113606 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

†あいな♪†

†あいな♪†

Freepage List

Category

Recent Posts

Comments

 †あいな†@ Re:Σ(゚Д゚;エーッ!(03/16) >白魔童さま♪ (´・ω・`)
 白魔童@ Σ(゚Д゚;エーッ! Σ(゚Д゚;エーッ! Σ(゚Д゚;エーッ! Σ(゚Д゚;エー…
 †あいな†@ Re:ヽ(-0-ヽ)Ξ(/-0-)/ えー(03/16) >マウん転さま♪ そうなんです… ゴメ…
 マウん転@ ヽ(-0-ヽ)Ξ(/-0-)/ えー ヽ(-0-ヽ)Ξ(/-0-)/ えー ヽ(-0-ヽ)Ξ(/…
 †あいな♪†@ Re:お帰りなさいませ(`・ω・´)(03/14) >ぜろさま♪ はい♪がんばりますぅ♪ ^^
November 4, 2011
XML
『CRONOUS』 ~黙示録~
第3話 『-アイナ-』


今日も僕はいつものようにこの街の片隅で執筆をしていた
あの日…そう、何の前触れもなく突如として僕たち冒険者が居住の中心としていたヒドゥンビレッジに復活したデュフォン…
想像をしていた強さを超えるその猛威に多くの人の命が失われた
今はこの時の戦いを「ビレッジレイド」と呼んでいる
僕は一命を取り留めたが…その戦いの最中で負傷し戦列を離れたため最後はどうだったのかは記憶にはない
確かめたいという気持ちがないわけではないが…今はまだそんな状況ではないと思い確かめる事無く今に至っている
確かな事は崩壊したヒドゥンビレッジは復興せずに新たにこの地に街を起こしたという事
そしてこの地を「はじまりの街」と命名して新たな一歩を踏み出した
引っ越しはほぼ終わったようで今でははるか昔からこの地に住んでいたような…
そんな感じがするほどなじんでいる
ヒドゥンビレッジはというとマエルの手によって封印され今では王の許可がないと立ち入る事が出来ない
いわゆる閉鎖地区となっている
けしてこの街に不満があるわけではないが
おそらく誰もがいつか平和を取り戻しあの街に帰る…きっとそう思っているだろう
僕もそんな日が1日も早く訪れる事を願っている

さて…今日はこれから八咫さんと一緒に粗材探しにカイヌゥスに出かける事になっているのだが
待ち合わせの時間からかれこれ30分ほど過ぎようとしていた
まぁ…取り留めて急いでいるわけでもないし
今はマエルに依頼すればほぼどこにでも一瞬で運んでもらえるので数時間など誤差のうちに入ってしまう
という事でさっき話したビレッジレイドの事を少し語りたいと…

「スミマセン…お待たせしました…ハァハァ」

そこに息を弾ませながら八咫が現れた…
という事で…ビレッジレイドについてはまたの機会にしたいと思う

「先ほどみかんを頂いたのですが…白いのがなかなか取れなくて…で気がついたらこんな時間に…」

八咫はそう言って何度も頭を下げる

「別に謝らなくても…待つのも結構好きだし」

僕はノートを閉じて笑顔でそう答えた
そして僕たちはマエルに転送してもらいカイヌゥスの麓にある集落へ着いた
この集落にはカイヌゥスの山に点在する遺跡の調査をする学者たちが多く住んでいた
故にそれら調査団を守護する仕事も多くそう言った依頼を受ければちょっとした収入になる
今日も着くと同時に声をかけられたが…目的があったため丁重に断った
準備が整い登頂を始めようとしたその時…

「あのぅ…お兄さんは冒険者さんですか?」

そんな声に振り返るとそこには7~8歳といった感じの少女が立っていた
僕が「どうしたものか…」と相談しようとした時にはすでに八咫は少女の前にしゃがみ込んでいた

「どうしたの?何かあった?」

優しい笑顔で八咫は女の子を覗き込んだ

「えっと…昨日ね秘密基地の近くで不思議な物を見つけたの」

少女のそんな言葉を聞いて八咫は首をかしげながら僕を見上げる
元々今日の素材探しは彼女がメインなので僕に断る理由はなかった

「秘密基地って?」

僕も八咫の横にしゃがみ込んで少女にそう質問する
すると少女は辺りを見回して手招きをする
僕と八咫が首をかしげ顔を見合わせていると
辺りから少女と同じくらいの年齢の子供たちが数人出てきた
子供たちから話を聞き総合していくと
この子たちはここら一帯を調査している学者達の子供らしい
で…大人たちにないしょでカイヌゥスの山に入り探険をしているという
何とも危険極まりない話だ…
そしてこの子たちが見つけた小さな洞穴でその不思議な物を見たらしい
僕と八咫はその場で協議を始める
子供たちの言う事だから大したものではないと思うが…
ここら一帯は太古の戦争で何が埋まっていてもおかしくはない
もしもそれがまかり間違って大変な物であれば…
僕たちは子供たちの話を信じて確認する事にした

「よかったぁ…お父さんやお母さんには基地の事や山に入ってる事は言えないし…冒険者さんは信じてくれないし…」

少女はそう言ってニコニコと笑う
そして僕と八咫は子供たちの案内で山に入って行った
子供の行動範囲だから…とかなりなめていたが
予想に反してかなり上まで歩く…すでに中腹付近まで上がってきただろう
それにしてもあの過敏な索敵能力を持つカラゴーンに見つからずに
よくぞここまで上がれるものだ…子供の好奇心恐るべし…
そんな事を思った時子供達の足が止まった
そして少女が指をさした方向を見ると崖の淵に小さな穴が口をあけている
僕と八咫は辺りを警戒しながらその穴に近づいた…
穴の入り口はかなり小さく八咫でも楽には入れそうもなく
僕に至っては確実に装備を外さないと入る事は困難と思われる…そんな大きさ
覗き込むと穴はかなり深くまで続いてる…そしてかすかではあるがぼんやりと奥が明るい
確かに奥には何かがあるようだ…子供が入って行って確認したのだから危険があるとも思えない
が、さすがに装備を外すとなると…そう思い僕はどうしたものかと八咫を見る
すると八咫は青ざめた半泣きの表情でムリムリと顔の前で手を振った
しかたなく僕が入る事にした
装備をすべて外したものの入り口はかなり狭くかなり苦難をして何とか浸入に成功する
入ってみると立てはしないが案外動くのに支障のない広さは保っているので八咫を招き入れ穴の奥へと進んだ
入り口からかすかに見えていた光は進むにつれて輝きを増している
ときおり飛び出している岩に体をぶつけつつ這いながら輝きを目指した
数百メートル進んだところでついに輝きの漏れる隙間の所に到達した
八咫と2人で隙間から中を覗きこむ
隙間の向こうには見える範囲に何もなく先に進めそうな通路もなかった

「ここで終わりかぁ…」

「みたいですね…」

僕は意を決して隙間へと体を滑り込ませる

「狭っ!!」

体のいたるところを岩肌に擦りながら徐々に中へと入る
入り口を通った時の倍は時間が掛かっただろう…それでも何とか中に入る事が出来た
そして僕がそこで見た物は…

「ま、繭?」

そんな僕の言葉を聞いて浸入しかけていた八咫が浸入をやめる
それはさっき覗き込んだ隙間の死角となる場所にあり光を放っていた
繭…確かにその表現は間違ってはいない
何かを包んでいるのであろうその薄い膜は天井や壁に枝を伸ばし固定されていた
しかもよく見るとその薄い膜の表面で魔方式が回転していて明らかに自然物ではないと判断される
さすがに自分1人では判断に困ったので嫌がる八咫の足を引っ張り無理やり中に引きずり込む

「え?…キレイ…」

それがその謎の眉のような物体を見た時に八咫が漏らした言葉である
確かに光を放つそれは虫などの繭とは違い神秘的なオーラを放っている

「ね…不思議でしょ?」

満面の笑みで少女が僕たちにそう言った
僕たちは無言でうなずく

「でね、でね…こうすると…」

少女はそう言ってその不思議な物体の表面に手を当てる
すると…手を触れた所を中心にして、まるで水面に波紋が広がるように一瞬中が見える

「え?…人?」

それを見た八咫がそうつぶやく
僕にもそう見えた…幻覚と思ったが八咫にも見えたという事はそうではないらしい
八咫と顔を見合わせうなずきあい2人でその物体に近づきそっと触れてみる
やはり少女が触れた時のように一瞬だが中が見える
服を着た女の子が何かを抱えて丸くなっている…僕にはそう見えた

「お、女の子だよね…たぶん」

八咫にも同じ物が見えたのだろう僕はうなずいて同意の返事をした
さあ…これは想像してたよりもはるかにデリケートな問題である
少なくとも…今この場で僕らがどうするかを判断できるレベルを超えた事柄…
どうしたものか思案しながら思わずもう一度その物体に手を触れた

(「うん?…今、何か聞こえたような…」)

今度は目を閉じて耳に集中して手を触れる…
確かに何か聞こえる…だが、とても聞き取るといったレベルではない
僕は恐る恐る物体に耳を当てる

「ど、どうしたの?」

八咫が心配そうに僕を覗き込む

「うん…何か聞こえるんだよね…」

「え?」

「ちょっと待って…」

僕は目を閉じてかすかに聞こえてくるその音に耳を澄ます

(……ア………イ…………ナ……)

かすかではあるが…そんな言葉を繰り返していた

「ア…イ…ナ……?」

僕が聞き取ったそんな言葉を口にした時
物体は今まで以上に輝きを放つ
僕と八咫は子供たちを守るように物体から離れる
物体はどんどんと輝きをまし…そしてついに輝きが弾け飛んだ
僕と八咫はあまりのまぶしさに手をかざす
輝きが治まり指の隙間から見えたのは物体のあった場所に座り込んでいる黒い服を着た女の子だった
驚愕の事実に僕と八咫は言葉すら出なかった
女の子はその場であくびをしながら大きく伸びをする
その瞬間…僕と八咫は我に返り改めて身構えた
もしも敵だとすれば…僕は1歩前に出てルゥの柄に手をかける
八咫に目で合図を送り子供たちを先に入ってきた隙間から外に出す
突如謎の物体から現れたその女の子はボーっとした顔で辺りを見回して僕に気が付く
僕の鼓動が頭を駆け巡る緊張のあまりのどが渇いて声すら出ない

「えっと…私はアイナと申します…起こして下さってありがとうございました」

女の子は僕にそう言って頭を下げた



…『To Be Continued♪』





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  December 6, 2011 11:59:22 PM
コメント(0) | コメントを書く
[『CRONOUS』 ~黙示録~] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X