テーマ:暮らしを楽しむ(388340)
カテゴリ:子供の成長
さて、「怖い話」第二話をお話しする前に、お話の前提としてその環境について先に触れておきます。
母方の田舎の昔の様子は、周囲を田んぼに囲まれた本格的な田舎ですから、隣の家といっても田んぼを隔ててかなり向こうにあるわけでして、バスに乗るにも3キロくらい田んぼの中のあぜ道を少し大きくした程度の田舎道を通っていくようなところです。 (その当時) 私も子供の頃、夏休みに2週間ほど母方の田舎に預けられた時など、そのあぜ道を通ってバス停のある道まで行くのにちょっとした怖さを感じていました。 それというのも、四角い田んぼを避けるようにかぎ状に折れ曲がりながら進んでいく道で、両側には小さな用水路が流れ、草も伸び放題の小道だったからでした。 草陰から何かが襲い掛かってくるのではないかという漠然とした恐怖感です。 歩き始めて5分もすると回りは田んぼだらけで、民家が見えないところが暫く続きます。 話の舞台はその小道沿いの、「とある場所」です。 近所のおじいちゃんが話してくれたという、その話を叔母さんが話し始めます。 昔、どこの家にも農作業用の牛を飼っていた頃のこと、 五助じいさんが牛に荷車を引かせて、いつものようにその小道をとおって10キロほどはなれた知人のところで用を済ませての帰り道。 もう夕方から夜へとかわり、周囲もすっかり暗くなっていました。 五助じいさんが、ゆっくりとした歩調の牛の歩みに多少いらつきながらも暗い夜道を灯篭もつけずに荷車に乗って家路を急いでいます。 周囲は、たまに田んぼで鳴く蛙の声がする程度で、牛のひずめの音と荷車の多少いびつになった車輪が、でこぼことした硬い地面を踏む音が聞こえるだけです。 道の両側が少し小高く盛り土をした所に差しかかると、 急にそれまで荷車を引いていた牛の足がぴたりと止まって動かなくなります。 五助じいさんは牛に鞭打ちますが、いっこうに動く気配はありません。 そうこうしているうちに、今度は、五助じいさん自身の体までが、まるで金縛りにでもかかったかのように身動きできなくなってきました。 しかも、身動きのできない自分の背後に、言葉では言い表せないような薄気味悪い『気配』を感じるのです。 暗闇にいて、薄気味悪い気配がするときは、どんなものを見てもその形が恐ろしいものに感じられるのは誰もが体験したことがあるはずです。 五助じいさんも今まさにその状況です。 声を上げようにも声どころか口さえも開けない。 背後の『気配』は次第に強まるような感覚が襲ってきますが、振り返ることなどできません。 体中から脂汗が流れ出します。 ひょっとしたら・・・・ と何かを感じた五助じいさんは、心の中でお経を唱え始めます。 お経を唱えながらも背後の『気配』は益々強くなり、同時に恐怖心も波のように高まって襲ってきます。 もうこれまでかと思ったその瞬間、急に体が動くようになり、牛も再び荷車を引き始めました。 五助じいさんは、荷車から飛び降り、牛と荷車を残して一目散に家に駆けもどります。 話はこれで終わりです。 ただ・・・・・この話が本当に怖いのは・・・・そこを通ったことのある人だけです。 その小道の両側の土盛にあるものが、朽ち果てたような古い墓場だということを知っている人だけです。 ブログ仲間のワンクリックに感謝! お寄りいただきありがとうございます。 貴重なワンクリックに更なる感謝。 クリックするだけで、無料で募金ができます。 クリック募金とは、クリック募金サイト上の募金ボタンをクリックするだけで、無料で募金ができる仕組みです。 あなたに代わって、スポンサー企業が寄付をするのであなたには一切お金がかかりません。 左のオレンジ色のバナーをクリックしてその先に表示される案内に従って、クリックを頂けましたら幸いです。 こんな形で誰かの命が救われて笑顔が見れたら素敵なことですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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