カテゴリ:思い出
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人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 田中角栄さんの物まねが生んだ事件(下) さて……、ややあって……、 私が女将からビールをついで貰い、お茶漬けの注文を する頃には、向こうの集団は元の話に戻っていました。 「自信を持って下さい」 「絶対に大丈夫です」 という意味の事を、重なるように課長さんたちが発しています。 ……と、突然です。 全く突然の事でした。 「角さん、私は製鉄所長になれますか?」と、 その部長さんが、私に振ってきたのです。 どうも、その話で盛り上がっていたようです。 協力企業も合わせると8万人になろうかという製鉄会社の 所長さんに出世できるかどうかの話だったんですね。 陽気な雰囲気も手伝って……、 『事件』を起こしてしまった私の答え。(;一_一) 「まぁーーーこのーーー」 この力強い言葉で……ざわつきが収まります。 「ちょっと無理だね!(一_一)」 ジョークですよ。 将来を約束されている優秀な部長さんですから、 全くのジョークで盛り上げようとしたんです。 「角さんもこの件ばかりは当てにならんな――」と、 周りの課長さんたちが、ざわめくのを期待していました。 と、ところが、 しーーーーーん。(;一_一) 空気が凍り付いたんです。 「えっ? 冗談ですよ」……腹の中でつぶやきましたが、 後の祭りです。 中核の課長さんが「何て事を……」という顔で睨んでいます。 「角さん、どうして私は所長になれないんでしょう?」 彼の部長さんが笑いながら問うてきました。 穏やかな表情です。 もう、頭はフル回転です。 女将も心配そうに私を見ています。 「まっ、一杯呑みなさい」と、ビールをついで、 間を作ってもくれました。 グッと飲み干して……、 「まぁーそのーーー、男の嫉妬ほど恐ろしいものはない!!」 「えっ?角さん、どういうことでしょう?」 「過ぎたるは及ばざるが如し!!」 「えっ?」 「顔が良すぎる!!!!上司たちが嫉妬する!! 男の嫉妬ほど恐ろしいものはない!!」 「!!! (゜_゜) !!」 「その欠点をどう補うかが、勝負なんですよ。 ねっ、そうでしょう!! ははははっ……」 言い放ちました。 「ははははっ、角栄さん美男子を欠点というか……」 一人の課長が、大声で言って笑いだしました。 次の瞬間、その部長さんが席を立って、 私の所に来て、握手を求めてきました。 「いゃー、大切な指摘をありがとうございます。角栄さん」 しっかりと手を握られました。 本気でした。 ほっとしました。(-。-) 「はーーーい、呑みなおすよーーー」女将が叫んで、 又、元の喧騒に戻りました。 危なかった……。(^_^;) 相手は、大変な地位の方です。 何とか切り抜けた時に自分が半分角栄さんになっているのに、 気付きました。それで恐怖心が無かったのです……。 この成り切る姿勢で「角栄さん」「角栄さん」と 言われ続けた歴史があります。(^。^) 角栄さん、全盛の頃の話です。 因みに、この夜の支払いは部長がしてくれました。 ……蛇足ですが、この方は結果的に所長になられませんでした。 後日、女将がしみじみと言っていました。 「あんな良い人には出会ったことがないね。 美男子だったし……好きだったなぁ。 …………でも、ホントの大物は自分の人事の話は、 人前で絶対にしないもんね……(^_^;)」 <完> 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 写真の一部はネットから拝借しました。 =========================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 14年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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