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藍野家の日常

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June 24, 2005
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カテゴリ:クリスと仔猫たち
小さな、リスのぬいぐるみがある。
猫じゃらしの先につけて使うために売られていた品だ。
胴体が10cm足らず、しっぽをあわせても15cm程度の大きさだろうか。

次女クリスが保護され、長男バーニィ・次男アルとの「お見合い」中、ケージ内に
入って生活していた頃、父がクリスのために、このぬいぐるみをケージに入れた。
クリスにとっては、特に興味もない代わりに迷惑でもない、といった具合で、
特にクリスに重宝されるわけでもなく、ただケージの隅に置かれていた。

今日、父がクリスの産箱を見て、「あれ?」と声をあげた。
クリスが我が家の家族になって以来、ずっとケージの隅に忘れられていたままだった
リスのぬいぐるみが、クリスの産箱の中にあるのだ。

父も母も、もちろんリスのぬいぐるみを産箱に入れてはいない。
バーニィやアルが入れたとも考えにくい。
クリスと相性のいいアルは、今までに数回産箱に入ったことがあるが、リスの
ぬいぐるみをくわえているところは見たことがない。
ましてや、クリスと未だに“猫パンチ”で交戦しているバーニィがクリスの産箱に
近づくとは、ちょっと考えられない。
となると、これは、クリス自身が産箱に運び込んだとしか考えられない。

父がぬいぐるみを取り出そうとするのを、母が制した。
クリスが自分で産箱に置きたいと思ったのだから、その通りにさせてあげよう、と。
父も同意して、リスのぬいぐるみは、そのまま産箱の中に留められた。

クリスはどうして、リスのぬいぐるみを産箱に運び込んだのだろう?
よく、「母猫が仔猫に狩りを教えるために、瀕死のネズミを仔猫に狩らせる」と言うが、
まだ目が開いたばかりで、足腰もおぼつかない仔猫たちには、狩りの練習は早すぎるだろう。

仔猫の体長と、ほぼ同じぐらいの大きさの、リスのぬいぐるみ。
たまに、仔猫たちがきょうだい同士折り重なって眠るように、リスのぬいぐるみに
覆いかぶさって眠っている。
クリスは、仔猫たちのおもちゃとして、ぬいぐるみを持ってきたのだろうか?

それとも、自分自身のおもちゃにしたくて、持ってきたのだろうか?

「…ステラの代わりなのかな?」と、母。
「クリス、自分は5頭赤ちゃんを産んだはずだ、って、憶えているのかもしれない。
 だから、ひとり足りない赤ちゃんの代わりに、ぬいぐるみを持ってきたのかも…」

ただひとり、本当の理由を知っているクリスは、今日も仔猫たちを前足で抱き寄せて
優しい鳴き声で仔猫たちに呼びかけている。

昨日、全部の仔猫の目が開いた。
出産直後に時間が止まってしまったステラの分も、4頭の仔猫たちは健やかに成長している。





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Last updated  June 26, 2005 01:37:25 AM
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