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カテゴリ:名所旧跡編
寝てる人を叩きおこすお祭り。
神武天皇が東征に船出されたという伝説がある宮崎県日向市美々津。 古くからの湊/みなとであったこの地では、その神武天皇がお船出 をされたと旧暦の八朔である8月1日の早朝に、町の子どもらが笹 を手に美々津の家々の戸を「起きよ、起きよ」と叩いて回る祭りが あります。 名づけて おきよ祭。 この早朝という時間、それが だいたい午前3時くらい。 なぜにこの時間になったのかといえば、天皇がお船出に予定され ていた時刻が急に繰り上がったがためだ・・といわれています。 まあ当時の船にはエンジンなどの動力はついていないのですから、 また天気予報のレーダーなどもないわけですから、 急に船が出港するのに適した潮のかげんや帆に受ける風ぐあいと なったら、それは “いまだーっ、出港するぞー” と、なったの でしょう。 ちなみにこの時代には、風の方向や強さなどといった気象条件を、 空にあげる凧で測っていたらしく、現在では当時その凧をあげて いたといわれる場所も地元には伝わっております。 ↓ 明治の終わりくらいの千石船で溢れる活気に満ちた美々津港。 またこの出港にちなんだ食べ物も伝わっていて、それがつきいれ 団子。名前の由来は 出港する船団にもたせるはずの団子を用意していたが急の出立 で作る時間が足りず、ええいままよと団子の中に入れるはずの 小豆をいっしょにつきまぜて、とにもかくにも作って持たせた ということになってますから、これまたなかなかにライブ感が あるというか、臨場感のある団子であるし、伝説でもあるんで すよ、これが。 じつはかくいうわたくしも子供のころにこの行事に参加して、 笹を片手に家々の戸口や雨戸や壁など、そこらじゅうを叩いて 回ってたのですが、当時は参加する子供の数もいまとはちがっ て百名以上はいたでしょうから、寝ているひとをおこすという よりも、むしろしょうじきいって家を叩き壊すくらいの勢いで 叩いて回ってましたよ、家々を。 こんなに夜中に騒いで、これもお祭りっていうのかなぁって 思っておりました笑。 まあこの行事を知らない方が、 薄暗がりのなかで唐突にこの 行事に参加している集団とその行動にでくわしたなら、よくい えばスペインの牛追い祭りとか、いやむしろ日本の一揆とか、 打ちこわしの類だとおもったはずです/笑[ちなみにいまはずっ とおとなしめで上品ですが]。 まあまあそんな、出港されるから起きてください・お見送りし ますよ という、日向市美々津に伝わる おきよ祭り。今年は 9月15日らしいのです。最近の祭りのライブは こちら]。 ということで今回は地元に伝わる変わった、しかし歴史のある お祭りのご紹介でした。 出港のおり貴人の衣が綻び/ほころびていて、その綻び た衣を脱いで縫う時間さえも惜しまれ、とりあえずの 応急処置でとして衣を脱がないまま立ったままで繕っ たという故事にちなんで、この美々津の港のちかくは、 立ち縫いの里・・ともいわれています。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」 kk お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 13, 2023 01:31:22 PM
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