マリア・マルダー
「オールド・タイム・レイディ」は贅沢なアルバムですね。なにが贅沢かって、このアルバムの参加ミュージシャンほど贅沢なものはありません。ギタリストを例にとればライ・クーダー、エイモス・ギャレット、クラレンス・ホワイト、DR.ジョン(ほんの少しですが)等が色々なタイプのプレーを聞かせてくれます。そして、どのプレーもオールド・タイム・ミュージックというキーワードを元にして、うまく抑制が効いているので、とても渋く、とても思いやりに満ちています。唯一のスタンドプレーは、アルバムの冒頭でライ・クーダーが演ってしまったあまりにもかっこ良過ぎるイントロのみでしょうか。ギター以外のパートも、もちろんマリア・マルダーの個性も含めて、実に優しく音楽でリスナーを包み込むかのようなプレーが聴けます。こんな音楽があるから、どんなに時代が変わろうともアメリカへの憧れが尽きない自分がいるのでしょうね。