日本の法律には、低年齢はあっても上限はない。つまりは80歳だろうと100歳だろうと決めごとには遵守の義務がある。
確定申告ができないと80代の母親から泣きが入ったのは、2月も終わりの頃。時期的に税理士に頼むには遅すぎた。
例によってあーすればいいこうすればいいと言うだけ言うが自分では一切動かない父親と、50年も裏方を務めた母親の構図。で、母親の体力も落ち目も悪くなりGive Upらしい。
なにせ夫婦そろってパソコンもスマホも使えない。
これこそ10年以上も前から勧めてきたが、頑なに取り入れなかった。「自分達にはできない」と。母親は昔から石橋をたたいて渡らない人だったが、年を取りそれに拍車がかかった。メールが怖い、知らない人に騙される、機械が壊れると、ザ・ネガティブ。新聞ばかり読んできたツケだと思う。
これまた弟が尽力したが、結局勧めるだけ時間の無駄との結論になった。
そんな状況だから、マイナンバーカードを持っているわけもない。それさえあれば自分がPCを持ち込んでネット申請でもいけたんだけどなぁ。紙か...。
弟はそっち方面は強くないので、自分が手伝うこととした。が、紙は初めて。他の人のも初めてだ。
そんな高齢者の確定申告が漏れたところで、いちいち税務署から指摘来ないでしょう?医療費はあきらめれば?とも思ったが、ザ・ビビリの母は申告しないことが怖くて仕方ないらしい。会話が聞こえていない父親は全く無反応。
しかし。
母親は働いていない、父親も仕事はしていないが教えに行く武道も謝金レベル、株はあるが売買はない、アパート経営しているわけでもない。そんな齢90前の夫婦に一体なぜ確定申告が必要なのか。どこで儲けているのか。ちなみに難解で複雑な確定申告条件は以下。
国税庁の確定申告HP
詳しくは書かないが、母親から初めて収入の一端を聞いた。家に住むだけで年間ン十万円を生む不労収入のからくりも。しかもそれが40年も前から続いており、不動産扱いだったということも。
それや謝金等を合計すると規定額を超えるのか。いずれにせよ年金に頼らずその収入、立派ですよ。
1日がかりで電卓片手に領収書片手に、紙の確定申告用紙に記載をしていった。これは読むだけで大変で、文字も細かく全く高齢者向きではない。こんなの日本中がやっているのか。初めてでシステム理解自体が難しかった。
これが3月のこと。
もう自分だけでは確定申告できないからマイナンバーカード申請はすると言ってはいたが、はたしてどうだか。マイナンバーカードを口座に紐づけるからすべての財産が覗かれてしまうと危惧していたし。説得に納得したのかどうか。昨今の誤動作や個人情報漏洩の報道を見てたらやらないだろうな。
いずれにせよ不労収入がある以上、確定申告はずっと続くのだ。