◆災害とパニック状態◆
アメリカ南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」の被害は日本の台風災害の規模では考えられないような深刻な状況のようです。直接間接の死者が数千人とも言われ、避難民も100万人にも上っているというだけでもその凄まじさを思い知らされますが、気になるのが治安の悪化です。特に被害の激しかったニューオリンズ周辺では、暴動や略奪が各地で多発しており、警察や州兵を動員しても追いつかない状況だと報じられています。救援物資を搬送にきたヘリコプターにもパニック状況の民衆が殺到して、危険を回避するためやむなく着陸せずに空中から物資を投下することしかできなかったようすも写真つきで報じられています。ミシシッピー川に猛烈な台風による雨水が集中して、町全体を飲み込むような大洪水を起こしたことが被害を大きくした原因のひとつだと思いますが、世界の警察といわれるアメリカですら、国内の天災で暴徒と化した民衆を抑えることができないという実態です。警察官の一部の人までが略奪行為に加わっていたとすら言われています。日本でもこのところ集中して各地で大規模な地震が発生していますし、元々予想されていた東海地方や関東地方での可能性が日々高まっているともいえます。阪神大震災や新潟中越地震など大規模な大災害の際にも若干の空き巣行為などはあったとは思いますが、暴動を起こしたり、集団で略奪行為をするようなことはなかったはずです。その根底には、歴史的に積み重ねてきた日本人的な道徳心がきっとあるはずですし、攻撃的な行動よりは協調して助け合おうとする農耕民族ならではのいい面が出ているのかもしれません。一方で、大災害の最中に冷静でいることはむしろ困難なのであって、誰もが慌ておののくのが普通だと思います。 そのときに今回アメリカで起こったように暴徒化してしまう背景を考えると、アメリカが多民族国家で、しかも人種的偏見なども社会の中には依然として深く根づいていることや貧しさに日頃から苦しんでいる層の不満などが,こうした異常な事態のときに一気に爆発するのではないかと思います。その際の暴徒の心理とすれば、「地域社会と自分は関係ない」、「他人の権利を侵してでも自分が生き残ることが先決」など地域社会で自分が生かされているのではなく、地域社会に対する不平不満が日頃からあって、それが異常事態のなかで一気に噴出したのでしょう。個人と社会の関係が希薄になればなるほど、社会に対する責任感や道徳心が薄れてくることになり、それが原因で社会全体に歪みが生まれるのかもしれません。日頃から人との関わりをいい状態に保ち、地域社会に対する責任感を無意識のうちに心の片隅に持っている状態こそ、いざというときにでも無責任な行動をしないだけでなく、助け合う心が社会全体の復興を早めると思います。アメリカで起こったハリケーンのニュースを見ながらそんなことを感じました。 ブログ仲間のワンクリックに感謝! お寄りいただきありがとうございます。 貴重なワンクリックに更なる感謝。クリックするだけで、無料で募金ができます。クリック募金とは、クリック募金サイト上の募金ボタンをクリックするだけで、無料で募金ができる仕組みです。 あなたに代わって、スポンサー企業が寄付をするのであなたには一切お金がかかりません。 左のオレンジ色のバナーをクリックしてその先に表示される案内に従って、クリックを頂けましたら幸いです。 こんな形で誰かの命が救われて笑顔が見れたら素敵なことですね。