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テーマ:甲斐の風景(15)
カテゴリ:キリシタン
【甲斐の風景】 これは甲斐の東部で見付けた墓石です。上の写真はとある臨済宗のお寺の境内にある墓地の入口にありました。ここには他にもいくつかの墓石などが集められています。上部に<〇>が彫られています。真ん中と下の墓石は、とある浄土宗のお寺の裏にありました。この村は、お寺の南側に大きな墓地がありますが、お寺の裏にも、いくつかの墓石や石仏が残っていました。 真ん中の墓石には「卍」が彫られているのですが、位号のところに「比丘」と彫られています。また、下の写真の墓石にも<〇>が彫られています。こうした<〇>が彫られている墓石は転切支丹もしくは転切支丹類族の墓石であるということは、司東真雄師の著書に出会ってはじめて知りました。司東真雄師だけでなく、久保田玄立師のキリシタンに関する研究書も非常に興味深いものがありますが、最後に残っていた一冊をあるお寺のご住職がもらってきて下さって、本当に助かりました。 キリシタンの研究は、キリスト教の側からの研究だけでは見えてきません。歴史研究においては当然のことなのですが、宗門人別制度は仏教寺院に課せられた制度ですから、仏教の側からそれを研究した文献の方がより明らかになります。「仏教の本を読んでも大丈夫なのですか?」と心配して下さった方がいらっしゃいましたが、「うるさいことをいう人がいるので独立したんです。神学だけでなく、歴史研究も学問ですから、あらゆる本を読んで研究しなければ、真実の歴史は見えてきません。」とお答えしました。 宗門人別制度が施行されるまでは、お寺は一般民衆の死に関わるイニシエーションには関与していません。死者に戒名を付けることも、葬儀で読経することもありませんでした。そして、ここでも何回かご紹介していますが、宗門人別制度でお寺がしなければならない事務手続きがあるのですが、その事務手続きはキリスト教会が古い時代から継承してきたもののコピーです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.04.02 13:13:09
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