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カテゴリ:キリシタン
【伊那谷の閻魔大王】 これは、旧高遠藩領内のとあるお寺の参道脇に建てられているお堂に祭られていた閻魔大王像です。パソコンが思うように動作しないので、鮮明な画像でなくて申し訳ございません。この閻魔大王像が気になったのは、このお寺が浄土宗のお寺だからです。しかも、この参道は山門を入って階段が続いている参道です。 江戸時代に、仏教寺院が宗門人別制度に組み入れられて、しかも寺院法度によって規制されていましたから、一般民衆の中では仏教の教義に関する知識はほとんど育たなかったようです。そして、明治以降の宗教政策で仏教に関する関心も、一般民衆の中では育ちませんでした。 ですから、「同じ仏教だから」という理由で、浄土宗のお寺の参道にこうした像が祀られたお堂があっても、気にされる方がほとんどいらっしゃらなくなってしまったのだろうと思います。そして、宗教教育と宗教史研究が混同されて、徒労としか思えない議論が為されることもあります。京都や奈良へ修学旅行で出かけるのは、参拝のためではなく、歴史教育の一コマなのですから、公立学校や学校法人の高校で行われてもまったく問題にならないはずです。 そうした戦後の歴史の中で、宗教を人間のひとつの行為・あるいは想念として捉える考え方がなかなか芽生えず、ですから日本の社会の中で、宗教史がほとんど学ばれることなく時が流れてしまったように思えて仕方がありません。その結果、仏教がインドから中国経由で入ってきた外来宗教であることさえ忘れられてしまっていますし、非常に重要な宗門人別制度という制度が、日本独自のものであることさえ判らなくなってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.04.18 08:32:41
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