パブリックコメント(国民からの意見)募集
母がふと環境省のサイトを見に行きました。夜、寝付けずに、何とはなしに見に行ったようです。環境省のサイトには(他の省庁のサイトにもありますが)、パブリックコメントの募集告知があります。※パブリックコメント…政策の案を公表し、それに対する意見や情報を募る制度。 詳しくはこちら(総務省サイト内「いわゆるパブリック・コメント手続」)環境省のサイトには、10月18日付で、『動物取扱業、特定動物等に係る改正法の施行等のあり方に関する 意見の募集(パブリックコメント)について』が、公表されていました。11月17日(木)18:00までの間、改正された動物愛護法の施行に向けて必要となる政省令等の策定にあたって、国民からの意見を募集する、というものです。また、この案についての説明会が東京(10/27)・大阪(10/28)で行われることも、併せて告知されています。今回、意見募集の対象となっている基準・措置要領は、以下の6件です。(1) 動物取扱業に関する基準等 (2) 特定動物に関する基準等 (3) 動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置要領 (4) 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の改定 (5) 展示動物の飼養及び保管に関する基準の改定 (6) 犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置要領の改定それぞれの政省令の現行条文/改正案の対比表が、同ページからリンクされています。(PDFファイルです)母は、それぞれの改正案について、対比表を読んでいきました。体調がすぐれずに寝付けないでいるときに見たものですので、完全に熟読できてはいませんが、とりあえず目を通した限り、現行条文よりも良い方向に変わっている、と感じられました。(追って、落ち着いたときに読み返して、きちんと意見をまとめます)そして…最後の案件を読みながら、母は泣き出してしまいました。できれば、全部の添付資料にお目通しを願いたいですが、お時間のない方は、せめて別添資料6 犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置要領の改定だけでも、どうかご一読ください。これが実現したならば、いわゆる「不要動物の引取り」減少に向けての教育や引き取られた子たちの里親さん募集、迷子になって収容された子の飼い主さんへの返還、収容中の環境の改善、負傷して収容された子の治療など、さまざまな問題が改善されると思われます。母は、我が家の猫たち・バーニィとアルの名を呼んで、泣いていました。一度は「不要動物の引取り」に出され、縁あって生き延びたふたり。幼くして、さぞかし深い傷を、心に負ったことでしょう。そんな苦しみを背負う子が減るであろうこと、残念ながら引取りに出されてしまった子も今よりも生き延びられる可能性が高まるであろうことが、嬉しかったのです。もちろん、ただ手放しに喜ぶことは、できません。改正案がこの通り採用されたとしても、現場がこれを遵守しなければ何にもなりません。悪いほうに受け取ってしまえば「死人に口なし」です。人手や経費を惜しむならば生かすより殺すほうが手間が省けますから、書類上「精一杯探しましたが、だめでした」ということにして、実は始めから処分していた…ということも、可能でしょう。それに、「どうしてもっと早く改正できなかったのか」という気持ちも、ぬぐえません。もしも前回の法改正のときに、これだけの案を提示できていたら、この5年間でどれだけのいのちを救うことができたでしょうか?けれど、できるだけ前向きに考えるべきですね。もしも積極的に処分を行うような施設が出たならば、それは立派な「違法行為」。私たちは、その施設に対して、ただ動物愛護の精神だけをよりどころに改善を求めるのではなく法を根拠に公的機関に訴えることができるようになります。改正の遅れも、もちろん悔やまれることではありますが、それでも「今」変わろうとしていることを評価すべきでしょう。いつかは変わるべきこと、それが、今変わろうとしているのですから。皆さんに、お願いがあります。どうか、このパブリックコメントのページに行って、告知の原文を読んでください。添付資料も、長い文ではありますが、ぜひ現行条文/改正案を読み比べてください。そして、思うところを、どんどん環境省に送ってください。母はこれから、環境省に資料の送付を求めます。PDFファイルと同文ですし、郵送ですと送料240円が自己負担となりますが、「一般市民がこれだけ関心を持っているんだ」というひとつの意思表示として、郵送での資料送付を請求します。それが届いたら、もう一度しっかりと読んで、環境省に意見を送る考えです。27日の説明会も、家の都合をやりくりし、体調を何とか整えて、できれば行けるように都合をつけてみる考えでいます。先の国会で、あまりにもあっけなく成立してしまった、愛護法改正。前進した点も、至らなかった点もある改正だと思います。この至らなかった部分を少しでも穴埋めし、前進した部分を更に後押しする機会があるんです。議員バッジがない身でも、直接、環境省に意見することができる場があるんです。ひとつでも多くの声を、国に届けましょう。法の不備で救えない子、そして、法によって殺されてしまう子をなくすために![保護された当時のバーニィとアル](ライフボート友の会様提供)