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カテゴリ:母子家庭問題
今日は、東京都庁へ親子で出かけていきました。15年前に、息子に書いた私の手紙を受け取りに行くためです。参加希望のはがきを出したら、当たってしまったのでした。当選者には7月下旬にお知らせします、ってありましたが私に連絡が来たのは8月半ばだったので、ひょっとしたらどなたか辞退されたのかもしれません。
「タイムカプセル開ける会に当たったけど一緒に行く?」と息子に聞いたら、最初息子は「いや、遠慮しとく。」と答えたので、私が「なんで?」と聞いたら息子は「別に。」としか言いませんでした。 でも、息子はその後少しして「やっぱり行くよ、タイムカプセル。」というので、私がまた「なんで?」と聞いたら、やっぱり息子は「別に。」としか言わないのでした。 今日のカプセル明けは、小池都知事がリオにいてお留守なので、お話も代読で行われました。なんでも1560通くらいの手紙が預けられていたそうです。意外に少ないと思いましたが、それもそのはず、手紙を受け付けたのが2001年6月から12月までだったのだそうです。そんなに短い期間だったのですねー。息子は2001年10月生まれだったので、病院だったか区役所だったかでチラシを目にしたのでした。それで息子が寝ている横で手紙を書いたわけです。 今日の参加者は270組の親子でした。みんなそれぞれに何となくぎこちない様子で会場入りしているのが自分も含めて照れくさい気がしました。 手紙は係りの方が手渡しで持ってきてくれました。1560人中、303番でしたから私は結構早い方で提出したようです。便箋3枚に、一生懸命息子に書き連ねていました。 この手紙を書いたころ、元夫の子供への様子に疑問を感じていたのでした。出産のときから、ずいぶん冷たい人だと思っていましたが、子供にもほとんど触ろうとしない様子が理解できなかったのです。今後の家族としての見通しが必ずしも明るくないのを私は感じていたのでした。 もちろん、子供への手紙にはそんなことは全く書いていません。「他人から与えられるゲームのようなものではなくて、自分で楽しいことを作りだせるようになってほしい」とか「楽しいことやうれしいことを友達や家族で共有できているとしたら良い人生を送っているってことだと思います」とか書いていました。「一緒にスポーツもやりたい」とか「音楽を一緒にやりたいというのがお母さんの一番の夢」とかも書いていました。ずいぶん欲張った手紙です。 でもまあ、当たらずとも遠からず、そこそこの線を行っているように思います。 でも、やっぱり当時の私は、過酷なその先の人生を無意識に予感していたようです。息子への手紙の中には「これから悲しいことや苦しいことはたくさんあると思います。でも、たくさんある悲しいことや苦しいことの隙間から楽しいことや嬉しいことを見つけ出していってください。」とありました。 まるで、自分あてに書いた手紙のようでした。思わず「うん、そうだね。悲しいことや苦しいことの隙間からちょこっと見えるからとっても楽しくて嬉しいんだよね。」と頷いて涙ぐんでしまいました。 どの親子も涙ぐみながら、でもみんな笑っていました。 この手紙を書いた時から見れば、今の生活は全く変わってしまっています。でも、手紙の意味は全く自然に伝わってくるのがなんだか不思議に思いました。東京にある広い敷地の大きなおうちに悲しい気持ちで住んでいるよりは、小さなボロ家にのびのび住んでいた方がずっと幸せだと改めて思いました。でも、この手紙読むのが今でよかったです。司法試験の受験中だったらどう思ったでしょうか。無茶な挑戦を試みてしまった自分を責めていたような気がします。 この企画には「写真を1枚入れてください」とありました。「この手紙を読むころは、きっと一人で大きくなったような顔をしているでしょうから」と予想した当時の私は、「いつもウンチをしたときにする顔です」という息子の写真を1枚入れておいたのでした。息子は複雑な表情をしながら眺めていたようでした。息子は手紙について何も言わず、でも、自分が最初に読んでその後私が読んだあと、自分のバッグにしまい込みました。 このイベントの現委員長の川口三郎さんも、代表者の手紙の朗読を聞いてボロボロ泣いて感動していらっしゃいました。今度、東京オリンピックの年にも同じような企画をしたいとも言っておられました。 子育ての初心に帰ることは、自分にとって大切なことだと初めて感じました。息子と一緒に行けて本当に良かったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年09月19日 21時12分40秒
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