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カテゴリ:『CRONOUS』 ~黙示録~
『CRONOUS』 ~黙示録~
第2話 『-禁酒令-』 僕たちが次の担当ギルドに警戒任務を引き継いでアジトに戻った時 すでに昼過ぎになっていた ソファーに座った瞬間…溜まった疲れが一気に襲い掛かってくる 「う、うわぁぁぁぁぁあ…こ、このソファー…安物のくせに魂を吸いやがる…もう立ち上がれない自信100%…」 任務明けのトゥイージーのそんなうめき声がリビングに響く 「フンッ!フンッ!フンッ!フンッ!…」 かと思えば…リビングの片隅ではそんな荒い鼻息を立ててバーベルを背負ったうほほいがスクワットを繰り返す 「う、うほちゃん…元気だねぇ…」 ソファーにのみ込まれる様に崩れて座るトゥイージーが苦笑いでツッコミを入れると 「疲れた時こそ…フンッ!…ストレッチで…フンッ!…クール…ダウンを…フンッ!」 うほほいはスクワットを止める事無くそう答えた 「そ、それってストレッチ…って言わない気が…それに…クールダウンになってないと…」 思わず僕はそうツッコミを入れると 近くにいたカラーさんが僕の肩に手を置いて首を横に振った 僕は苦笑いでうなずいて返事を返す その時… 「あぁぁぁぁぁ…頭いてぇ…み、水ください…」 そう言って寝室から苦悶の表情を浮かべた白魔童がリビングへと降りてきた するとその声を聞いたトゥイージーがピクッと反応する そしてそれを見た全員がわざとらしくまるで何かやるべき事を思い出したかのようなリアクションをしてその場を離れる 「あ…孫さんアリガト…」 孫から水を受け取った白魔童は一気にそれを飲み干して口元を腕で拭う 「なぁ…白さん…何か言う事はないか?」 殺気の篭ったそんなトゥイジーの言葉がうほさんのスクワットをする鼻息だけが聞こえる静まり返ったリビングに響く 「うん?・・・・・・あぁ…おはよう!w」 白魔童は少し考えたのちにそんな挨拶をトゥイージーに返した おそらくその場にいた全員がトゥイージーの中の何かの切れる音を聞いたのだろう キッチンから様子を伺っていた八咫は手を顔に当ててうつむき 歯ブラシを咥えていたカラーはやれやれと言ったジェスチャーをして指で耳栓をする 1人、また1人とその場から退避していく…そして次の瞬間 「おはよう…じゃないわぁぁぁぁ!!」 まるで落雷のような辺りを劈くトゥイージーの怒鳴り声 もしもコレが安っぽい三流のマンガかアニメならば きっとこのアジトは振るえ…そして伸び縮みをして飛び跳ねていたに違いない それほどの怒鳴り声だった 「ど、どうしたのぉ?えらくご機嫌斜めなのね…今日は…」 両耳を抑えた白魔童が苦笑いでそんな言葉を返す それがトゥイージーの燃え上がった怒りに油をさしてしまい それはそれは恐ろしい形相となり爆発した怒りは言葉にならずただ口をパクパクさせた すかさず孫が水を持って駆け寄りまぁまぁといった表情でなだめる 「はぁ…はぁ…スマン取り乱してしまった…」 渡された水を飲み干したトゥイージーがそう言って孫に頭を下げる そして一呼吸置いたのちに 「白さん…昨日、何を言ったか覚えてる?」 トゥイージーは白魔童にそう質問した 白魔童は腕組みをして真剣に考え悩む その姿を見たトゥイージーが力なくうなだれる そして…昨日あった事を白魔童に話す 「へ?…マヂで?…………またまたぁ…冗談がきついなぁ…あはははは…あはっ…あは…あははは…冗談じゃぁなさそう…ねぇ…」 冗談であってほしい…そんな願いがあっての言葉だろうが それに対して変わらないトゥイージーの表情から冗談ではない事を悟った白魔童の表情から血の気が引く 「幸い今回はあの場に居た身内以外には聞かれてなかったから良い物の…もしも聞かれてたら大問題な事件だ…という事でとりあえず…一か月禁酒ね」 トゥイージーの口から白魔童が最も恐れていた言葉が継げられた 白魔童は魂を抜かれたかのようにその場に崩れ落ちた そしてそんな悲壮感漂うリビングに 「フンッ!…フンッ!…フンッ!…フンッ!…」 スクワットをするうほほいの鼻息だけが無常に響く… …『To Be Continued♪』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 4, 2011 09:25:34 AM
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