一部にすぎない。全世界の音楽ファン、ジョン・バリーの音楽好きな人の大多数は、全作品のディスク化を切望していることだろう。何とかCDとして発売して頂き、永遠の音楽世界遺産を保存していただけるよう心から願っている。

  2011/03/06

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  1983年、若杉＆WDR　マーラー9番東京ライヴ！

  待望！ついに若杉/ケルン放送交響楽団のマーラー/交響曲第9番の東京ライブがＣＤで発売になった。　小生の思い出深い演奏会のひとつである。地方に住んでいたため、その地で若杉/ケルンＲＳＯ（放送交響楽団。現在はＷＤＲ）でベートーベンの英雄交響曲を聴いた。その時の演奏がもの凄く良くて、感涙極りだった。こんな演奏は滅多に聴けないといえる名演奏だった。そのコンサートの３日後ぐらいだったと記憶するのだが、東京でマーラー/第9交響曲のプログラムがあり、いてもたってもいられなくなり馳せ参じたのを覚えている。この時のケルンＲＳＯのオーボエ奏者に宮本文昭が主席オーボエ奏者として演奏していた。英雄ＳＹＭでも驚いたが、彼のオーボエの音色と音そのものが突出して美しく響いていた。この人ただものじゃないと確信したのも、このころだ。既にアルバムもソロで発売になっていて、聴いてはいたが生で聴くともっと驚いた。マーラーの音楽は、小生の音楽構造の中核をなし、自分の子守唄で毎度の食事のように聴いてきた。あらためて今回発売になった若杉/ケルンＲＳＯの1983年の東京ライブを聴き直して眼前に当時の音楽の響きが彷彿した。一言ではいえないが、音楽が丁寧で真摯な姿勢と躍動と深遠というものを若杉/ケルンから感じ取ることが出来る。弦の美しさと音像定位の骨格が確りした台形の響き。そういう演奏である。旋律の運びの美しさ、まるで呼吸に近い感覚である。何というオーケストレーションの美しさだろう。生で当時聴いたその感動と比べれば、ディスクに納まった音楽は世界が少し萎縮する。これは致し方ない事だ。今回発売になったＣＤは83年の2度目の来日のコンサートだが、この演奏会を聴いた人たちの間で伝説化するほど、語り草になつている。格言う小生も語り草の一員である。今回の発売は小生としては万感の有難さを禁じえない。マーラーがお好きな方には是非ともオススメしたい。若杉さんも一昨年2009年の7月に他界し（享年74歳）、真摯な音楽家の演奏を聴く事が出来なくなったのは残念至極である。

  2011/01/30

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  おもしろクリスマス種＾＾

  このほどAFPB（ワールドニュース）ニュースに最もイライラするクリスマスソングを選ぶ投票がブルガリアで行われたとの事で、英国の人気デュオ「ワム！（Wham!）」の「ラスト・クリスマス（Last Christmas）」が、マライア・キャリー（Mariah Carey）の「恋人たちのクリスマス（All I Want for Christmas Is You）」を抜いて1位に選ばれたそうです。ウェブサイト「www.nohohoho.org」で行われたオンライン投票で、2万8110人のブルガリア人が今年のクリスマスに最も聞きたくない曲として「ラスト・クリスマス」を選んだという結果がでました（しかしよくやりますね＾＾）。投票者からは「17万2395回も聞けばどんな曲だってうんざりする」、「これらの曲のせいでクリスマスに憂うつになる」などのコメントが寄せられたそうだ。とは言うものの「ばかげてる。クリスマスの雰囲気を創り出しているのはこういった曲なのに」と書き込みも多々あり、投票自体に反対する人もいた。そりゃそうです。まぁこんな投票結果になった2曲ですが、ウェブサイト「www.gigwise.com」では、ノキアのOVI音楽ストアの数値によれば史上最もダウンロード数が多かったクリスマスソングだと発表している。世の中そういうものですネ。明日は24日イヴ、25日の聖誕祭に皆さんはどんな音楽を装いますか＾＾小生は今年もエマカークビーのクリスマス・アルバムと、マイケルフランクスのゆる～いクリスマス・ソングにしよかなぁと思ってます

  2010/12/23

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  メジューエワ／ショパン・リサイタル２０１０ライブ録音を聴いて

  メジューエワの最新アルバム、「ショパンリサイタル2010」を聴いた。手元に届いて数日が経ち何度となく聴いているのだが、作品によって彼女のショパンの作品に対するアプローチは、ロマン派音楽という範疇ではなく、ショパンを古典的な作品として捉えているように思われる。特に起伏にある曲調にそう感じられるのは小生だけではないだろう。事実、表現は異なるがライナーを書いている音楽ジャーナリストの渡辺謙太郎さんもこのことを指摘されている。最も日本人の感情に即した（フィットした）新古典主義的なショパンの解釈、そのような書かれ方だったと思う。小生が思うに、古今の巨匠たちは時代の捉え方やそのロマン派たる音楽としてショパンを捉えていたからだと思う。コルトーやフランソワ、ルービンシュタインらのロマン派音楽のロマン的な方向、況してや次の世代のアシュケナージやポリーニ、アルゲリッチとも捉え方は微妙に変わってきている。凡そ世界中のほとんどのショパンファン、聴衆はショパン像を”ロマン的”として聴いてきた。実際ショパンの音楽はロマン的なのだが、様々な側面を考慮すれば一言では語れない深奥がそこにはある。メジューエワの演奏する音楽は限りなくロマン的であるにもかかわらず、ポロネーズやバラードの１番など緩急起伏の激しい曲やテンポの違い等に古典的解釈ともとれる演奏スタンスが顕著に表れている。それがとても聴きやすく馴染むのだ。このアルバムは『ノクターン集』が2010年度レコードアカデミー賞に輝いたメジューエワによるショパン生誕200年メモリアル・イヤー企画の最終リリースだが、2010年7月に富山県内二箇所で行われたリサイタルのライヴ録音を集めたものだ。お馴染みの「幻想即興曲」や「小犬のワルツ」、「別れの曲」といった有名曲のほか「ピアノ・ソナタ第3番」、「幻想ポロネーズ」「バラード1番」などの大曲も収録されている。ロシア・ピアニズムの継承が息づく伝統に即しながら、詩情と憂愁を情感豊かに表出し、情熱的幻想の表現法は醍醐味の極み、詩情豊かに満遍なく奏でている。旋律の美しさは曲の素晴らしさはもとより、彼女の演奏する強弱のコントラストが透徹した品格を備えている。「ソナタの３番」の３楽章など、最も得意とするところだと思える。崇高なまでの美しさを秘めた叙情性を表現し、ここにある音楽はもはや”天国的”という表現が適切。ショパン生誕200年最後を飾るアルバムに心から拍手を送ると共に、この珠玉の名曲集を多くの人に聴いていただけたらと思う。

  2010/12/22

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  ブルックナー：交響曲第8番（1887年第1稿）シモーネ・ヤング

  先のブラームスを聴いて、えらく感激したが、待望、ブルックナーの第８交響曲を聴いた。1887年第一稿版で、通常演奏されるケースはどちらかというと少ない。当時のブルックナーの交響曲を成功させた指揮者ヘルマン・レヴィ（第７交響曲をミュンヘンで大成功に導いている）にこの曲の初演を依頼したが、楽譜を見るなり、ブルックナーを意気消沈させるほど酷評された。ブルックナーは即座に改訂に取り掛かるが、実に作曲着執から６年後の1890年に第2稿として完成する。ハンスリヒター/ウィーン・フィルでウィーンムジークフェラインでの初演となった。おそらくブルックナーの生涯で最大の成功となったと思われる。一般にこの曲は、この第２稿改訂版、ハース版、原典版等で演奏されることが多い。それだけ改訂が多い曲でもある。今回彼女は第一稿（ノヴァーク版）で演奏しているので、各楽章に違いがけっこうある。長柄でもし聴くとすれば冗長な音楽がだらだらと流れているような演奏にもとれる。が、この演奏、実に丁寧で各部に彼女の哲学・根本的なブルックナー音楽への造詣が滲み出て、ずっしりと座った観がある。正直素直で素晴らしい演奏である。特に第３楽章、第４楽章は聴き栄えがある。最近では第1稿にはブルックナーの当初の意思が反映した新鮮な魅力を高く評価する意見もあり、近年再評価されてきているのも分かる。まぁ、版の違いでの好みが分かれるかもしれないが、本来のブルックナーの音楽を考えれば、それらはあまり重要な意味合いを持たないのではないかと小生は思う。なぜならどの版を使おうが、すべてはブルックナーの第８交響曲なのだという結論に至るからだ。ブルックナーの作品史上、最高の作品であることだけは古今東西を問わず、誰が聴いても揺るぎの無い事実であることは確かだ。

  2010/12/21

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  2010年度第48回レコードアカデミー賞

  前記イリーナ・メジューエワのノクターン全集がレコード・アカデミー賞を受賞したことを掲載しましたが、今日は全アカデミー賞の作品を掲載します。「レコード・アカデミー賞」は１年間に日本のレコード会社からリリースされたすべてのクラシックの作品の中から、最優秀作品を選定し、発売レコード会社を顕彰するもので、その成果を改めて広く社会に流布させる目的をもつ。 それはまず「レコード芸術」誌の月評により篩いにかけられ、年度末に２８名の選定委員が担当する各部門で協議の上部門賞を決定する。２８名の選定委員全員がすべての部門賞作品を試聴した後、投票により大賞３作品、大賞（金賞）「銀賞」「銅賞」を決定。 なお本年度は「特別部門 特別賞」部門および新設の「吹奏楽」部門は「該当作品なし」となった。詳細は「レコード芸術」2011年1月号（12/20発売）をご覧ください。 大賞 声楽曲部門 ブラームス：ドイツ・レクイエム ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーンpo，アルノルト・シェーンベルクcho，ゲニア・キューマイアー（Ｓ）トーマス・ハンプソン（Ｂｒ）［ＲＣＡ☆ＳＩＣＣ1369］ 大賞銀賞 オペラ部門 　バルトリ／神へのささげもの チェチーリア・バルトリ（Ｍｓ）ジョヴァンニ・アントニーニ指揮イル・ジャルディーノ・アルモニコ［デッカ☆ＵＣＣＤ9764～5，1251］ 大賞銅賞 室内楽曲部門 ドビュッシー，デュティユー，ラヴェル／弦楽四重奏曲集 アルカント・カルテット［ハルモニア・ムンディ・フランス ☆ＫＫＣ5108］ 交響曲部門 ショスタコーヴィチ：交響曲第14番《死者の歌》 テオドール・クルレンツィス指揮ムジカ・エテルナ，ユリア・コルパチェヴァ(S)他［アルファ☆ＡＬＰＨＡ159］ 管弦楽曲部門 グリーグ：劇付随音楽《ペール・ギュント》 ギヨーム・トゥルニエール指揮スイス・ロマンドo，モテ・ド・ジュネーヴ,ディートリヒ・ヘンシェル（Ｂｒ）インガー・ダム=イェンセン（Ｓ）他［エオン☆ＭＡＥＣＤ1098］ 協奏曲部門 ラフマニノフ ：ピアノ協奏曲第３番，同第４番 レイフ・オーヴェ・アンスネス（ｐ）アントニオ・パッパーノ指揮ロンドンso［ＥＭＩクラシックス☆ＴＯＣＥ90168］ 器楽曲部門 ショパン／夜想曲全集 イリーナ・メジューエワ（ｐ）［若林工房☆ＷＡＫＡ4143～4］ 音楽史部門 オケゲム：いかなる旋法にもなるミサ曲，モテトゥス《神の、汚されえぬ母》 リュシアン・カンデル指揮アンサンブル・ムジカ・ノーヴァ［エオン☆ＭＡＥＣＤ0753（２枚組）］ 現代曲部門 ミュライユ／室内楽・器楽作品集 ミシェル・ギャランティ指揮アルジェント室内アンサンブル，イーリン・レサー（ｆｌ）［エオン☆ＭＡＥＣＤ0746］ 特別部門 ビデオ・ディスク「コンサート＆ドキュメンタリー」 ブラームス／ヴァイオリン・ソナタ全集 アンネ・ゾフィー・ムター（vn）ランバート・オーキス（p）［グラモフォン☆ＵＣＢＧ1290] DVD-V 特別部門 ビデオ・ディスク「舞台＆劇作品」 ビゼー：歌劇《カルメン》全４幕 リチャード・エア（演出）ヤニク・ネゼ=セガン指揮メトロポリタン歌劇場o,同cho,同バレエ団　エリーナ・ガランチャ（Ms）ロベルト・アラーニャ（T）バルバラ・フリットリ（S）テディ・タフ・ロドス（Br）他［グラモフォン☆ＵＣＢＧ1288～9］DVD-V特別部門 録音 西村朗：オーケストラのための《蘇莫者》 沼尻竜典指揮 大阪センチュリーso［カメラータ☆ＣＭＣＤ28199]

  2010/12/20

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  Aura　ルーテル教会コンサートを聴いて

  今日は新大久保にあるルーテル教会でAuraのクリスマス・コンサートを聴いてきた。小生のｈｐにもリンクさせてもらっている純正なア・カペラだが、2003年結成の女声5声のグループ。才能と個性のあるメンバーのアンサンブルは躍動感にあふれ、その声によるサウンドは美しい（５声女性アカペラは彼女たちAuraが唯一）。バロック以前からバロック音楽を主体に、名曲を新たに編曲したものが中心で、難易度の高い曲もしっかりと自分たちのものにしている。また古楽曲など編曲せずに歌っている曲もあり、純正なア・カペラグループである。詳細はオフィシャルサイトをご覧頂きたい。先月11/24にクリスマス・アルバム「キャロル」をリリースした。既存のアルバムは４枚既に発売されているが（トエラ～エピック・ソニー）、成長の過程が眼に見えるかのように高まっている。今回のアルバムで、ア・カペラ分野がクリスマス・キャロルに最も適合したジャンルだということを裏づけさせたといえる。それほど「キャロル」は完成度の高いアルバムに仕上がっている。歌表現、音響的にも素晴らしく、今までにないクリスマス・アルバムといえるだろう。また編曲の良さも特筆し、非常に高い評価を得ているのも事実だ。Auraは日本のクラシック・ア・カペラ・シーンをリードするグループといえる。本日のコンサート・プログラムは、前半が「モンセラートの朱い本」や「カッチーニのアヴェ・マリア」、アルバム未収録の「アイ・ワンダー」などが歌われ、前半の締め括りに本日限りの選曲、「トッカータとフーガ」が歌われた。後半は「コベントリー・キャロル」で厳粛な雰囲気を醸しだすクリスマスの演出を皮切りに、アルバム収録曲から「きよしこの夜」「ウイー・ウイッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス」「御使いうたいて～」「オー・ホリー・ナイト」「ハレルヤ～メサイヤ」などが歌われた。全体的にハイレベルの良いコンサートだった。特に「トッカータとフーガ」に「ハレルヤ」は素晴らしかった。満席の聴衆が息を呑む感慨無量の感を得たことだろう。また12月25日に渋谷の白寿ホールで年内最後のコンサートがあるが、お時間のある方は聴かれてもよいとオススメしたい。マイクなしの生の声、声そのものが持つ美しい世界を、Auraのコンサートで堪能してみてはいかがでしょうか＾＾これからも素晴らしいコンサート、そして素晴らしい音楽を散りばめた素敵なCDを創りあげていってほしいと心から願っている。本日は一足早い素敵なクリスマスプレゼントをいただけた事に感謝したい。

  2010/12/17

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  2010レコードアカデミー賞受賞から　ショパンノクターン全集　メジューエワの快挙

  一昨日、イリーナ・メジューエワの演奏会を聴く事ができた。プログラムはオールショパンの作品だった。ポロネーズに始まり、ソナタの2番、そして24のプレリュード。アンコールにノクターンから2曲を弾いた。ソナタ2番の葬送、その3楽章の天国への階段をゆっくりと昇りつめるかのような荘厳な佇まいは、一生ものの美しさだった。プレリュードも然り。全体的にテンポはゆっくりとしているが、そこに秘めた歴然とした音楽の構築は、音楽の解釈や理解を超えた哲学的な位置づけを感じさせる見解である。そう感じさせる演奏であった。丁度その折に、2010年今年のレコードアカデミー賞のニュースを耳にした。今聴いているメジューエワの『ショパンのノクターン全集』が選ばれたのだ。以前から彼女の音楽には人一倍耳を傾けてきたが、ついに日本レコードアカデミー賞に輝いた。折りしも今年はショパンの生誕200年、その記念碑となるノクターン全集が乾坤一擲、ついに陽の目を見た。クラシックの鍵盤楽器のＣＤは、マイナーレーベルも含めれば年間500枚くらいのアルバムが発売になっている。その膨大なアルバム郡から毎月優れた作品に、レコード芸術誌で特選盤として推奨される。そして年間の特選盤の中から最も優れたＣＤ等にアカデミー賞が与えられる。年間に発売されるクラシックＣＤの中でも、とりわけピアノ関連のＣＤは特筆されるほど発売量の多さで全ジャンルの中でもダントツ的存在だ。その膨大な作品の中から、2010年の器楽部門の頂点にメジューエワの演奏した『ショパン/ノクターン全集』が選ばれたことは快挙であり、輝かしい事である。このアルバムはメジューエワによるショパン生誕200年記念企画第３弾だが、前の「エチュード集」、「プレリュード集」と秀美な演奏が繰り広げられている。そして「ノクターン全集」と続いて発売された。各部に至る繊細明晰、そして優美さ。何よりも濃密なロマン性と儚さ、その確固たる彼女の信念の哲学が音楽の表現が随所に顕れている。音そのものに色彩を含入し、深々と染入るピアノの響きは、あまりにも美しい。芳醇な香りと研ぎ澄まされた内に秘めた情熱、それも淑やかに且つ荘厳に奏でている。類稀な独特の感性。古今の名演や名演奏家たちによってノクターンは多々演奏されてきた。今回の彼女の奏でる『ノクターン全集』によって、ショパンの大輪の中に最も厳粛なる名盤が誕生したといっても過言ではないだろう。心底素晴らしい演奏であり、万感の憂いに満ちた最高峰の夜想曲である。

  2010/12/06

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  シモーネ・ヤング＆ハンブルク・フィル～ブラームス交響曲第１番を聴いて

  今日は最近の指揮者で注目度トップクラスのシモーネ・ヤング（女性）のブラームスのシンフォニーNo.1を聴いた。如何せん耳寄り情報に欠けていたのか、先のブルックナーを聴きそびれていた。結論的に言えば、このブラームス、かなり良い。一聴歴然、冒頭を聴いただけで思わず身を乗りだした。かなりインパクトのある重厚なティンパニーの響き、そして驚くほどにオケの細部まで見渡せるような各パートの鮮明さが光っている。それに第１楽章の呈示部の反復演奏がよりこの1番を重厚なものにしている。トータル演奏時間が約５０分。弛緩に陥ることなく、緊張感漲る演奏の持続にも驚いた。ホールトーンも合わせ、録音も良いためか、かなりスケール雄大な演奏だ。よくよく聴くとオーケストレーションの響きに通常と違いがあった。左右からのヴァイオリンの強さが似通っている。これはヴァイオリンを両翼配置したことだと分かった。旋律に於けるコントラストは楽譜の隅々にまで配慮された譜読みの深さだと言えるだろう。ゆえに音楽が常に快活なまでに生き生きといている。緩急の付け具合は宛ら強弱がはっきりとしている。まさに雄渾という形容が当てはまる魅力的な演奏だといえる。彼女の解釈とそれを具現化していくオケの集中力は並大抵のものではないだろう。ブラームスやブルックナーには最も必要とされるスタンスがこの演奏を聴いて納得した。この後、第2番以降、如いては全集の完成を期待したい。久々に魅力あるブラームスの登場ともいえる。シモーネ・ヤング＆ハンブルク・フィルのこれからが大いに楽しみだ。

  2010/11/26

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  ココファームワイナリーフェスティバル♪

  一昨日20日の事だが、日本でも有数のワイナリー、ココファームのワイン収穫祭2010イベントに行ってきた。取り立て出来てのワインに音楽イベント満載の今年で27回を迎えたフェスティバルだ前日の予報では、天候が下り坂だったが、心配していた天候も晴れて暖かい快晴となった全国から多数のワインファン、音楽ファンがこの里にワインと音楽を聴きにつめかけた。小生は今回初めて聴きに参じたが、人の量の凄さに驚いた（約1万人）。それでも昨年より少ないとか”アマチュア六重奏団、アカペラグループのアウラ、サイゲンジ、坂田明、古沢巌というアーティストがそれぞれのパートを受持ち、日々和やかにエネルギッシュに音楽祭が催しされた。ぶどう畑の斜頚地に敷物を並べ、それぞれがそこに陣取る。早い者勝ちではあるが、歩行できる足場がほとんどないくらいに埋め尽くされた。それふだけ人が多かった。ワイン片手に音楽を楽しむ。いい気分である。錯綜し喧騒と怠惰のなかにいることが多い現代人（小生も含む）にとって、こういう場に馳せ参じられたことは、いろんな意味で良かったと思えた。また来年も催しがあると思われるので、都合がつけばまた聴きにいってみたい。そう思わせるフェスティバルだった。ココファーム収穫祭2010 ココファーム収穫祭2010 古澤巌 / Fine Day!

  2010/11/23

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  深町純　死去　あまりにも唐突に..計り知れない悲しみ

  今日は魂が抜けたような放心状態に陥った。ニュースの文字に纏綿しがたい別れを痛切に感じた。あぁというため息と、自分を落ち着かせようとしている深呼吸にも似た仕草に我ながら呆然とした。昨日、私が最も尊敬してやまないピアニスト兼作曲家・深町純が死去した。自宅で倒れ、帰らぬ人となった。あまりにもあまりにも唐突で、どうしてよいか分からなくなるようなショックを受けている。 私が知りえる深町純を紹介すると、文化多芸に長け、あまりにも偉大なる音楽家だ。彼の生み出す音楽、その根源はまるで無限大に広がるスペース・ミュージアムだ。人間が持つ、持っている表現能力、そのイマジネーションは、かくして之ほどまでに広く大きく深く美しいものなのか。そう感じる音楽を常に彼は創り出した。それは言語では言い表わせない特別な世界だ。個性は千差万別それぞれにあるものの、深町純の醸し出す音楽世界は天下一品唯一無二の音楽ワールドだった。仕事柄、彼のアルバムの中で2枚ほどライナーを書かせてもらった。その中にも同じような印象とその音楽性について書いた。それが縁で数年前に初の楽譜に書き留めた深町の交響的詩曲のような大作を聴くことが出来た。実に一時間くらいの大曲だった。彼が唯一楽譜を見ながら弾いたのもそれが最後だったろう。そのライブを聴きながら、驚異的なピアノの美しさとメロディの美しさに唖然としたのを昨日のように覚えている。CDは再生芸術だから、生の音はたぶん違うだろうと思っていたが、ベーゼンドルファーのピアノから出てきた音は、CDそのものの響きと変わらない透明度だった。それもすべての曲は即興演奏。あのときの深町純のタキシード姿、世の中にこれほど美しいピアノの響きがあるのかしらんとつくづく思った。どう考えても世界に2人として存在しない美しいピアノの響きを醸し出す演奏であった。それが....もう二度と聴くことは出来ないという悲しみ、否それを通り越した辛さである。深町純、彼は幼少3歳よりピアノを習い始め（ちゃんと練習しているかと母親が見に来るので、彼は楽譜の前に読みたい本を置いてピアノを弾いていたらしいです）、高校時代にはオペラの指揮や演出も手がけた。東京芸術大学作曲科を卒業の直前に中退し（卒業10日前くらいに自ら退学している）、1971年のデビュー以来、独自の音楽観と確かな音楽センス、巧みなテクニックに支えられ、日本の音楽シーンを担ってきた。アーティストのアルバム制作のみならず、ミュージカル、ドラマ、映画、ＣＭの音楽制作まで幅広く活動。近年では小柳ゆき、Baby Booなど若手アーティストのサポートも行った。商業的音楽活動の一方、「自分の作りたい音楽」へアプローチするため、自身のアルバム制作、バンド活動も精力的に行う。75年結成の「深町 純＆21stセンチュリーバンド」（大村憲司、村上ポンタ秀一、小原礼）をはじめとして、さまざまなミュージシャンとセッションを行う。なかでも80年結成の「KEEP」（和田アキラ、山木秀夫、富倉安生）は、その衝撃的な音作りで日本のフュージョンシーンに一石を投じた。 70年代後半には、スティーブ・ガッドやブレッカーブラザーズ、マイク・マイニエリなど、ニューヨークのスタジオミュージシャン達と交流を深め、幾つかのオリジナルアルバムを制作。代表作として「On The Move」がある。この時期、彼らを日本に招き、ライブ公演を開催。アルバム「深町 純＆ニューヨークオールスターズ／ライブ」は2002に再発され、年月を経ても新鮮な音楽として、今なお受け入れられている。1989年に洗足学園大学音楽部教授に就任し、日本初のシンセサイザー専攻科を設立。同時に音楽と科学技術の融合を目指した研究機関「音楽工学研究所」を設立、所長を兼任した。この時期は音響学会へ論文を書き、科学技術の場の中での音楽が、「音楽」として健全に扱われていないことを指摘した。それに伴って自身の音楽活動は休止。96年に退職し、新たな活動を開始する。近年のライブ活動は即興のピアノ演奏とバンド活動。日本が世界に誇れる「日本の音楽」の創造を目指して、真摯な演奏活動を続けている。フレキシブルな発想と繊細な感性から作り出される音楽は、彼独自のものであり、他の追随を許さない。定期的な即興ソロライブでは新しいファンを取り込んで、枠にとらわれない伸びやかな活動を続けている。ここ数年は毎年ロンドンとパリでの演奏も始めている。もちろんサポート・ミュージシャンとしての仕事、歌手の伴奏やソリストやバンドとの共演、作編曲の仕事も請け負っています。ＣＭやドラマ、芝居や映画の音楽、ミュージカルや合唱曲など、何でも引き受けます。またバンド活動としては、和田アキラ (EG) vs 深町純 (Keyb)での「DUO」、堀越彰 (Dr) と渡辺剛 (Vln) と三人で「The Will」、不定期ではありますがが「僕らのしぜん」というバンドを、深町純 (Piano.Vocal)、佐藤正治 (Persc.Vo.Dr)、中西敏博 (Vln.Toys)で、やっています。近年の主なアルバム「variation of variation」'96 ・「Midnight Dive」'98 ・ 「Civilization」'99 Piano Solo ・・「春」「夏」「秋」「冬」'00 「Calm」'02 「HEART OF THE COUNTRY」'03「Jun Fukamahi Live」'04Piano Solo ・・「花」「鳥」「風」「月」'05と自らのｈｐにプロフィールが記載されているが、実際は遥かに彼が活動してきた功績は計り知れない大きな軌跡を形創ったといえる。深町という人となりだと思うが、たいへん謙遜している。世界は深町純の死によって、あまりにも大きな指標を失った。ご冥福をお祈りいたします。2010年11月22日、大動脈解離による心嚢血腫により死去。64歳　永眠。

  2010/11/23

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  エディ・ヒギンズ・トリオ 『ベスト・オブ・ベスト』

  ジャズ・ピアノの名手、エディ・ヒギンズが死去し、1年2ヶ月が経つ。享年77才だった。エレガントで洗練された演奏で、多くのジャズファンから愛されたエディ・ヒギンズ、もちろん小生のジャズコレクションの中でもスタンダード中のスタンダードである。知る人ぞ知る名手であったヒギンズは、晩年、日本のヴィーナス・レーベルに数多くの録音を行い、かけがえのない名盤を残した。ヴィーナス・デビューした名作「魅せられし心」から10枚のピアノ・トリオの名盤からベスト20曲を選曲した、『ベスト・オブ・ベスト』エディ・ヒギンズ・トリオの極めつけの名演奏が網羅されている（2枚組）。特にこのアルバム、2枚目が抜群に良い。もちろん1枚目も良いんだが、更に2枚目は良い。数あるエディヒギンズの名盤から、どれを選んで良いのか迷ったら、間違いなくこの『ベスト・オブ・ベスト』を選択して大丈夫だ！＾＾。万人が聴けて聞惚れる、現代ジャスのスタンダード。まさに普遍性をもった究極のエレガンスJAZZを楽しむことが出来る。そういっても決して過言ではない超オススメ盤だ。

  2010/10/22

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  21世紀　スーパーマルチプレーヤー～ユリヤ・フィッシャー（Julia Fischer）

  世の中様々な分野で進化を遂げ、スーパーハイテクに時代が動こうとしている。もっともグローバルな見方をすれば、有って然るべき日進月歩だ。たぶんに人間にも同じようにスーパーなマルチ音楽家が誕生しても不思議はない。何でも出来る（弾ける）演奏家というのは以前からいたし、況してや指揮者はその代表と言える。だがソリストとしてコンサートを主催する場合には、そのい力となる多方面での才能は一つを開花させるのが通常だ。今日はその一つのコンサートで幾重にも才能を表出させた（した）、ユリア・フィッシャー（Julia Fischer）を紹介しよう。彼女は昨今のコンクールで、出演したものすべてに優勝するという離れ業を成遂げ（9つ）、内6つはヴァイオリン・コンクール（ユーディ・メニューイン・コンクール他）で優勝。3つがピアノ・コンクールで優勝するという快挙である。今回映像を掲載するのは、何と一晩のコンサートで前半がサン＝サーンスのヴァイオリン協奏曲No3、後半がグリークのピアノ協奏曲というプログラムで、ソリストは共にユリア・フィッシャー彼女である。で、この映像が8月にDVDで発売になった。いやはや驚を隠せない。先ずはご覧頂いた方が早いでしょう。びっくりです＾＾ヴァイオリンとピアノ・・・一晩で２つの楽器のソロを務めた奇蹟のコンサート世界の音楽ファンたちの視線がウィーンに注がれる1月1日。ドイツ、フランクフルトで行われた2008年に行われたニューイヤー･コンサートでは、ヴァイオリンの名手ユリア･フィッシャーがヴァイオリン協奏曲のみならず、ピアノ協奏曲でもソリストとして登場し、一晩で異なる楽器のソロを務めるという快挙。このDVDにはそのライヴの模様を収録。出場したコンクール全てに優勝し、若くしてヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストとしての地位を確固たるものにしたユリア･フィッシャー。ヴァイオリニストにとって「エベレスト」とも言える難曲《２４のカプリース》。研ぎ澄まされた感性と冴え渡る超絶技巧が光る。

  2010/09/23

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  イリアーヌ　イン　ブルーノート　2010.9.12-14

  リリカルなピアノとサウダージ感覚溢れるヴォーカルで幅広い音楽ファンを魅了するイリアーヌが、熱い要望に応えてブルーノート東京に戻ってくる。母国ブラジルでの活動を経て‘81年にニューヨークへ渡り、“ステップス・アヘッド”やランディ・ブレッカーとの双頭ユニットで活躍中。今回はどんなライブを聴かせてくれるか？聴くもよし、見るもよしのイリアーヌ。日曜からの３日間、楽しみのステージです＾＾ダイアナクラール、ローラフィジ、イリアーヌ、ニッキー・パロットと目下メロメロです＾＾”2010 9.12sun.-9.14tue.9.12sun.　[1st] Open4:30p.m. Start6:00p.m.　[2nd] Open8:00p.m. Start8:45p.m.9.13mon.-9.14tue.　[1st] Open5:30p.m. Start7:00p.m.　[2nd] Open8:45p.m. Start9:30p.m.それに先立ち、「デサフィナード』ニューアルバムが発売になっている。これまたかなりいいです＾＾自由に駆ける指先、交錯する静と動。トリオ演奏で魅せるイリアーヌの華麗なるピアニズム。《収 録 曲 》01. ジャスト・フレンズ 02. バウイング・トゥ・バド 03. イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ 04. ハヴ・ユー・メット・ミス・ジョーンズ 05. ピアノ・ソロ・メドレー　(エンブレイサル・ユー/バット・ノット・フォー・ミー/ジャズ・インフルエンス/フー・ノウズ) 06. ペギーズ・ブルー・スカイライト 07. デサフィナード イリアーヌ（ピアノ）、マーク・ジョンソン（ベース）、ジョーイ・バロン（ドラムス）、ライブ録音 U-TUBEに沢山有る中から、美しい魅力満載の映像をちょっと＾＾Eliane Elias Segredos (Secrets) ちなみに彼女のヴァイオグラフィティはこちら1960年、ブラジルのサンパウロ生まれ。6歳よりクラシックピアノを始める。幼少からビル・エヴァンスやハービー・ハンコック、キース・ジャレットなどをコピーするジャズ好きとなる。ブラジル国内でプロミュージシャンとしてのキャリアをスタート。トッキーニョ、セバスチャン・タバジョスらと共演する。1980年、パリへのツアー中にベーシストのエディ・ゴメスに認められ、アメリカへの足がかりを得る。渡米後、エディの強いすすめもありステップス・アヘッドへ参加。美貌もあいまって一躍注目を浴びる。1983年、トランペッターのランディ・ブレッカーと結婚。1985年、夫のプロデュースによりコ・リーダー作となるデビューアルバム『Amanda』を発表。その後ランディとは離婚するが、90年代にはボサノヴァ・アルバムでヴォーカリストとしても注目を浴びる。現在の夫であるベーシストのマーク・ジョンソンをパートナーとし、ジャズからボサノヴァまで幅広いジャンルのアルバムを次々と発表などなど。

  2010/09/10

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  クリス・ボッティ　ライブ・イン・ジャパン～最高！

  　先だって娘の関係でクリス・ボッティのコンサートを聴いてきた。ブーノートでのライブ以来2度目である。この3月に一昨年のボストン・ライブのアルバムとＤＶＤが発売になったばかり。思わず飛びついてしまう。それはともあれクリス・ボッティのライブは最高の出来だった。彼のトランペットはスムーズジャズの大家として、もはや世界最高のトランペッターといえる。それに個々のメンバーの凄さったらありゃしない。とにかく上手すぎる。特にドラムのビリー・キルソン (ds)　には脱帽もので、こんなすごいドラマーは、たぶん世界に2人はいない。演奏しているというんじゃなく、身体がそのままドラム化した権化として君臨している。とにかくスゴイ。ピアノのビリー・チャイルズ (p)　も渋くて上手い。ギターも然り、ベースの彼は地味だがここぞというところで抜群の上手さを聴かせる。キーボードのシンセストリングスを受持つアンディー・エズリンは初めて聴いたが、これまたパフォーマンスとそのバカテクに驚いた。こんなすごいライブは滅多に聴けない。現在のところ今年一番である。ライブはやはり最高だが、1年半前の2008年9月18日、19日にボストン・シンフォニー・ホールにて録音されたライヴ・アルバムを紹介しよう。ゲストにスティング、ヨーヨー・マ、スティーヴン・タイラー、ジョン・メイヤー、ジョシュ・グローバン、キャサリン・マクフィー、ルシア・ミカレリ、ドミニク・ミラー等、スーパースターが参加。ジャズ、ポップス、クラシックといったジャンルを超えた世界でもっとも美しい演奏会を収録したものだが、この映像が5月1日にＢＳで放送される。お好きな方は是非ともチェック・キープされればと思う。小生はもちろん録画する＾＾ボストン・ライブのアルバムの曲目の構成は、最近のクリス・ボッティのコンサートに同様の演奏曲として取上げられている。ソロパートとしてのゲストに違いはあるものの、大凡このような選曲である。ボストン・ライブで特に聞きほれてしまうのが、ルシア・ミカレリ（Ｖｎ）とのデュオで彼女のヴァイオリンが良かった。「エマニュエル」という曲だがこれがとても美しい曲である。今回のライブでヴァイオリン奏者はチー・ユン。彼女の演奏はこのルシア・ミカレリよりもさらに朗々ととしていて、より美しさが引立っていた。プロとはこういうもの、ホント上手い。先ずはアルバムをオススメしたい。一聴の価値大である。 ちなみにビルボードでは現在コンテンポラリー・ジャズ・チャート1位（US 2009年3/31発売 44週連続チャートイン中。パーソネルはクリス・ボッティ(tp)、ビリー・チャイルズ(p)、マーク・ホイットフィールド(g)、ロバート・ハースト(b)、ビリー・キルソン(ds)、ボストン・ポップス・オーケストラ。

  2010/04/18

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• このところの忙しさ

  このところ毎日が忙しくて、音楽を聴く時間がとれない。時間がないのではなく、心的にそこにまで辿り着かないというのが昨今の小生の状況である。この事実は限りなく心身ともに芳しいことではない。長良で音楽は過行くのだが、そこに没頭できないのが残念至極である。早いところこの状況から抜出さないと、皹の入った壊れかけた陶器は直せなくなる。こういう状態は完治がしても跡を残すということになる。早いとこ脱出しないといけない。

  2010/02/21

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  深町　純　コンサート♪

  明日から2月ですって＾＾というくらいに今年も早や1ヶ月が過ぎようとしている。振向くと時間の経過は驚くほどに速く早い。今日は2月5日に白寿ホールで行なわれる深町純さんのコンサートの案内をしたい。天賦の才能と驚くべき音楽的センスの良さ、それも何と即興演奏というコンサートスタイルである。彼のコンサートで深町音楽に接した人は、常に驚くべき音楽的感動を味わうことが出来る。こういう演奏をする人、こういう音楽家且つピアニストは世にほとんど居ないと思われる。とにかく音楽の美しさに魂がそこに浮遊するかのような郷愁と不思議な安堵感を得る。またピアノから出てくる音そのものが実に朗々と美しく響くことにも驚きを隠せないだろう。聴く人の感情感性の琴線に触れる。それでいて俗っぽさがどこにもない。いま流行のものとか、陳腐に聴こえるような時代に即すような世俗的な響きはない。深町の軌跡はシンセを始めとする日本の音楽的先駆的道筋を常に後世のアーティストに影響を与えてきた。典型的な枠組範疇を感じさせない音楽家でもある。この日のコンサートは2回あるが、1回目と2回目は即興演奏なので曲も変わるだろうし、楽しみも2倍に広がる。小生は仕事の関係で聴きたくとも聴けない、実に残念至極な平日のコンサート♪である。第二部が19時からあるけど、到底間に合わない。もしこのｈｐをご覧頂いた方々で、縁あらば聴ける可能性をお持ちの方がいらっしゃるのなら、是非ともお聴き頂けたらと思う。こう書くのは宣伝をしている訳でもなく、お世辞抜きでお薦めしたいという思うからである。世の中、数多くの音楽やコンサートをたくさん有るけど、深町純さんのような演奏家の音楽はまず聴くことが出来ないと思う。まさに一期一会の宝となると確信している。第３回 深町純 リクライニング・コンサート・シリーズリクライニング・ジャズ2月5日[金] 第一部　17:00 開演（16:30 開場）深町純（ピアノ）ゲスト：金亜軍（揚琴）　　　　　 　　第二部　19:30 開演（19:00 開場） 独自の音楽観とセンスが光るメロディアスで独創的な即興演奏。心惹かれる深町ワールド！◎曲目未定全席指定 2,000円（税込）http://www.hakujuhall.jp/top/concert/d_100205/index.html

  2010/01/31

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  ミヒャエル・プレトニョフのラフマニノフ

  史上最も優れたピアニストの一人、ミヒャエル・プレトニョフのラフマニノフのラプソディの演奏。これは素晴らしい。テクニック的にも、彼ほどスゴイといえるピアニストは数少ない。このＵ-ＴＵＢＥの演奏は指揮がアバドでオケはベルリン・フィル。有名な逸話になるが、モスクワ音楽院の学生時代、同期にポゴレリッチが同音楽院にいた時分、タチアナ・ニコラエワ教授に師事し、モスクワ音楽院でも当時彼等（ポゴレリッチとプレトニョフ）は主席のピアニストであったのだが、ニコラエワ教授が彼女が練習室の前を通り掛かると、室内からベートーヴェンとショパンの音楽が聞こえてきたという。彼女は複数の学生が一緒に演奏しているのだろうと、注意も兼ねて部屋に入ると、プレトニョフが左手でベートーヴェンを、右手でショパンを演奏していたのを見た。彼はこんな風ないたずらをすることが多かったとか。後にプレトニョフはチャイフスキーコンクールの最終本選で、自由曲にチャイコフスキーのくるみ割り人形（シチェリドン編曲）作品をプレトニョフが再編曲した作品で演奏し、チャイコフスキー・コンクールでダントツ的存在で優勝している。などなど、驚異的は天才の逸話は数え上げれば枚挙に暇がない。とにかく凄いピアニストである。まずはご覧くだされたし＾＾

  2010/01/11

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  バッハの無伴奏作品を聴いて

  今週頭からエアコンが壊れた。室内気温34度、夕方から風が吹き、幾分過ごし易いかと思いしや、夜は凪の無風に暑さが堪えた。何となくだが、熱射病に掛かったみたいで二日ほどシンドく、気分がすぐれなかった。一昨日の夜の涼しさで大分復活した感じだ。昨日からの扇風機可動、文明の利器に思わず感動した。食生活の起源となる農産物には影響が出るのかも知れないが、この後全国的に今年は冷夏との情報。過ごし易いのは有難い。そんな中、フローリン・パウルの演奏するバッハの無伴奏Vｎを聴いた。朗々と古今350年の歴史を垣間見、今に伝わる響きが明け方の静間に奏く。様々な演奏でこの曲は聴いてきたけれど、パウルの演奏のような音楽は他に比較するべく演奏が見当たらない。もの凄く聴きやすいのである。普遍性溢れた現代の名演だと思う。そもそもバッハの無伴奏という曲は、ヴァイオリンもチェロも不思議とこれ1枚という範疇に納まりきらない作品である。たぶん生演奏にも当てはまるのではないかと思えてくる。クレーメルやシェリングのような透徹した明晰な解釈と、知的深遠で楽譜に忠実、そしてあらゆる感動を齎す演奏もあれば、シゲティの生命の沸き出でる躍動の真実・永劫。普遍性とともに「在る絶対」というものが確立された演奏。今日小生の聴いてきた演奏史の中でシゲティ以上に揺さぶられた演奏には巡り会っていない。クイケンも前者にあたるが、古楽器によるピッチの低さが聴衆を流麗で静人に導く。また無伴奏チェロ作品も、フルニエのように柔らかい響きで気品高く淑やかで、広大無辺の孤高の境地を謳歌している。地の底から沸き出でる響きというのではなく、天上からのチェロの響きが舞い降りてくるという包み込む優しさを持った演奏だ。ある種、神の音楽ととも聴ける。こういう演奏をしている、出来た人はフルニエだけだと思う。ロストロポービィッチも、たぶん20世紀最後の巨匠による無伴奏チェロ全曲だが、ロストロはバッハのこの大曲を晩年になって初めて録音した。それだけこの曲が難しく孤高の境地に至って初めて触れることが出来る神のものと考えていたのだろうと予想する。もちろんフルニエも同じだが、古今の巨匠たちに共通する世界観は、バッハに対しての畏敬の念と敬虔なる神への祈りというものが感じられることだと思う。ロストロは自身の晩年にその想いをバッハに捧げたのだろうと思われる演奏に聴こえてくる。比較的最近のものでは、ヨーヨ・マの演奏したものが中々良いと思う。流れるような淀みのない響きには、300年以上の歴史を僅か扉一枚向こうに近づける。つまり此処にある、いるという演奏を彼は眼前に彷彿させる。バッハは自分のために音楽を作曲した。だから聴衆を必要としなかった。教会オルガニストとしてバッハが求めたものは、崇高なる神への献上。そして敬虔なる神への祈り。何故かヨーヨ・マの演奏には常にその事を意識する。そして忘れてはならないこの曲の発見者であるカザルスの名演。言わずと知れた名演だが、カザルスに関しては以前に掲載してあるので割愛する。バッハの音楽は管弦楽や声楽を伴う作品を除き、聴いている者に「自分とバッハだけの世界」という唯一無二の境地を与えてくれる。仕切りが在るわけでもなく大勢で聴いていようが、対バッハという1対1の世界が常に存在する。宇宙の森羅万象ともいえ、人智を超えた大きな力が働いているように思える。

  2009/08/01

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  ダイアナ・クラール～2年半ぶり待望のオリジナル・アルバム

  グラミー・ウィナー、Verveが誇るジャズ・ヴォーカルの最高峰、ダイアナ・クラール。「フロム・ディス・モーメント・オン」以来、約2年半ぶり待望のオリジナル・アルバムが待望の発売となる。小生、目下最も聴きたいアルバムの一つ。 通算12作目に当たる今作は「イパネマの少年」を含むボサ・ノヴァ＆バラード。彼女だけにしかない独特の空気間、雰囲気はエレガント・ロマンティック。まさに大人のための極上ミュージック。 過去の全てのアルバムが共通すべく、音楽の中に、飽きない声であり、飽きさせない。こういうヴォーカル、歌い手は皆無に近いのである。歌が上手いはもちろんだが、飽きないというのは特殊な力が備わっているとしか言い様がない。聴かずとも十分過ぎるほど信じられるアーティストなのだ。プロデュースに巨匠トミー・リピューマ、エンジニアにはアル・シュミット、アレンジにクラウス・オガーマンのグラミー受賞の黄金スタッフ。 レコーディング・メンバーはアンソニー・ウィルソン(g)、ジョン・クレイトン(b)、ジェフ・ハミルトン(ds)そしてオーケストラという歴代のアルバムの主要メンバーが総揃いした期待作だ。JAZZという範疇を越え、多くの人に聴いてもらいたいアルバムだ。収録曲はジョビンの「イパネマの少年」、「クワイエット・ナイツ（コルコバード）」「まなざし」から「ソー・ナイス(サマー・サンバ）」のボサ・ノヴァの名曲から、バカラックの「ウォーク・オン・バイ」そしてロジャース＆ハートの「いつかどこかで」、ラーナー&ロウの「アイヴ・グローウン・アカスタムド・トゥ・ユア・フェイス」のスタンダード・ナンバー。ビージーズの「傷心の日々」も収録。また、日本のみボーナス・トラックにはアイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミーを収録。選曲も素晴らしい。３月25日発売（収録等データはUMサイト引用）

  2009/03/08

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  最高のピアノ・トリオ～エディ・ヒギンズ

  エディ・ヒギンズ・トリオはヴィーナスレコードを代表するアーティスト。現代最高のJAZZピアニストであり、最高のピアノ・トリオだと思う。ジャズ専門誌「スイング・ジャーナル」の読者が選んだスタンダード曲をラグジュアリーかつアーティスティックに綴ったピアノ・ソロの名曲を収録したアルバムや、ヴィーナスにレコーディングしてきた数々のスタンダード・ソング以外の埋もれた名曲、有名曲からヒギンズ自身が選んだＢｅｓｔ５０曲の「ロマンス４部作」を含む殆どのアルバムが最高の出来という、限りなく珍しい質の高さとセンスの良さが満載した演奏家は極々稀だ。小生最も好きなJAZZピアニストであり、好きなJAZZだ。約焼き直しを含めれば60枚以上のアルバムが出ている中で、どれでも良いから1枚聴いてみてと言いたくなるほどで出来が良い。分かりやすさと音の良さ、雰囲気もセンスも、どれをとってもJAZZを満喫できる、最近のスタンダード1st Day、2nd Dayはオススメの1枚。

  2008/12/11

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  冬の定番～マイケル・フランクス

  仕事から帰ってきたら、お家の中で冬の定番「マイケル・フランクス/ウォッチング・ザ・スノー」の名盤が流れていた。この曲アルバムを聴くとそろそろクリスマス時期かなぁ～といつも思う。マイケル・フランクスは、言わずと知れたAORの大御所だが、このアルバムはとてもJAZZっぽくてボサノヴァ調。粋な大人の雰囲気が漂っていて、まさに恋人達を彩るラブソングだ。刺激的な音も全くなく、力が抜けるように寛げる音楽だ。何度か繰り返し聴いていることに気づく。それほど邪魔にならない独特のヴォーカルティースト。最近の冬の気候が、昔の晩秋くらいの気温だから今聴くのにちょうどいい。肩が凝らず、息抜きにもオススメのAORJAZZボサです＾＾

  2008/12/09

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  偉大なチェリスト、パブロ・カザルス

  12月、音楽暦に紹介したカザルスについて一言追加です。＜スペインの偉大なチェリスト、パブロ・カザルス誕生（1876～1973）＞ 13歳にしてサン＝サーンスを感動させた「弓の王」カザルスの云われパブロ・カザルスは、チェロという楽器の表現力を拡大した音楽家。11歳でチェロを志し、バルセロナ市立音楽院に学ぶが、この時、早くもチェロの奏法に不合理を感じ、奏法の改革に取り組む。それまでは弓を持っている右手をチェロの胴体の脇腹にぴったりつけて弾くのが常識でしたが、これでは自由に弓を動かすことができないと考え、ひじを柔らかく使う現在のボーイングを考案したのです。また、それまでは単なる練習曲と思われていたバッハの「無伴奏チェロ組曲」を豊かな表情と深い共感をもって弾きこなし、名曲の地位に引き上げたのもカザルスの功績です。そんなカザルスの演奏について、バイオリニストのフリッツ・クライスラーはカザルスをただ一言「弓の王」と呼び、同じチェリストのポール・トルトゥリエは、「カザルスの響きはまったく説明のしようがない。なにかこう、崇高なものだ。あまりにも音楽にぴったりなので、響きそのものはちっとも重要ではないようにすら思えてくる。」と最大級の賛辞を寄せています。カザルスの少年時代の逸話に、サン＝サーンスとの出会いがあります。この偉大な作曲家がオルガン・リサイタルのためにバルセロナを訪れたとき、カザルスは13歳でした。コンサートのあと、サン＝サーンスはある友人宅でカザルスを紹介され、「自分の作曲したイ短調協奏曲を知っているか。」と尋ねました。カザルスがおずおずと「演奏は聴いたことがないが、一人でさらってみたことはある。」と答えると、サン＝サーンスは「それは作品を勉強するのに一番いい方法だね。」といって笑い、カザルスの伴奏をするためにピアノに向かったのです。演奏が終わると、その場にいあわせた友人たちに、「今の演奏はこの協奏曲に関してはこれまで聴いた中で最高のものだ。」と言い切って、カザルスをまるで生き別れていた実の子のように抱きしめ、その晩はずっと自分の膝の上に座らせていたということです。ちなみにバッハの無伴奏チェロソナタの楽譜はカザルスが発見しました。古今の名曲はここから世界に広がったんです。

  2008/12/07

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  12月の音楽暦～ちょっとですが、コメント入れました

  年の瀬、12月の音楽暦1日 天才ジャズ・ベーシスト、ジャコ・パストリアス誕生（1951～1987）→ウエザーリポート来日の際にジャコは聴いたけど、凄かった。こういうベーシストは2度と出てこないでしょうね 2日 アメリカのアイドル歌手、ブリトニー・スピアーズ誕生（1981～） 　　ハード・バップ派のジャズ・ピアニスト、ウィントン・ケリー誕生（1931～1971）→ころがるようなピアノの響き、いい味わいを出してます 3日 ロック・シンガー、オジー・オズボーン誕生（1948～）→ランディー・ローズに捧ぐが最高でしょうか 　　ファミリーな雰囲気と甘い歌声で知られるシンガー、アンディ・ウィリアムス誕生（1927～） 4日 スライ＆ザ・ファミリー・ストーンの「ファミリー・アフェアー」がビルボード1位に（1971） 　　ジャズ・ギタリスト、ジム・ホール誕生（1930～）→CTIのアランフェスが最高です 5日 ディズニー映画のウォルト・ディズニー誕生（1901～1966） 　　スペインのテナー歌手、ホセ・カレーラス誕生（1946～）→還暦を迎えても今尚最高のテナーです。今年はモツレクを歌いました 6日 映画音楽で活躍する作曲家、久石譲誕生（1950～） 　　発明王エジソンが蓄音機を発明（1877）→ベルナーと双璧です 7日 イタリアの作曲家、ピエトロ・マスカーニ誕生（1863～1945） 　　アフリカ飢餓難民のために結成されたバンド・エイド、ロンドンでチャリティ・コンサートを行う（1984） 8日 ジョン・レノン、熱狂的なファンに射殺される（1940～1980） 9日 ジャズ・トランペッター、ドナルド・バード誕生（1932～） 　　ザ・フー、ロンドンのレインボー・シアターでロック・オペラ『トミー』上演（1972） 10日 世界的にヒットした「上を向いて歩こう」の坂本九誕生（1941～1985）→全米4位、未だ日本人でこれ以上上位の歌手は1人もいません 11日 “マンボの王様”、ペレス・プラード誕生（1916～1989） 　　　ロマン派「標題音楽」の作曲家ベルリオーズ誕生（1803～1869） 12日 ジョージ・マイケル（元ワム！）の「Faith」がビルボード1位に（1987） 　　アメリカを代表するポピュラー歌手、フランク・シナトラ誕生（1915～1998） 13日 ガーシュインの「パリのアメリカ人」がニューヨークのカーネギー・ホールにて初演（1928） 14日 オーストリアの作曲家、アルバン・ベルクのオペラ「ヴォツェック」初演（1925） 　　モーツァルトの「レクイエム（鎮魂歌）」初演（1793）→35歳と10ヶ月めの最後の演奏会です 15日 ジャズ・トロンボーン奏者、作曲家、バンド・リーダーのグレン・ミラー没（1904～1944） 16日 指揮者／作曲家、山本直純誕生（1932～2002） 　　ジミ・ヘンドリックス＆エクスペリエンス、デビュー・シングル「ヘイ・ジョー／ストーン・フリー」リリース（1966） 17日 サックス奏者、グローヴァー・ワシントンJr没（1943～1999） 　シューベルトの「未完成交響曲」初演（1865） 18日 ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズ誕生（1943～） 　　イタリアの偉大なるバイオリン製作者、ストラディヴァリ没（1644～1737） 19日 アース・ウインド＆ファイアーのリーダー、モーリス・ホワイト誕生（1941～） 　　戦後約20年間、シャンソン歌手としてトップの地位に君臨したエディット・ピアフ誕生（1915～1963） 20日 ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタイン没（1887～1982） 　　“天使の歌声”ウィーン少年合唱団が初来日（1955） 21日 ボーカル・グループ、テンプテーションズが代表曲「マイ・ガール」をレコーディング（1964） 　　ロック界の巨人、フランク・ザッパ誕生（1940～1993） 22日 ジャパニーズ・テクノの元祖、YMOが武道館で“散開”コンサート（1983） イタリアのオペラ作曲家、ジャコモ・プッチーニ誕生（1858～1924） 23日 シンガーソングライター、山崎まさよし誕生（1971～） 　　映画『ウエストサイド物語』封切り。「トゥナイト」を含むサウンドトラック盤は大ヒット（1961） 24日 プエルトリコのシンガー、リッキー・マーティン誕生（1971～） 　　25日 クリスマスとサンタクロース 26日 60年代の名レコード・プロデューサー、フィル・スペクター誕生（1940～） ハイドン、慈善音楽会での「十字架上のキリストの七語」の指揮を最後に演奏会から引退（1803） 27日 「スターダスト」「ジョージア・オン・マイ・マインド」で知られるソングライター、ホーギー・カーマイケル没（1899～1981） 28日 戦後を代表する大スター、石原裕次郎誕生（1934～1987） 29日 「ふるさと」「春が来た」などの唱歌の作曲家、岡野貞一没（1878～1941） 　　スペインの偉大なチェリスト、パブロ・カザルス誕生（1876～1973）→3大芸術家、ガウディ、セゴビア、カザルス。 30日 プロコフィエフのオペラ『３つのオレンジへの恋』初演（1921） ミュージカル作曲家、リチャード・ロジャーズ没（1902～1979）→サウンド・オブ・ミュージックの作曲家です 31日 アメリカのシンガーソングライター、ジョン・デンバー誕生（1943～1997）→カントリー・ロードの本家本元。 　　「紅白歌合戦」初のテレビ公開放送が開始（1953）→今年はミスチルが中継で流れますね 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　などなど...

  2008/12/07

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• 11月音楽暦、数々～

  1日 幅広いジャンルを手掛ける作曲家、服部克久誕生（1936～） 　　スペインのソプラノ歌手、ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス誕生（1923～2005） 2日 ロック界初のスター・キーボード・プレイヤー、キース・エマーソン誕生（1944～） 　　詩聖と言われた北原白秋没（1885～1942） 3日 クラリネット奏者、赤坂達三誕生（1964～） 　　レコードの日（日本レコード協会制定） 4日 サウンド・クリエイター、浅倉大介誕生（1967～） 　　カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団初来日公演（1957） 5日 カナダ出身のロック歌手、ブライアン・アダムス誕生（1959～） 　　ジャズ・ピアノの神様、アート・テイタム没（1910～1956） 6日 フランスの指揮者、シャルル・ミュンシュ没（1891～1986） 　　“行進曲王”として有名なアメリカの作曲家ジョン・フィリップ・スーザ誕生（1854～1932） 7日 「きんたろう」「一寸法師」などの唱歌の作曲家、田村虎蔵没（1873～1943） 　　シンガー・ソングライター、ジョニ・ミッチェル誕生（1943～） 8日 フランスの作曲家、セザール・フランク没（1822～1890） 9日 スペインの作曲家、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」初演（1940） 　　武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』初演（1967） 10日 映画音楽作曲家、エンニオ・モリコーネ誕生（1928～） 　　フランスの作曲家、ビゼーの『アルルの女 第１組曲』初演（1872） 11日 ミュージカル「キャッツ」が劇団四季により日本初演（1983） 　　『エデンの東』の編曲で知られる映画音楽作曲家、ヴィクター・ヤング没（1900～1956） 12日 ロシアの作曲家、アレクサンドル・ボロディン誕生（1833～1887） 　　シンガー・ソング・ライター、ニール・ヤング誕生（1945～） 13日 ベーシスト／コンポーザー、櫻井哲夫誕生（1957～） 　　「りんごの歌」「ちいさい秋みつけた」などの童謡の作詞で知られるサトウハチロー没（1903～1973） 14日 神童アマデウスの父、レオポルト・モーツァルト誕生（1719～1787） 　　『禁じられた遊び』の音楽を担当したギター奏者ナルシソ・イエペス誕生（1927～1997） 15日 ムード音楽の巨匠、マントヴァーニ誕生（1905～1980） 　　ホルストの組曲『惑星』全曲初演（1920） 16日 ドイツの作曲家パウル・ヒンデミット誕生（1895～1963） 17日 日本ロック界のドン、内田裕也誕生（1939～） 　　ブラジルを代表する作曲家、エイトール・ヴィラ＝ロボス没（1887～1959） 18日 ハンガリー出身の指揮者、ユージン・オーマンディ誕生（1899～1985） 　　ドイツ・ロマン主義の作曲家カール・マリア・フォン・ウェーバー誕生（1786～1826） 19日 シャープス＆フラッツのリーダー、原信夫誕生（1926～） 　　ジャズ・トロンボーン奏者、トミー・ドーシー誕生（1905～1956） 20日 イーグルスのジョー・ウォルシュ誕生（1947～） 　　ベートーヴェン唯一のオペラ「フィデリオ」初演失敗（1805） 21日 スペインの作曲家／ギタリスト、フランシスコ・タルレガ誕生（1852～1909） 　　ジャズ・テナー・サックスの父、コールマン・ホーキンス誕生（1904～1969） 22日 イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテン誕生（1913～1976） 　　フランスの作曲家ラヴェルの管弦楽曲「ボレロ」初演（1928） 23日 ポーランドの作曲家、クシシトフ・ペンデレツキ誕生（1933～） 　　日本フォーク界の長老、小室等誕生（1943～） 24日 「ラグタイム」で一世を風靡した作曲家／ピアニスト、スコット・ジョプリン誕生（1868～1917） 　　クイーンのフレディ・マーキュリー、エイズのため没（1946～1991） 25日 ザ・バンドが最後のコンサート「ラスト・ワルツ」をサンフランシスコで行う（1976） 　　チェリスト、ヨーヨー・マが日本にデビュー（1981） 　　世良公則とツイスト、「あんたのバラード」でデビュー（1977） 26日 ソウル・シンガー、ティナ・ターナー誕生（1938～） 　　ＭＴＶで最初のアンプラグドが放映（1989） 27日 ポーランドの作曲家／バイオリニスト、ヴィエニャフスキのバイオリン協奏曲第２番初演（1862） 28日 モータウン・レーベルを築き上げたソングライター兼プロデューサー、ベリー・ゴーディJr.誕生（1929～） 　　エルトン・ジョンのコンサートにジョン・レノンが特別出演（1974） 29日 イタリアの作曲家、クラウディオ・モンテヴェルディ没（1567～1643） 　　東京音楽学校第48回公演で、ベートーヴェン『第９交響曲』初演（1924） 30日 ドイツの指揮者、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー没（1886～1954）

  2008/11/04

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• 9月の音楽暦も多彩！

  1日 ビー・ジーズのバリー・ギブ誕生（1946～） 　　　　指揮者、小澤征爾誕生（1935～） 2日 ジャズ・ピアニスト、ホレス・シルヴァー誕生（1928～） 3日 ロック・デュオ、ユーリズミックスの「スイート・ドリームス」が全米ナンバー１に（1983） 　　バイオリンの名曲「思い出」の作曲者、フランティシェク・ドルドラ没（1868～1944） 4日 フランスの作曲家、ダリウス・ミヨー誕生（1892～1974） 　　オーストリアの作曲家、アントン・ブルックナー誕生（1824～1896） 5日 作曲家、ヨハン・クリスティアン・バッハ誕生（1735～1782） 　　アメリカの作曲家、ジョン・ケージ誕生（1912～1992） 6日 “世界のクロサワ”映画監督、黒澤明没（1910～1998） 7日 ジャズ・サックス奏者、ソニー・ロリンズ誕生（1929～） 8日 チェコの作曲家、アントニーン・ドヴォルザーク誕生（1841～1904） 9日 作曲家、湯山昭誕生（1932～） 　　ジャズ・ドラマー、エルヴィン・ジョーンズ誕生（1927～2004） 　　ソウル歌手、オーティス・レディング誕生（1941～1967） 10日 ジャズ・シンガー、綾戸智絵誕生（1957～） 　　サルサバンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスが国連平和賞受賞（1993） 11日 スティクスのギタリスト／ボーカル、トミー・ショウ誕生（1953～） 　　フランスの作曲家、フランソア・クープラン没（1668～1733） 12日 フランスの作曲家、ジャン・フィリップ・ラモー没（1683～1764） 　　　　グスタフ・マーラーの交響曲第８番「千人の交響曲」初演（1910） 13日 ブルーコメッツから作曲家に転身した井上大輔誕生（1941～2000） 　　　　ロック・バンド「シカゴ」のボーカル、ピーター・セテラ誕生（1944～） 　　　　オーストリアの作曲家、アルノルト・シェーンベルク誕生（1874～1951） 14日 ロック・バンドPENICILLINのドラマー、O-JIRO誕生 　　　　ロックン・ローラー、矢沢永吉誕生（1949～） 15日 オーストリアの作曲家、アントン・ウェーベルン没（1883～1945） 　　ジャズ・サックス奏者、キャノンボール・アダレイ誕生（1928～1975） 　　　　ドイツの指揮者、ブルーノ・ワルター誕生（1876～1962） 16日 ブルース・シンガー／ギタリスト、Ｂ・Ｂ・キング誕生（1925～） 　　　　不世出の名ソプラノ歌手、マリア・カラス没（1923～1977） 17日 日本を代表するピアニストの一人、園田高弘誕生（1928～2004） 　　シューベルトの「弦楽五重奏曲ハ長調」初演（1850） 18日 アメリカのシンガーソングライター、マイケル・フランクス誕生（1944～） 　　ロック・ギターの革命児、ジミ・ヘンドリックス没（1942～1970） 19日 ロック・コーラス・グループ、ママス＆パパスの“ママ”キャス・エリオット誕生（1941～1974） 20日 スペインの作曲家／バイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテ没（1844～1908） 　　　　シンガーソングライター、小田和正誕生（1947～） 21日 ダイアー・ストレイツの「マネー・フォー・ナッシング」が全米1位に（1985） 　　　　日本語ロックバンドの先駆け、「はっぴいえんど」が解散記念コンサート（1973） 22日 ブルースの女王と呼ばれた歌手、淡谷のり子没（1907～1999） 　　ミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き』初演（1964） 23日 ロック・シンガー、ブルース・スプリングスティーン誕生（1949～） 　　　　盲目の天才ミュージシャン、レイ・チャールズ誕生（1930～2004） 24日 唱歌「ももたろう」の作曲家、納所弁次郎誕生（1865～1936） 25日 ソビエトの作曲家、ディミトリー・ショスタコーヴィチ誕生（1906～1975） 　　　　ピアニスト、グレン・グールド誕生（1932～1982） 26日 国際的に活躍するフルート奏者、工藤重典誕生（1954～） 　　アメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュイン誕生（1898～1937） 27日 デイヴ・マシューズ・バンド、デビューアルバムをリリース（1994） 　　フランスの名バイオリニスト、ジャック・ティボー誕生（1880～1953） 28日 ドリフターズの「8時だよ！全員集合」が放送終了（1985） 　　　　ジャズ・トランペッター、マイルス・デイヴィス没（1926～1991） 29日 グランド・ファンク・レイルロードの「アメリカン・バンド」が全米１位に（1973） 　　　　作曲家、柴田南雄（みなお）誕生（1916～1996） 　　ポーランドの女流作曲家、テクラ・バダジェフスカ没（1834～1861） 30日 アメリカの映画俳優、ジェームス・ディーン没（1931～1955） 　　グラム・ロック・バンド、Ｔ.レックスのマーク・ボラン誕生（1947～1977）

  2008/08/21

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• そろそろ『８月』、音楽三昧、毎日が記念日です

  そろそろ『８月』、音楽三昧、毎日が記念日です＾＾1日 作曲家、中田喜直誕生（1923～2000） 2日 “拓郎・かぐや姫　イン　つま恋”コンサート開催（1975） 3日 アメリカのシンガー、トニー・ベネット誕生（1926～） 　　ロッシーニのオペラ「ウィリアム・テル」初演（1829） 4日 米ビルボード誌がポップ・シングルを“HOT 100”として発表（1958） 　　モーツァルトがコンスタンツェ・ウェーバーと結婚（1782） 5日 TOTOのドラマー、ジェフ・ポーカロ没（1954～1992） 　　女優／歌手、マリリン・モンロー没（1926～1962） 6日 歌手、タレントの堺正章誕生（1946～） 7日 Ｊ・ガイルズ・バンドのピーター・ウルフが女優のフェイ・ダナウェイと結婚（1974） 　　ジャズ・コルネット奏者、ビックス・バイダーベック没（1903～1931） 8日 チャイコフスキーの序曲「1812年」初演（1882） 9日 イギリスの作曲家、アルバート・ケテルビー誕生（1875～1959） 　　ポピュラー歌手、ホイットニー・ヒューストン誕生（1963～） 10日 ジェスロ・タルのボーカル／フルート奏者、イアン・アンダーソン誕生（1947～） 　　モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」完成（1788） 11日 アメリカのロック・シンガー、エリック・カルメン誕生（1949～） 　　　作曲家、古関裕而誕生（1909～1989） 　　　フランスのバイオリニスト、ジャネット・ヌヴー誕生（1919～1949） 12日 ギタリスト、パット・メセニー誕生（1952～） 　　　チェコの作曲家、レオシュ・ヤナーチェク没（1854～1928） 13日 映画監督アルフレッド・ヒッチコック誕生（1899～1980） 　　「タイスの瞑想曲」で知られるフランスの作曲家、ジュール・マスネ没（1842～1912） 14日 オーストリアの指揮者、カール・ベーム没（1894～1981） 15日 フレンチ・ポップスの女王、シルヴィ・ヴァルタン誕生（1944～） 　　　50万人が集まったウッドストック・フェスティバル開幕 （1969） 16日 ジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンス誕生（1929～1980） 　　ロック歌手、エルヴィス・プレスリー没(1935～1977） 17日 アメリカのシンガー、ベリンダ・カーライル誕生（1959～） 　　オペラ台本作家、ロレンツォ・ダ・ポンテ没（1749～1838） 18日 SMAPのリーダー、中居正広誕生（1972～） 　　モーツァルトのライバル？作曲家、アントニオ・サリエリ誕生（1750～1825） 19日 バーンスタイン作曲のミュージカル、『ウェスト・サイド・ストーリー』初演（1957） 　　ロシア・バレエ団の主宰者、セルゲイ・ディアギレフ没（1872～1929） 20日 ソウル・ミュージシャン、アイザック・ヘイズ誕生（1942～） 　　民族音楽学者、小泉文夫没（1927～1983） 21日 フランスの作曲家、リリー・ブーランジェ誕生（1893～1918） 　　ビッグバンド・リーダー、カウント・ベイシー誕生（1904～1984） 22日 フランスの作曲家、クロード・ドビュッシー誕生（1862～1918） 23日 オーストラリアのロック・シンガー、リック・スプリングフィールド誕生（1949～） 　　　ミュージカル・スター、ジーン・ケリー誕生（1912～1996） 24日 日本の西洋音楽の黎明期に活躍した作曲家、滝廉太郎誕生（1879～1903） 25日 アメリカのジャズ・サックス奏者、ウェイン・ショーター誕生（1933～） 　　　ピンク・レディーが「ペッパー警部」でデビュー（1976） 　　CHAGE & ASKA、シングル「ひとり咲き」でデビュー（1979） 26日 “ワイト島ロック・フェスティバル”開催（1970） 　　イギリスの作曲家、ヴォーン・ウィリアムズ没（1872～1958） 27日 こよなく音楽を愛した作家、宮沢賢治誕生（1896～1933） 　　ギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが墜落死（1954～1990） 　　アメリカの作曲家、コープランドの管弦楽曲「エル・サロン・メヒコ」初演（1937） 28日 ドイツの文豪、ゲーテ誕生（1749～1832） 29日 ポップス界のスーパースター、マイケル・ジャクソン誕生（1958～） 30日 シンガー・ソングライター、井上陽水誕生（1948～） 31日　ドイツの作曲家、クルト・ワイルの「三文オペラ」初演（1928）

  2008/07/18

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• ７月音楽暦～毎日が記念日

  早７月、今年も半分が過ぎようとしている今日この頃です。好評音楽暦案内、７月も沢山の歴史があります。1日 童謡の日（日本童謡協会制定） 2日 ロック・バンド、フォリナーが最高傑作とされる4枚目アルバム『4』リリース（1981） 　　フランスの思想家、ジャン＝ジャック・ルソー没（1712～1778） 3日 オーストリアの指揮者、カルロス・クライバー誕生（1930～2004） 4日 ジャズ・トランペッター／歌手、ルイ・アームストロング誕生（1900～1971） 5日 バイオリニストの諏訪内晶子がチャイコフスキーコンクールで優勝（1990） 　　タンゴの革命児、アストル・ピアソラ没（1921～1992） 6日 ピアニスト／指揮者、ヴラディーミル・アシュケナージ誕生（1937～） 7日 ビートルズのリンゴ・スター誕生（1940～） 8日 新世代のシンガーソングライター、ベック誕生（1970～） 　　ジャズ・シンガー、ビリー・エクスタイン誕生（1914～1993） 9日 指揮者、朝比奈隆誕生（1908～2001） 　　ミュージシャン／プロデューサー、細野晴臣誕生（1947～） 10日 アメリカのジャズ・トランペッター、リー・モーガン誕生（1938～1972） 　　ボストン・ポップスの指揮者、アーサー・フィードラー没（1894～1979） 11日 アニマルズの「朝日のあたる家」が全英チャート1位に（1964） 　　　元チェッカーズの藤井フミヤ誕生（1962～） 12日 戦後を代表する作曲家、芥川也寸志誕生（1925～1989） 13日 日本のハワイアン音楽の育ての親、バッキー白片没（1912～1994） 14日 「尋常小学読本唱歌（文部省唱歌）」刊行（1910） 15日 ロック・シンガー、リンダ・ロンシュタット誕生（1946～） 　　オーストリアの作曲家、カール・ツェルニー没（1791～1857） 16日 60年代のスーパー・ロック・トリオ、クリーム結成（1966） 　　20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン没（1908～1989） 17日 楽聖ベートーヴェンの母親、マリア・マグダレーナ没（1746～1787） 　　　ジャズ・サックス奏者、ジョン・コルトレーン没（1926～1967） 18日 映画『グリース』のサウンド・トラック盤がプラチナ・レコード獲得（1978） 　　ドイツの音楽学者、フーゴー・リーマン誕生（1849～1919） 19日 クイーンのギタリスト、ブライアン・メイ誕生（1947～） 20日 『燃えよドラゴン』の映画スター、ブルース・リー没（1940～1973） 　　　ロック・ギタリスト、カルロス・サンタナ誕生（1947～） 21日 プロコル・ハルムの「青い影」が全英チャート１位を6週間続ける（1967） 　　　ジャズ・ピアニスト、ソニー・クラーク誕生（1931～1963） 23日 日本人歌手によるオペラが初めて上演される（1903） 24日 ベンチャーズの「ウォーク・ドント・ラン」が全米トップ100にチャートイン（1960） 　　バレエ「ジゼル」で知られる作曲家、アドルフ・アダン誕生（1803～1856） 25日 サクソフォン奏者、須川展也誕生（1961～） 　　　ピアニスト、中村紘子誕生（1944～） 　　　日本歌謡界の大御所、古賀政男没（1904～1978） 26日　映画監督、スタンリー・キューブリック誕生（1928～1999） 27日 イタリアのテノール歌手、マリオ・デル・モナコ誕生（1915～1982） 28日 ニューミュージック界のキーパーソン、大瀧詠一誕生（1948～） 29日 アイルランドのギルバート・オサリヴァンの「アローン・アゲイン」が全米1位に（1972） 　　ピーター、ポール＆マリーの「風に吹かれて」リリース（1963） 　　ジャズ・ギターの開祖、チャーリー・クリスチャン誕生（1916～1942） 30日 アメリカのポップス歌手、ポール・アンカ誕生（1941～） 31日 小説「ハリー・ポッター」シリーズの主人公、ハリー・ポッターの誕生日（1980?） 　　　ジャズ・ピアニスト、バド・パウエル没（1924～1966）

  2008/06/26

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• 6月の音楽暦

  6月も音楽暦は多々活況！1日 ロック・シンガー、アラニス・モリセット誕生（1974～） 　「砂に書いたラブレター」で知られるポピュラー歌手、パット・ブーン誕生（1934～） 2日 ラジオの発明者、マルコーニがアメリカでの特許を取得（1896） 　　イギリスの作曲家、エルガー誕生（1857～1934） 3日 オーストリアの音楽研究家、ルードヴィッヒ・フォン・ケッヘル没（1800～1877） 　　ワルツ王、ヨハン・シュトラウス2世没（1825～1899） 4日 日本で初めてアンコールが演奏された日（1878） 5日 ピアニスト、マルタ・アルゲリッチ誕生（1941～） 6日 アルメニアの作曲家、アラム・ハチャトゥリアン誕生（1903～1978） 　　楽器の日 7日 イギリスの歌手、トム・ジョーンズ誕生（1940～） 　　ロック・アーティスト、プリンス誕生（1958～） 8日 アメリカのAORシンガー、ボズ・スキャッグス誕生（1944～） 　　ドイツ・ロマン派の巨匠、ロベルト・シューマン誕生（1810～1856） 9日 作曲家、山田耕筰誕生（1886～1965） 10日 イギリスの作曲家、フレデリック・ディーリアス没（1862～1934） 11日ドイツの作曲家、リヒャルト・シュトラウス誕生（1864～1949） 　　ロック歌手、マドンナがコンサートのため初来日 12日 アメリカのジャズ・ピアニスト、チック・コリア誕生（1941～） 　　　歌謡曲の作曲家、船村徹誕生（1932～） 13日 ストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」初演（1911） 14日 おしゃれな映画音楽で知られる、ヘンリー・マンシーニ没（1924～1994） 15日 ノルウェーの作曲家、エドヴァルト・グリーグ誕生（1843～1907） 16日 パール・ジャムが、米最大手のチケット会社を使わないツアーを開始（1995） 17日 シンガー、バリー・マニロウ誕生（1946～） 　　 フランスの作曲家、フランソワ・グノー誕生（1818～1893） 18日 ビートルズのポール・マッカートニー誕生（1942～） 19日 イギリスのロック・バンド、ＥＬＯアルバム『DISCOVERY』がプラチナディスク獲得（1976） 　“ディスコの女王”、ドナ・サマーがゲフィン・レコードと契約（1980） 　　ロシアの作曲家、セルゲイ・イヴァノヴィチ・タネーエフ没（1856～1915） 20日 シンガー、ライオネル・リッチー誕生（1949～） 　　ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン誕生（1942～） 21日 ジャズ歌手、ヘレン・メリル誕生（1929～） 22日 トランペッター、ハーブ・アルパートの「ディス・ガイ」がビルボード１位に（1968） 　　アメリカの女優／歌手、ジュディ・ガーランド没（1922～1969） 23日 アメリカのミュージカル演出家／映画監督、ボブ・フォッシー誕生（1927～1987） 24日 孤高のロックギタリスト、ジェフ・ベック誕生（1944～） 25日 シンガーソングライター、カーリー・サイモン誕生（1945～） 　　 箏曲家、宮城道雄没（1894～1956） 26日 ザ・バーズの「ミスター・タンブリン・マン」がビルボード１位に（1965） 　　 JAZZ作編曲家　デイブ・グルーシン誕生（1934～） 27日 ジャクソン５の「小さな経験」がビルボード１位に（1970） 　　 オーストリアのオペレッタ作曲家、ローベルト・シュトルツ没（1880～1975） 28日 アメリカのミュージカル作曲家、リチャード・ロジャーズ誕生（1902～1979） 29日 第11回チャイコフスキーコンクールで、デニス・マツーエフ優勝（1998） 　　アメリカの作曲家、ルロイ・アンダーソン誕生（1908～1975） 30日 作曲家、弘田龍太郎誕生（1892～1952） 　　ビートルズが武道館で来日公演（1966）

  2008/05/20

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  ラフマニノフ：ピアノ協奏曲第5番～交響曲第2番ヴァレンベルグ編

  こんな曲、この曲がもしピアノ協奏曲だったら...たぶんにそう思われる作品は世に沢山ある。原曲を損なわず、よりオリジナル作品を上回る可能性を秘め、もちろんアレンジというよりもオリジナリティを生かした最良のオリジナリティ作品の誕生という意味合でであるが...最近ラフマニノフの交響曲第2番をピアノ協奏曲用に編曲された協奏曲編曲版、ピアノ協奏曲第5番と銘打ってＣＤが発売された。もともとこの作品は、ラフマニノフ特有の美しさが第二楽章で如何なく発揮された群を抜く名旋律で有名だが、この度4楽章形成のこの交響曲作品を3楽章構成に編曲し、新たな光を注いだものだ。編曲作曲にヴァレンベルグ（正直知らない）が320ページに及ぶスコア作成をし、金太郎飴ではないが、どこを切っても、これぞラフマニノフという音楽が蔓延していて、何ら違和感を覚えないのを不思議とも不自然とも思わず、当然あっておかしくない、創られていて然りという肯定的な作品として仕上った。第一楽章の大地の安定感が三角形を形成する土台をもとに渾然一体となる旋律と、雄々しいロシアの大自然が冒頭を押切る。典型的なラフマニノフのスタイルであり、そして第二楽章の名旋律にこの作品の中核を惜しみなく表現している。まるで映画音楽かと思うほど美しいメロディはピアノ協奏曲第二番と双璧な旋律美である。繋ぎに無為もなくただただこの曲の良いところが描表わせたといえる仕上りである。そして第三楽章にみる交響曲としての4部構成を卆なく纏めている。ここにピアノ協奏曲第3番を彷彿するかのような旋律がまた適度な緊張と、こういうフィナーレを曲想として結び付ての創作偉功はラフマニノフの作品に対しての造詣の深さは基より、余程の愛好家であることも察しがつく創りである。この作品がこの1枚だけのディスクではなく、より多くの演奏家がこの楽譜に新しい作品としての演奏を繰広げてくれることを望みたい。兎に角曲がいいのだから。今回初発売、初演奏となったこのＣＤは、録音こそ2007年にも拘らず音が良いとは言い難い。その点が非常に残念だと思った。

  2008/05/14

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• 5月、音楽月～

  5月もさまざまな音楽月です＾＾1日 ジャズ・バイオリニスト、寺井尚子誕生 　　デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」初演（1897） 2日 作詞家、秋元康誕生（1956～） 　　歌手／俳優のビング・クロスビー誕生（1904～1977） 3日 ソウル・シンガー、ジェームズ・ブラウン誕生（1933～2006） 　　シンガーソングライター、クリストファー・クロス誕生（1951～） 　　オネゲルの交響的楽章「機関車パシフィック２３１」初演（1924） 4日 アメリカのジャズ・ベーシスト、ロン・カーター誕生（1937～） 　　ピアノの発明者、バルトロメオ・クリストフォリ誕生（1655～1731） 5日 「こどもの日」のいわれ 　　音楽の殿堂、ニューヨークの「カーネギー・ホール」オープン（1891） 6日 インド国歌を作った詩人、ラービンドラナート・タゴール誕生（1861～1941） 7日 ドイツの作曲家、ヨハネス・ブラームス誕生（1833～1897） 　　ベートーヴェンの交響曲第９番「合唱付」初演（1824） 8日 “トニー”と呼ばれた映画俳優、赤木圭一郎誕生（1940～61） 9日 シンガー・ソングライター、ビリー・ジョエル誕生（1949～） 10日 ロック・バンドＵ２のボーカリスト、ボノ誕生（1960～） 11日 シンガーソングライター、泉谷しげる誕生（1948～） 　　　作曲家、いずみたく没（1930～1992） 12日 イタリアの作曲家、ガエターノ・ドニゼッティのオペラ『愛の妙薬』初演（1832） 　　都会的なメロディで人気の作曲家、バート・バカラック誕生（1928～） 13日 アメリカのジャズ・ピアニスト／作・編曲家、ギル・エヴァンス誕生（1912～1988） 　　　スティーヴィー・ワンダー誕生（1950～） 14日 ピアノ教則本「バイエル」の著者、フェルディナント・バイエル没（1803～1863） 15日 マルチ・ミュージシャン、マイク・オールドフィールド誕生（1953～） 　　「鉄道唱歌　第１集」出版（1900） 16日 偉大なエンターテイナー、サミー・デイビス・ジュニア没（1925～1990） 17日 ピアノ曲で知られる、エリック・サティ誕生（1866～1925） 18日 アメリカのシンガー、ペリー・コモ誕生（1912～2001） 　　　元イエスのキーボード奏者、リック・ウェイクマン誕生（1949～） 　　　作曲家／指揮者、グスタフ・マーラー没（1860～1911） 19日 ザ・フーのリーダー、ピート・タウンゼント誕生（1945～） 20日 イギリスのロック・シンガー、ジョー・コッカー誕生（1944～） 　　　　　　シューマンの妻でピアニストのクララ・シューマン没（1819～1896） 21日 オーストリアの作曲家、フランツ・スッペ没（1819～1895） 　　　フランスの名トランペット奏者、モーリス・アンドレ誕生（1933～） 22日 シャンソン歌手／俳優、シャルル・アズナヴール誕生（1924～） 　　　オペラの巨人、リヒャルト・ワーグナー誕生（1813～1883） 23日 ドイツのピアニスト、ウィルヘルム・ケンプ没（1895～1991） 　　門下から優秀な音楽家を輩出した指揮者の斎藤秀雄誕生（1902～1974） 24日 フォークの神様、ボブ・ディラン誕生（1941～） 25日 フランスの作曲家、レオ・ドリーブのバレエ「コッペリア」がパリ・オペラ座で初演（1870） 　　　ウィーン国立歌劇場オープン（1869） 26日 ラップ・シンガー、ローリン・ヒル誕生（1975～） 　　「ジャニー・ギター」で知られる歌手のペギー・リー誕生（1920～2002） 27日 ロック・シンガー、椎名林檎がシングル「幸福論」でデビュー（1998） 　　　超絶技巧バイオリニスト、パガニーニ没（1782～1840） 28日 ＣＣＲのリーダー、ジョン・フォガティ誕生（1945～） 　　バリトン歌手、ディートリッヒ・フィッシャー＝ディスカウ誕生（1925～） 　　マーラーの交響曲第４番の世界初録音が日本で行われる（1930） 29日 ロック・バンド「オアシス」のギタリスト、ノエル・ギャラガー誕生（1967～） 　　TOTOのボーカル、ボビー・キンボール（1947～）とベーシスト、マイク・ポーカロ（1955～）誕生 　　戦後を代表する大歌手、美空ひばり誕生（1937～1989） 30日 ジャズ・クラリネット奏者、ベニー・グッドマン誕生（1909～1986） 31日 作曲家、伊福部昭（いふくべ・あきら）誕生（1914～2006） 　　レッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナム誕生（1948～1980） 　　ウィーン古典派の基礎を築いた作曲家、ハイドン没（1732～1809）

  2008/05/06

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  ダニエル・ハーディング／マーラー：交響曲 第10番 嬰ヘ長調

  リベラ同様、昨日購入した目下ハイライト的アルバムが、ダニエル・ハーディングのDGレーベル第1弾のマーラー/第10交響曲だ。デリック･クック補筆完成全曲版による演奏で、嘗てのウィン・モリスの演奏以来の衝撃となった。2004年12月、29歳のハーディングが記念すべきウィーン･フィル・デビューを果たしたときの演目もこの曲で、ウィーン・フィルにとっては初めての５楽章版による演奏だった。DGレーベルにとっても５楽章版の録音は初。この100年の歴史の中でもなかったことだ。演奏の詳細はさておき、一度は耳にして良いだろうと思えるものだ。マーラーが第9交響曲を作曲中にこの第10番に手を付け、古今の大先輩たち、ベートーベン以降から9番を最後に逝去している事象にその奇遇を恐れていた。だから第9番の途中からそのジンクスから逃れるためにも、あえて10番の構想に着手した。そして第1楽章を書いて、次章のスケッチを残し、また第9番の完成に向けて執筆を開始した。その束の間、第9番の完成と共にマーラーも古今の名作曲家と同様、死去するという運命に遭遇する。今作品は後にデリック・クックがスケッチを元に復元再生した5楽章形成の全曲盤である。幽門多しこの作品に、今生の境目として聴いてみるのも一考かと思う。第一楽章の悠遠なる世俗との離脱、この不思議な世情にどう耳を傾けるか。中々のものである。私は大好きだ。それから、ちょっとだけハーディングに触れておこう。彼はバーミンガム市交響楽団でサイモン・ラトルのアシスタントとしてキャリアを開始し、1994年に18歳のとき同オケでプロ・デビュー。続いてベルリン・フィルでアバドのアシスタントを務め1996年ベルリン・フィルを指揮、この年BBCプロムスの最年少指揮者となった。現在、マーラー室内管弦楽団音楽監督、ロンドン交響楽団首席客演指揮者、スウェーデン放送交響楽団音楽監督を兼任する。新世代を確実に歩みゆく、若き巨匠の始まりといえる指揮者だと思える。

  2008/03/10

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  リベラ～ニュー・ドーン(NEW DAWN)

  最新スタジオ録音が待望の発売になったのを昨日購入した。EMIでのオリジナル・アルバムとしては第4作目。このラインの音楽は好きだが、今回のアルバムはたぶんに今までの中でも最高の仕上りといえる。一つに曲の良さ、それとハイ・ソプラノを受け持つトム・クリー君の上手さと聖声に驚かせられる。メンバーもそれなりに変わる（変声期で終了する）。致し方ないことだが、この天上の歌声が何時まで聴けるのかと思うと、美しくも儚い寂しさも感じた。電球のタングステンの灯が、寿命とともに消えていく侘しさ。何とも掲揚し難い美しさを秘めている。現在輸入盤のみの発売。オリノコ・フロウ(エンヤ)カッチーニ：アヴェ・マリアSecretバッハ：G線上のアリアグローリア(サン=サーンス：オルガン交響曲に基づく)SancteRest in peace　ラヴ・アンド・マーシー(ブライアン・ウィルソン)Mat the road rise upNever be aloneJerusalemタリス：カノン；The lambIn paradisum

  2008/03/10

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  2008年はカラヤン生誕100年

  20世紀最高の指揮者の一人、ヘルベルト・フォン・カラヤンが、2008年4月5日に生誕100年を迎え、各レコード会社からさまざまな関連作品が続々とリリースされる。まず12月12日に、最も縁故の大きなユニバーサル・ミュージックDGから登場するのは全20タイトル。2枚組の日本独自ベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ』をはじめ、未発表音源を含むCD+DVD『カラヤン・レジェンド』、カラヤン・マスターワークス、最新リマスター・シリーズ8タイトル、ウィーン・フィルとの演奏を集めた「カラヤン1000」という、1,000円の廉価盤10タイトルが発売。こちらは以前にアナログで名盤の誉高きLPのCD化だ。続いて12月19日には、ソニー・ミュージックからDVD『ライヴ・イン・大阪 1984』が登場。その名のとおり84年10月18日、大阪はシンフォニー・ホールでの公演を収録したもので、世界初の映像。どちらにしても、20世紀の数々の記録を打出したカラヤンの歴史が垣間見られる。54年の初来日以降、通算11回の来日コンサート。のべ30万人を動員し多くの聴衆を魅了した。生涯にアルバム総計1億枚の実売を誇り、録音した曲目は約540曲を超え、共に前人未到の数値となっている。最晩年、当時ソニー社長の大賀氏と会談中に心不全により急逝し、全世界に大きな衝撃を与えた。ヨーロッパの主要な音楽ポストの掌握、世界演奏旅行、歴史的にも２度の世界大戦の体験や第三帝国との関係等、カラヤンこそ明暗ともに20世紀を象徴する指揮者、人物であったといえる。彼がいなかったらクラシック音楽がこれ程世界に浸透しなかっただろうと思われる。今年生誕100年を迎えた朝比奈隆先生、服部良一さんといい、ちょっと前まで活躍していた大御所だから、100年という時間の観点がピーンとこない。というよりも過去の人たちになっていない。永遠というのは難しいが、語継がれるべき音楽歴史の生き証人であり、現代への基盤を形成してきてくれた功績は計り知れない。

  2007/12/15

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  屈指の名演、ヤンソンス/バイエルンRSO～ブルックナー

  昨日は久々にコンサートを聴いてきた。2006ニューイヤーコンサートで、世界的認知度を一気に上げたマリス・ヤンソンス。その彼が2003年から音楽監督を務めるバイエルンRSOのコンビで織成す、ブルックナーとブルッフのオール・ドイツものの演目である。旧ソ連圏から独立したラトビア出身のヤンソンスはレニングラード音楽院卒業後、スワロフスキーとカラヤンに師事し、1971年のカラヤン国際コンクールで優勝している。1971年にレニングラード・フィルの副指揮者を勤め（ムラビンスキーが音楽監督）、後のオスロ、ピッツバーグの音楽監督、そして2003年よりマゼールの後、バイエルンRSOの主席指揮者、音楽監督、2004年にロイヤル・コンセルトへボウ主席指揮者と世界屈指の音楽監督に就任し、ウィーン、ベルリン・フィルと客演指揮を縦横無尽に活動する超実力派だ。前置きはこの辺にしておこう...。昨年のニューイヤー・コンサートをテレビで拝見した時に、ヤンソンスはたぶんに聴衆が音楽家、演奏家に求める要素を十二分に持ち合わせたカリスマ的な指揮者の一人！だと直感した。CDでシベリウスやショスタコーヴィッチの全集に近いレパートリーとラフマニノフ（手元にあるのに気にかけていなかった）などは旋律の歌い回しの上手さ、とにかく美しい響きとフレーズを重んじる人、あまり人気はないがスゴイ指揮者だと思っていた。 そのヤンソンス指揮するバイエルンRSOで、珍しくもブルックナーとブルッフのヴァイオリン協奏曲のプログラムなのだから、これが聴けたのは本当に有難い。最初がブルッフのVn協奏曲、かの名曲をヤンソンスのサポートで弾けるサラ・チャンのVnは、しなやかに主旋律を太目の響きに乗せて朗々と歌わせる。この曲は当然ながら第一楽章のウエイトが大凡を占める作品なのだが、中間の緩叙部に於けるオーケストラ・パートの素晴らしさには、足元に寒気を何度感じただろう、鳥肌ものである。大きな懐の中でサラ・チャンは悠々自適に演奏しきったといえるものであった。もし一つ難をといえば、サラ・チャンのヴァイオリンは高音部に於けるグリッサンド・パッセージにおいて音掠れが生じてしまったことは拒めない。とはいっても今日の演奏会の大成功からすれば、何らエネルギーの昇華に繋がるもので、天賦の才と今日までを聴くサラ・チャンの芸風に拍手といえた内容だった。返す返すもヤンソンス/バイエルンの好サポート、あまりにも上手いサポートには、ただただ頭が下がる。休憩の後は本日のメインのブルックナーの第７番。編成も大所帯で、ブルッフの1.5倍くらいの構成だ。颯爽と雄弁に真摯が歩いてくる。第一楽章の冒頭、類稀な響きが全身を襲う。抜群のオーケストレーション、弦群、管群とたぶん最も崇高な共鳴に聴衆は魅了されたに違いない。しなやかで繊細で、音楽の中身も演奏家の心もよく理解し、万遍なく作品の造詣の深さと、確信を持った裏付けのある技量と音楽性が滲み出ていた。どこにも鼻高々な姿はなく、真摯な姿勢がブルックナーを貫く。バイエルン放送交響楽団から出てくる響きの美しさは、呼吸のようにしなやかに厚みを持ち、流暢に歌う。何処もかしこも、ここぞというところは、旋律の美しさをロマンチックに歌わせ、随所に小宇宙の融合を、この作品、曲から感じられた。オケに合図を送る仕草に、ヤンソンスの人柄だろうか、にこやかに笑みを浮かべ、具体的で且つ的確な理想像を打出していて、幾度も我ながら頷いた。しかし上手い。かくいう演奏を比較対照に古今の演奏史と較べる必要性のないところが重要だ。そう感じたのは数年前のハイティンク/ドレスデン国立管弦楽団のブルックナーの第８番と、チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルの第8番以来の実感である。演奏史の中には古今の名演、名盤は多々ある。だがそれは一体比較に於いて何を意味するだろう。むしろ意味はないことである。畢竟、聴く側の好みの世界に通じる由縁である。問題はそういうところではない。それが今日の演奏であった。こういう響き、先の先駆者たちもそうだったが、歴史と文化が織成す芸術の深さと丹念に積重ねられた御家芸。およそ上から権威が振り下ろされるような重々しさがなく、むしろ聴き手の視線から感動が静かに、そして確実に立ち上る演奏者がヤンソンスとバイエルンの組合せと言えるのかと思ったほどだ。一晩の演奏会で第７交響曲、その一つの作品で楽章ごとに交響曲を4つ聴いた感じがしたほどで、そこには大宇宙が列記と存在していた。超人的という尺度ではなく、感動の質が実に人間的で演目作品と演奏家とが聴衆に結ばれた実感、終わった後、幸福な気持ちで家路に向かうという至福を、今日の演奏会は明示してくれた。そして何よりもブルックナーの交響曲が宇宙的作品だといわれる由縁を、十二分に体験し、満喫した演奏会であった。一期一会、そう多くは出会うことが出来ない名演に心から感謝したい。

  2007/11/24

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  ミハイル・リッキー～超絶技巧練習曲を聴いて

  やっとのこと、原稿を終わらせ、胃の痛みに耐えかねながら、ｈｐの更新をしている。ゆっくり寝ていればよいものを、賢い選択をしなかった。先のスターダストといい、10月の半ばに観ていたのに書けずじまい。もう半月も過ぎての掲載だ。少しでも元気な内に記憶がちゃんとしている内に書かねば＾＾”先月友人からミハイル・リッキーのリストの超絶技巧練習曲とアファナシェフのシューベルトのソナタのＣＤを送ってもらった。あらためて本日、久々にまた聴き入った。クラシック音楽ファンの方でも、そう多くは知られていないロシアの名ピアニスト、ミハイル・リッキーは、イリーナ・メジューェワと共にグネーシン音楽院でトロップ教授に師事している。国内ではコロムビアレコード社、若林工房から数枚のＣＤが発売になっている。その彼が2000年にモスクワ音楽院でのライブ・コンサートのＣＤが今回届いた作品だ。聴いてびっくり、見てビックリはラカトシュだが、この演奏あまりにも凄くてある種ピアノ・テクニックの限界点を聴くような演奏である。真にスゴイ。単なる技術的なレベルの頂点ということだけではなく、音楽的にもスリリングなまでの魅力的なフレーズの歌い方が、驚異的な技巧の中に花咲くから驚きを隠せない。まさに衝撃的。それにしても、人間の指がこんなにも動くのか？そう言ったら乱暴すぎるか。解説にも記載が有ったが、幾分同じような感想を抱く。小生、ポリーニのショパンのエチュードを初めて聴いた時（ＬＰ、ＣＤ、ライブも）はハンマーで頭を殴られて立てずじまいだった。吉田先生が「この上に何を望もうか」とレコ芸に掲載していたのをよく覚えている。それがＬＰのタスキになった。ラザール・ベルマンのリストもメロディアから出たＬＰを聴いた時、音が何故にこんなに多いのだろうと思わせた最初のピアニストだった。それはさて置き、このＣＤの出現で少なくともこの「超絶技巧練習曲」の代名詞はミハイル・リッキーの手に渡ったといえるだろう。まずは聴いてみてほしい。たぶん今までのこの曲に対する思い、その概念が吹き飛ぶ？いや、肯定せざるを得ない演奏であると誰しもが納得せざるをえなくなる演奏だ。録音：2000年9月15日モスクワ音楽院小ホールにおけるライヴ録音リスト：超絶技巧練習曲集 S.139 （全12曲）以下は田中さんのライナーよりの掲載である。「・・・ここにあるのは、あのベルマンの衝撃はそのままに、さらに音楽に深く踏み込み、この作品の美しさを際立たせたまったく新しいスタイルの『超絶技巧練習曲』なのだ・・・」（田中 泰／ライナーノートより）

  2007/11/05

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• 先送り10月はこんな暦

  1日 CD（コンパクト・ディスク）が発売される（1982） 　　　 国際音楽の日 2日 ロッド・スチュワートの「マギー・メイ/リーズン・トゥ・ビリーブ」が全米１位に（1971） 　　イギリスのロック・シンガー、スティング誕生（1951～） 　　アイドル・グループ、ザ・モンキーズが武道館で初来日コンサート（1968） 3日 ロック歌手、エディ・コクラン誕生（1938～1960） 　　東京オリンピックの開催に合わせ、日本武道館完成（1964） 4日 伝説のロック・クイーン、ジャニス・ジョプリン没（1943～1970） 5日 歌手、山口百恵のファイナルコンサートが日本武道館で行われる（1980） 　　『天国と地獄』『ホフマン物語』で知られる作曲家、オッフェンバック没（1819～1880） 6日 ロック・バンド、REOスピードワゴンのボーカル、ケビン・クローニン誕生（1951～） 　　音が出た最初の映画『ジャズ・シンガー』がニューヨークで公開（1927） 7日 作詞／作曲／放送作家、三木鶏郎没（1914～1994） 　　スイスの指揮者、シャルル・デュトワ誕生（1936～） 8日 パンク・ロック・バンド「ラモーンズ」のギタリスト、ジョニー・ラモーン誕生（1948～2004） 　　映画『慕情』の同名の主題歌がビルボード・ナンバー１ヒットになる（1955） 9日 アメリカのシンガーソングライター、ジャクソン・ブラウン誕生（1948～） 　　ポップス史に多大な影響を与えたビートルズのジョン・レノン誕生（1940～1980） 10日 キング・クリムゾンのデビューアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』発売（1969） 　　イタリア・オペラを代表する作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディ誕生（1813～1901） 11日 HOUND DOGのドラマー、橋本章司誕生（1955～） 　　ジャズ・ドラマー、アート・ブレイキー誕生（1919～1990） 12日 雅楽奏者、東儀秀樹（とうぎひでき）誕生（1959～） 　　３大テノール歌手のひとり、ルチアーノ・パヴァロッティ誕生（1935～2007） 13日 シャンソン歌手／俳優、イブ・モンタン誕生（1921～1991） 　　60～70年代を代表するフォーク・デュオ、サイモン＆ガーファンクルのポール・サイモン誕生（1941～） 14日 イギリスのロック・シンガー、クリフ・リチャード誕生（1940～） 　　電波楽器オンド・マルトノの発明者で作曲家のモリス・マルトノ誕生（1898～1980） 15日 歌手、デビー・ブーンの「恋するデビー」が全米ナンバー１ヒットに（1977） 　　音楽家でもあったドイツの哲学者ニーチェ誕生（1844～1900） 16日 ハンガリーの作曲家、コダーイの歌劇『ハーリ・ヤーノシュ』初演（1926） 　　　　ミュージカルとジャズ・スタンダード作曲の第一人者、コール・ポーター没（1891～1964） 17日 珠玉のピアノ曲を数多く残したショパンが39歳の若さでパリにて没（1810～1849） 18日 ロックン・ロールの王様、チャック・ベリー誕生（1926～） 　　現代を代表するジャズ・トランペッター、ウィントン・マルサリス誕生（1961～） 19日 イギリスの天才女流チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレ没（1945～1987） 　　ワーグナー自身の指揮により、オペラ「タンホイザー」ドイツのドレスデンで初演（1845） 20日 カシオペアのキーボーディスト、向谷実誕生（1956～） 　　　個性的なアクの強い天才ピアニスト、イーヴォ・ポゴレリチ誕生（1958～） 21日 フランスの映画監督、フランソワ・トリュフォー没（1932～1984） 　　“サー”の称号を持つ名指揮者、ゲオルグ・ショルティ誕生（1912～1997） 22日 ハンガリーの作曲家、フランツ・リスト誕生（1811～1886） 　　高名なピアニストそして作曲家でもあったリスト誕生（1811～1886） 23日 シンガーソングライター、渡辺真知子誕生（1956～） 　　「荒城の月」の作詞家、土井晩翠が誕生（1871～1952） 24日 ローリング・ストーンズがアメリカの人気TV番組「エド・サリヴァン・ショー」に初出演（1964） “ムッシュ100万ボルト”と呼ばれるフランスのシャンソン歌手ジルベール・ベコー誕生（1927～2001） 25日 ピアニスト、有森博誕生（1966～） 日本を代表するジャズ・トランペッター、日野皓正誕生（1942～） 26日 バロック期の巨匠ドメニコ・スカルラッティ誕生（1685～1757） 27日 ロシアの作曲家、ムソルグスキーの「禿げ山の一夜」初演（1886） 超絶技巧バイオリニスト、パガニーニ誕生（1782～1840） 28日 チャイコフスキー自身の指揮により、『悲愴』初演（1893） 29日 オールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマン事故死（1946～1971） 初のロック・ミュージカル『ヘアー』がオフ・ブロードウェイで始まる（1967） 30日 フランスの映画監督、クロード・ルルーシュ誕生（1937～） ジャズ・トランペッター、クリフォード・ブラウン誕生（1930～1956） 31日 ビースティー・ボーイズのギタリスト、アダム・ホロヴィッツ誕生（1966～） 『甘い生活』などで有名なイタリアの映画監督、フェデリコ・フェリーニ没（1920～

  2007/09/26

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