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エルファの独り言

エルファの独り言

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Jun 27, 2006
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カテゴリ:クロノス小説
クロノス城ギルドセンター

 ヘガーは大いに悩んでいた。

 その原因はヘガーの手元にある1枚の羊皮紙だ。

 普段ならばどうということはないただの紙切れ。

 しかし、それが目を疑う内容なだけに、これを本人に伝えていいものなのだろうかと悩んでいるのだった。

 数値はどれも異常な値を示している。

(こんなこと今までになかったからなぁ)

 そう。ヘガーがここに赴任して以来、初めてみる数値だ。

(いっそ逃げてしまうか?

 いやダメだ……あのギルドにはアレがいる……

 アレのことだきっと地獄の底まで追っかけてくるだろう)

 そう考えると背筋がぞっとする。

 ヘガーは頭をぶんぶんと振って、はたとひらめいた。

(! そうか、そーすればいいのか!)

 早速準備に取り掛かるヘガー。

 羊皮紙に書かれていたタイトルは

『エルファリアの適正試験に対する回答』



「街の施設とその役割は大体こんなとこかな

 エルちゃん覚えた?」

 街をぐるりと一巡してアルテミスは確認を取る。

「むぅ~~」

 エルファリアは難しい顔をして考え込んでいる。

(えっと道具屋さんがあそこで、倉庫がここで……)

 記憶が間違ってないかを確認し終え、ひとつ頷いてから

「大丈夫です♪」と、笑顔でエルファリアは答えた。

「そっか♪

 そろそろ時間だし、ギルドセンターでエルちゃんの適正結果もらいにいこっか」



(げっ!!

 よりによって一緒なのがアルテミスとは……)

 何とか声が出ることは避けられたものの、顔に出てしまったらしい。

「アルが一緒だと何か問題でもあるの?」

「そういうわけではないのだが」

 ヘガーは口では否定するものの、

(大アリなんだがなぁ)

 などと思っていた。

(予定外だが致し方あるまい)と、気を取り直して用意していた羊皮紙をラゲールに渡す。

「これがエルファリア……君の適正の結果だ。

 ラゲールから受け取るように」

 エルファリアはラゲールから羊皮紙を受け取って、中身を確認する。

 アルテミスも結果を待ちわびていたようで、その羊皮紙を覗きこんだ。

「ちょっと何よこれ!?」

 その驚愕の内容に目を見開いて、声を荒げる。

(そら来た……だから嫌だったんだが……)と内心閉口するヘガー。

 エルファリアから羊皮紙をひったくったアルテミスは

「どーゆーことなの?」と、射殺さんばかりの視線でヘガーを睨む。

(こ、怖ぇ……)

 びくつきながらも、ヘガーは用意していた答えを口にする。

「どうもなにもエルファリアの適正の結果だが……?」

「あんた、適正試験サボってんじゃないでしょーね?」

「エルファリア……君は退室して結構だ」

「ちょっと聞いてんの!?」

 ヘガーがアルテミスの文句を無視したため、彼女はますますヒートアップする。

(やれやれ……)

 ふぅっとため息をついたヘガーは

(実はこれについて話がある。彼女には内密でな)と、アルテミスに小声で伝える。

(!?)

 怪訝な表情を作るアルテミス。

(どーしてエルちゃんに教えられないのよ?)

(それも後で話す。とにかく今の段階で彼女に知られるわけには行かんのだよ)

 その表情が言外に「こちらの事情も察してくれ」と物語っている。

 疑いのまなざしのまま、アルテミスは腕を組んでから不気味な笑みを浮かべる。

 もちろんエルファリアからはその顔を見ることはできない。

「エルちゃん。

 アルじーーーっくりと、この人から話を聞くからちょっと外してくれない?」

 『じーーーっくり』を強調するアルテミス。

「解りました」

 そう返事をして、エルファリアは部屋から出る。

 それを確認したアルテミスは開口一番

「で? なんで適正の結果がオールDなわけ?」と、切り出す。

「そのことなんだが……実はあれは彼女の本当の結果ではないのだ」

 再びため息をついたヘガーは、もう一枚羊皮紙を取り出した。

「わたしの手元にあるこれが本当の彼女の適正の結果だ」

「ちょ! それ公文書の偽造って言うんじゃ……」

「そう言ってくれるな……これを今直接本人に見せるのは憚られる。

 評議会の全会一致での評決だったのだ」

 ヘガーはその羊皮紙をアルテミスに手渡した。

「いいの?」

 無言でうなずくヘガー。

 アルテミスはその内容に目を通してしばらく絶句した後、かすれた声でつぶやいた。

「……なによこれ」



『エルファリアの適正試験に対する回答

 総合評価『S』

 パラディンに対する適正『SS』
 アマゾネスに対する適正『B』
 マジシャンに対する適正『A』
 バルキリーに対する適正『SS』

 ギルド評議会はエルファリアに対して以上の適正を認めるものとする』



「率直に聞こう。

 アルテミス……君はこの結果をどう思った?」

「どう……って

 素直にすごいじゃないの」

 ヘガーの質問にそう漏らしたアルテミスに、ふと頭をよぎるものがあった。

「なんでこの結果を本人に伝えられないのよ?」

「では逆に聞こう。

 なぜこの結果が『すごい』と思えたのだ?」

 ヘガーはアルテミスの質問に質問で返す。

「へ? なぜって……そりゃアルはここでずっと暮らしてるわけだし」

「そう、つまりそういうことなのだよ」

(??)

 アルテミスはヘガーの言わんとしていることが解らないでいる。

「これまでにも、クラス適正で『SS』の評価を取ったものは何人もいる。

 そしてその評価を得た者の中で、自分の力に溺れた者も少なくない。

 ましてや今回は総合評価が『S』なのだ……故に今回はこのような処置を取ったというわけだ」

「なるほど……そういうことだったのね」

 アルテミスのようやく合点がいったという顔を見て、ヘガーが続ける。

「で、だ……

 ギルド『SSD』のバルキリーアルテミス。

 実は──」

「エルちゃんのことよろしく頼むってことでしょ?」

 ヘガーのセリフを先回りしてアルテミスはウィンクをひとつ送るのだった。


-to be Continued-





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Last updated  Jul 7, 2006 06:45:27 PM
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