テーマ:ペットの死(562)
カテゴリ:クリスと仔猫たち
昨日で、仔猫たちが産まれて1週間。
人間で言うならば「お七夜」となるのだろう。 (人間はお七夜に命名をするが、藍野家の仔猫たちにはフライングで仮名をつけてしまったが) しかし、同時に、昨日はステラの「初七日」でもあった。 母も、それなりにふっきれたつもりではいた。 この世で生きられない体を生まれもってしまったのだから、どうしようもない… わかっているつもりだった。 だが、やはり、ふとした瞬間に、ステラの死に責任を感じてしまう。 今日、母が人間のお医者様と話をする機会があった。 婦人科の先生でもある方なので、話をするうちに、どうしてもクリスの出産が脳裏をよぎってしまった。 思わず、「先生は人間のお医者さんなのに何ですけれど…」と、ステラの事情を話した。 「僕も、ありますよ。そういうお産に立ち会ったこと。人間のね」と、先生。 人間も含めたあらゆるどうぶつで、起こってしまうことなのだろう。それは、母もわかる。 しかし、やはり、いざそれが自分の目の前で起こってしまうと、どうしても割り切れない。 「どうして、こういうことって、起こってしまうんでしょう?」と、思わず聞いてしまう。 「これはね、神様のいたずら としか言いようがない」 たくさんの赤ちゃんを取り上げ、そして、少なくない人数の赤ちゃんの死産に立ち会った先生が、言った。 「もうね、人間の考えを超えたことなんですよ」 母も、ただ黙って聞くことしかできなかった。 確かに、どうすることもできなかった。 こうした体に生まれてきてしまったからには、生きることはできない。 これが自然の摂理なら、受け入れるしかない。 …これが自然の摂理なら。 ここまでの話を聞いてもなお、母にはどうしても疑問が残る。 本当に、ステラは「神様」の意思で、自然の摂理でこの体に産まれたのだろうか? それとも、「神様」は健康な体を用意するつもりだったのに、人間の創り出した 薬物が何らかの形でクリスの体に入り、ステラの体を壊してしまったのだろうか? クリスが正式に藍野家の一員になる前、父母の自宅に住むようになり、フードを もらって食べていた頃、いろいろなメーカーの試供品のフードを食べていた。 思い返せば、賞味期限に疑問のあるものもあった。 今から考えると、ちょうど妊娠初期にあたる頃だ。 もしも、与えたフードに催奇性のある添加物が入っていたなら… ステラがもう生き返らないことは、重々わかっている。 だが、もしかしたらステラの死は『自然の摂理』ではないのではないか、という 自責の念が、どうしても拭えない。 看護士さんのひとりが、猫のことを気にかけて声をかけてくれたので、ステラのことを 含めて、クリスのお産と仔猫たちについて話した。 そして、フードの安全性に疑問を感じていること、それがステラの奇形を招いたの ではないか、という不安が振り切れないことも、みな話した。 看護士さんは、話を全部聞いてくれた後、 「もしそうだとしたら、仔猫たちに降りかかった悪いものを、その子が引き受けてくれて 他の子が元気に生まれてこられるようにしてくれたのかもしれませんね…」 と言ってくれた。 そうだとしたら、ステラは本当に立派な子だ。 そして、ステラにこのような責任を負わせてしまった側の罪は、重い。 こんな風に考え込んでしまうことは、未練でしかないのだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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