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テーマ:甲斐の風景(15)
カテゴリ:キリシタン
【甲斐の風景】 これは、前述の石塔や石碑が建てられているところに倒れていた石仏です。二つの像の頭部には、それぞれ馬の頭が彫られていますから、一般的には「馬頭観音」と考えられるのでしょうが、着衣が気になって仕方がありませんでした。また、馬頭観音にしては、髪の毛の形が気になります。ただ、会津にも同じような像が彫られた石塔が残っています。 この舟形光背の上部には文字が彫られていますので、なんとか読みたいと思っているのですが、太陽光の入射角がそれを難しくしています。そして、同じような馬頭観音を何故2体並べて彫ったのでしょうか。実に不思議な石仏です。こうした馬頭観音が2体並べて彫られている石仏はこれ以外に見たことがありません。 ただ、この2体の合掌している下膊を結ぶと「M」をデフォルメしているように見えるのですが、考え過ぎかもしれないと思っています。ただ、この馬頭観音の着衣は少なくとも奇妙であることは間違いないと思います。キリシタンの研究は、時としてこうした謎解きに翻弄されます。 そして何よりも、この石仏は一度、人為的に首のところから切断されています。それも両側から「矢」を入れて切断していますが、落とされたはずの上部がそのまま残っています。また、もう一つ、下部に見えている着衣にはプリーツが入っているように見えますが、これも奇妙なことです。一般的な観音菩薩像の着衣には、こうしたプリーツは入っていませんし、所謂「裳(裙)はこうしたプリーツのような形にはなっていません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.04.03 20:14:32
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