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カテゴリ:南アフリカ旅行記
この国で車両の盗難や強盗が多いのには私が見るところ、理由がある。 それはまず車の値段である。 この国では日本人が見ると驚くような価格が販売されている車に付いている。 例を挙げると、10万km走行した10年落ちのカローラが日本円にすると100万円で売られていたりする。 BMWのX5が15万km走行したあとに1000万円以上の値段で売られている。 また、中古車の輸入が国によってほとんど規制されているため、海外から安く車を運んでくるという事が建前上出来なくなっている。 これは、後に知ったことだが実は南アフリカという国が車の輸出国である、という事が大きくかかわっているのだという。 南アフリカには現在、TOYOTAをはじめ世界中の車のメーカーが工場を設置している。 そこで生産される車両はアフリカのみならず世界中に輸出されているのだという。 この自国の産業を保護する為の貿易に関する規制が、安い海外の車の輸入を阻んでおり、結果的に国民が高い車を購入せざるを得なくなってしまっている。 私ははじめこの話を聞いたときは、正直なところ驚いた。 先入観念の賜物だったが、アフリカで車を生産しているということが私には想像も出来なかったのである。 アフリカで車が高い=車はインポートされてくるものだから と勝手に思い込んでいたのである。 この勝手な考えが大きな間違いだったということに気付き、改めて見てみると色々気付く事があった。 まず、南アフリカで言うと自国の生産ラインナップはベンツやBMWなどが非常に多い。 実際に街を見ると、ベンツやBMWが非常に多く走行してもいる。 そして、これもあとで知ったのだがこの国では右ハンドル以外は禁止されている。 たまに見かけるフェラーリもポルシェもすべてが右ハンドルである。 これは日本からくるとそれ程の異様さを感じないかもしれないが、アメリカから来てこの景色を眺めるとやはりちょっとおかしな感じがする。 左ハンドルの車は最初から輸入出来ない国なのだから、左ハンドルをメインにして車を生産しているメーカーは右ハンドル専用の工場を作るしかないわけである。 結果、この国には自動車生産工場が非常に多くなってしまったようである。 右ハンドルのルーツについては、元々この地域がイギリスの植民地であった事が大きく影響している。 イギリスは左側通行の右ハンドルであるのは皆さんもご存知だと思うが、日本も元々交通事情についてはイギリスをお手本にしている。 オーストラリアでもそうだし、存外世界には右ハンドルの地域も多い。 しかし、左ハンドルを規制している国というのはなかなかお目にかからない気もする。 この国では実際に街の車屋では、左ハンドルは一切売られていない。 こういう事情がこの国の車事情を複雑にし、マフィアやギャング組織の資金源となってしまっているのだ。 つまり、車を盗めば大金が手に入るのである。 それも日本の感覚ではなく、相当な大金である。 毎日、そのために車を奪われ命さえも奪われている人たちも大勢いる。 物の値段というのは、本当に難しい問題だと痛感させられる。 よろしかったらClickにご協力ください お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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