テーマ:ささやかな幸せ(6736)
カテゴリ:心の持ちよう
もうひとつ、うれしいことがありました。
日曜日にお父さんと体験に来てくれて昨日早速入塾してくれ、今日が2日目(実際には3日目)を迎える中3の男の子。 今まで塾にも行っていたけれど、成績は低空飛行を続けてきたということをお父様から聞きましたが、実は昨日、幸い、私もお父様も男同志でもありますので、二人でしばらくお話をしてお父様の子供たちに対する思いなどもじっくりと聴かせていただきました。 いつも母親の愛情について感じることをお話してきましたが、お父様の子供に対する気持ちもまたとてもよく理解できるのです。 もちろん私も男であり父親でもありますからなおさらですが。 事情があって、子供のころ母親の愛情をあまり受けることなく育ってきたので、そうした面が息子さんの社会性や物事に対する取り組み方、夢というものを持っていないように感じる面がお父様からみてあるとのことでした。 確かに体験に来た初日の初顔合わせの時には、少し内にこもるような面があるのかもしれないと感じる部分もありましたが、 私は、彼に対して、3時間どっぷりと全力で心をこめて、一つの科目の試験範囲をすべて伝えました。 そして、おそらく15回から20回は繰り返して繰り返して何度も重ね塗りをするように声を出し体を使い、マーカーで書き込み、教科書が真っ黒になるまで『一緒に取り組みました』 つまり、教えるなどではなくて、 一緒に私も彼と同じ回数声に出し、彼と同じ回数書き込み、彼と同じ回数繰り返しました。 『一緒に走った』といった方がいいかもしれません。 彼は、頭が悪いのではないのです。 『全力で取り組むというのがどんなことなのか』を知らなかっただけです。 1回だけ目を通したら勉強したと思い込んでいただけです。 彼に言いました。 『今取り組んだことは、すべて自分自身でやったことで、その結果がこの書き込みでまっ黒になった教科書であり、繰り返し繰り返し今この場で覚えようと努力した結果が、たぶん今、これまで感じたことのない手応えとして自分の中で感じ始めている『何か』だと思うよ』 『今、何か感じるでしょう』・・・それが一生懸命にやった人の感じる「喜び」というもの。 『自分を大事にしようよ!!』 『自分に全力で頑張った後の嬉しい気持ちをもっと味あわせてあげようよ!!』 そして、今日も、丸々2時間、彼は黙々と勉強しました。 おそらく、今までは30分も集中して勉強できなかったであろう彼が。 そして、帰り際に言った彼の言葉が私の心を熱くさせてくれました。 『先生、明日何時までこの塾あいていますか?』 『夜10時過ぎまで開けているけど・・・』 『そうですか。じゃ、明日、今通っている塾が終わってからここにきて勉強してもいいですか?』 (彼は、今月いっぱいは、今の塾と掛け持ちなのです) 『もちろん、大歓迎に決まっているよ!!』『おいで、おいで、待ってるから!!』 『やる気が出てきたんだったら、夜中まででも付き合うよ!!』 『じゃ、明日きますからお願いします!』 どうやら、彼は、今まで感じたことのない自分自身に対する『期待感』を持ち始めたようです。 それが嬉しくて、彼の帰った直後に、お父様にそのことをメールでお知らせしました。 お父様の返信メールには、こう書かれていました。 『お世話になります。メール有難う御座います。『息子の意識が変わってきた』との言葉、親として嬉しいです。 これからが本人の努力だと思いますので、サポートを宜しくお願いします。』 私には、このメールの文面の後ろにあるお父様の嬉しい気持ちがよくわかりました。 息子さんが私を信頼してくれたのは、私が裸になって一緒に汗を流し一緒に走ったからだろうと思います。 もし、『勉強とはこんな風にするものだ』のような杓子定規なことを言っていたら、彼のこうした変化をみることもできなかっただろうと思うのです。 『夢を持っていない』とお父様のおっしゃっていたこの少年が、『先生、僕の夢はね・・・』と語ってくれるようになるまで、私も一緒に走っていく覚悟をしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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