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テーマ:おすすめ映画(4052)
カテゴリ:尾道:ロケ地巡礼など
今となっては台詞とか振る舞いに脚本上の古さを否めないが、 登場人物に共感できるという点で、他の大林映画とは一線を画す。 (↑写真は転校生で使われたワッフル店かつ観光名所のコモン) 最近、市川崑監督によって「犬神家~」がセルフリメイクされた。 そして今度は名作「転校生」が 大林宣彦監督自身の手によってリメイクされるとのこと。 長野市を舞台に主演は蓮仏美沙子と森田直幸(共に15歳)。 これも、これも有りなのか? 「HOUSE」とかならともかく「転校生」は大林監督の代表作。 そして、たぶん最高傑作なのに・・・。 まるで、四半世紀を経てなお、 あの「転校生」を超えることは出来ませんでしたと、 自らギブアップ宣言するようなものではありませんか? もしかしたら 「転校生」より優れた脚本に出逢えなかっただけなのかもしれない。 確かに「転校生」をイマ風の脚本に書き換えたなら、 よりハジケた笑いで現代的作品に仕上がると思う。 しかし大林監督に、現代性が求められているだろうか? ちょっとカルトな青春ノスタルジーに乗せ描写される笑いと愛。 日常的シーンに醸し出される風情、BGM選曲の妙。 それらが持ち味だと思う。 だからと言って「単なる焼き直し」では作る意味がない。 同じリメイクするなら、 本広克行によるサマータイムマシン・ブルースのノリか、 宮藤官九郎脚本・堤幸彦監督あたりで作って欲しい。 「転校生」の場合、題材そのものが良いのだ。 大林監督はフィルムコミッションにノせられやすい渡り鳥。 というイメージが私的に固まりつつある(笑) しかし、それも有りかぁ・・・、 需要がなければそもそも有り得ないのだから。 大林宣彦監督は近年、 大和のロケセットをめぐり尾道行政を非難していたが、 結局、ロケセット公開は観光的に大成功を収めたらしい。 それもまた「需要に応える」という、 単純かつ有益な行政サービスに過ぎなかったのだ。 エンターテインメントは需要なしに有り得ない。 そして今、監督は自身を 「旧作との比較という批判的視点」の前に置く道を選んだ。 それを挑戦と捉えることは可能だが、 需要の度合いに対して見合わないリスクではないのか? ただでさえ監督という職業は批判され放題なわけで・・・。 「あなたは大林監督が転校生をリメイクしたら観ますか?」 というリサーチは行われたのだろうか? もちろん「転校生のリメイク」だからこそ 今、話題になってるわけだが(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.01.09 14:18:51
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