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カテゴリ:若い世代の幸せのために
工学博士で発明家の藤村靖之先生のお話を去年初めて聞いて猛烈な衝撃を受けたのでした。これは絶対に非電化工房に行かなくちゃ!と思ってこの夏計画したのですが,熱中症になってしまい体調の様子をみていたので予定が狂ってしまっています。非電化工房は,私が登山で行った三斗小屋温泉に近い場所にあるようで,できれば温泉まで登っていきたいものだと思うのですが,今の私の脚力では無茶だと思います。でも,非電化工房まで行ってしまったら絶対に山に登りたくなると思うので,今からトレーニングをすることにしました。その話はまた後で書きます(そう言って書かないことがこれまで何回あったことか)。
藤村先生のお話や本の最初にはアインシュタインが言ったという「ある問題を引き起こしたマインドセット(心の枠組み)のままでその問題を解決することはできない」という言葉が出てきます。分かりやすそうでいて,実は実感するのが難しい言葉だと思います。自分が従来のマインドセットに埋没してしまっているので,問題のマインドセットになっているのだという実感がないからです。自分がどんな思い込みの前提に取り巻かれているのかわからないのです。多分,私自身今でも完全にはわかっていないだろうとも思います。 ガソリン車が問題といえば電気自動車でとか,石油火力発電が問題なら太陽光発電でとか,プラスチックが問題なら生分解性プラスチックで…というのがマインドセットにハマった考え方の一例のようです。こういう時は,車を使わない方法はないか,電気を使わない方法はないか,プラスチックを使わない方法はないか,とするのが違うマインドセットだということです。 私の子どものころから見れば,なんでも電動化する方向に生活が変化してきました。学校の家庭科では足踏み式ミシンを使っていましたが,家では電動ミシンを足で踏んでばあちゃんが洋裁をしていましたし,さらに今ではポータブルミシンとなって場所は取らなくなりましたが,どこかにしまい込まれてミシン自体使われることがなくなってしまいました。服を自分で作ることがなくなってしまったこともありますが,電動化によって機械の便利さを逆に葬ってしまったというような現象も起こっているということも藤村先生の本に書いてありました。今思えば,電気を使わずにミシンが動かせる足踏み式ミシンってすごい機械だったことがわかります。それで,「そうか,時代を少し逆にすれば良いのか」みたいに思ったのですが少し考えると「そんなの無理だよ。不便だし,国の大手家電メーカーが迷惑するよ。」と思って思考が止まってしまうのでした。 でも,ハタと思ったのです。「電気製品といったって,動かす仕組みに電力を使っているというだけのことで,この電力で動かしている部分を別の動力でやれれば良いだけじゃないの?そこをクリアすれば,家電メーカーの製品の部分は活かせるんじゃないの?」 いや,おそらくその業界から見ればそれが大事で,いろいろな動力の中で電気を使って動かすのが一番効率が良いのでしょうし,バカ言ってるんじゃないと怒られるかもしれないけど,人類の存続に関わるならばそうバカにした考えでもないんじゃないかなあ,と思ったわけです。 意味がよく伝わらないと思いますが,家電メーカーでも,今の技術者の方々が真剣に作ったらとても良い非電化製品ができるんじゃないかと思ったのです。大きなものは難しいと思いますが,小さい家電なら非電化に転換できるのではないかと。そうなれば,みんなきっと買うと思うのです。エコのために。非電化が電気関連の業種に対立するものではなくて,電気製品を省エネで作る努力もしつつ,非電化製品も並べてみればそれなりに売れると思います。私は事務所でコーヒーを入れるときは電動ミルのついたコーヒーメーカーで淹れますが,自宅では手回しのミルで挽いてペーパードリップで淹れるように,その場で使い分けをしています。電気製品は,「電気で動くかどうか」が重要なんじゃなくて,「動いた結果何をしてくれるか」が重要なのだから,「動いた結果何をしてくれるか」の部分を使って,電気を使わない動かす仕組みを取り入れたら結構面白いんじゃないか,技術者の方はどう考えるだろう,とか思います。電気を使うことが後ろめたいことになっているのであれば,少しでも違うマインドセットで製品を作ってみればそれはそれで共感を得られるのではないかと思います。 非電化は面白そうです。藤村靖之先生の本,おすすめです。「エコライフ&スローライフのための愉しい非電化(洋泉社)」,「地球の冷やし方 ぼくたちに愉しくできること(晶文社)」ほかにもあります。 アインシュタインの言葉は政治にも言えますね。同じマインドセットのままでは解決できないのですよ。今問題になっている国政の世界ではマインドセットの変え方を知らないように見えますし,変えるつもりもなさそうです。表面だけ変えて見せればそのうち国民は忘れると思っているようです。 でも,おそらくこれまでとは違いますよ。これからは生活や環境が日々悪化していくのです。気候だけではなくて各種行政サービスしかり,民営のサービスもしかり,税金しかり,国債しかり「どうしてこうなったのか。」「何が悪かったのか」と誰もが思うのではないでしょうか。だとしたら,その問いに対するそれぞれの解答を繰り返し続けることになりますよね。大きなことが起こった時にどんな感情がどこに向かうのか予想がつくようなつかないような。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年08月24日 15時36分16秒
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