どたばた中国日記2大塚の夜
成田で会ったお客さんは、怒っているのだけどオカマ口調なので平気だ。お袋に叱られなれている僕は、なぜか女性の怒りには免疫がある。成田の駐車場で箱詰め。そして、最後に気にいってくれたのか、コーヒーをおごってもらう。しかしいかんせん作業が長引いた。都内に行くともう十時くらいになる。妹に電話するが出ない。税関で予想以上の税金(全商品値段の1.04倍)を取られ、懐もさみしい青春18切符を売っているチケットショップもしまっている。出発前に、友人のT君には電話してあったのだが、遅くなりすぎた。しょうがない野宿かと思い,なぜか高田の馬場にいく。帰巣本能なのか、最近東京に来ると、馬場に足が向く。大隈講堂の前で座ってりゃ5時になる。と思ったが、馬場についたとたんT君に電話。T君の家がある大塚で落ち合う。こんな時間に甘えていると思ったが、会うと高揚感が溢れる。そして居酒屋でひとしきり話した後、カラオケに行く。様々な曲を歌うが、T君お気に入りの「バニーマニロウ」の「コパカバーナ」を歌う。T君は僕がこの歌を歌う時、ラメ入りのジャンプスーツを着た僕が浮かぶそうだ。「そよ風の誘惑」「ハイウエィスター」と次々と歌う。最後にT君は「翳りゆく部屋」を歌ってくれた。40近い男がユーミンを歌う姿は想像できないだろうが、これが泣ける。しかもこの頃のユーミンの詩はとてもいい。ちょっと詩を書くと「どんな運命か 愛を遠ざけたの」「輝きは戻らない 私が 今死んでも」とこんな感じだ。荒井由美時代の曲は一つ一つが宝玉の如き輝きを持っている。そんなこんなで4時間、朝帰りは久々だ。T君が道中にと、コンビニで買った。パンとジュースを手に持たせる。僕はありがたさやら、恥ずかしさやらなにやらで泣きそうになった。僕らに輝きは戻ったのだろうか