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カテゴリ:旅ゆけば
東方美人の命名の由来は、100年以上前に英国の商人がこのお茶を持ち帰りビクトリア女王に献上しました。女王は琥珀のような茶湯の美しさに惹かれ、渋みが無くまろやかでフルーティーな味わいの絶妙さに絶賛し、「オリエンタルビューティー」(東方美人)と呼んだのが始まりと言われています。
東方美人の茶葉は、ウーロン茶の中で最も発酵度の高い台湾特産の最高級烏龍茶です。 殆どの台湾茶は春に収穫されたものが良いと言われるのに対し、東方美人茶は夏に収穫されたものが良いとされています。 それは初夏に浮塵子(ウンカ)という稲の大害虫が、東方美人茶になる若葉を吸うことによって、栄養が葉にたまり、蜂蜜のような、熟した果実のような味わいが生まれてくるというのです。その香りはダージリンに匹敵すると言われています。 ウンカは農薬を使うと死んでしまいますから、当然に無農薬で化学肥料も使えません。またウンカにかまれたお茶の樹は伸びないので収穫は少量、しかも芽の部分だけを摘み取らなければならないので、すべて手摘み。文字通りの稀少茶なのです。そして、自然にも体にも優しいお茶と言えましょう。 19世紀中頃にウンカの被害にあい、商品として使い物にならなかった茶葉を用いて製茶したところ、蜜のように甘くかぐわしい香りと味で評判になり。当時はその製法を信じてもらえず、膨風茶(台湾語のほらふき)と呼ばれたのが始まりであると言う逸話もあるようです。 このお茶を飲めば、美人になるという効能は残念ながらありませんが、ゆったりとこのお茶を味わえるような気分になれば、自然と心から美しくなるかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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