会津キリシタン研究所

【土津神墳墓】

　猪苗代町にある土津神社の裏を上がっていくと、この土津様の墳墓に出ます。保科正之公に関する『会津藩家世実紀』の記述では、亡くなられる前には「中将様」と書かれているところはありますが、「保科正之」というお名前は記されていません。殿様のお名前ですから、敬称を付けてお呼びすることもありません。

　そして、猪苗代へお出掛けになられたら、「土津様へはどう行ったらいいのですか？」とお尋ねになって下さい。「土津神社はどこですか？」とお尋ねになると、地元の方は一瞬、悩まれます。土津神社も、そしてこの墳墓も、「土津様」と呼ばれてきました。

　家臣の中には、帰農して猪苗代で土津様をお守りしたいと申し出た人がいましたが、保科正之公は殉死を禁じていらっしゃいましたから、その危険性を察知したのか、会津藩はその申し出を却下しています。（『会津藩家世実紀』）会津へお出かけの際は、是非、土津様へお立ち寄り下さい。

　下の写真は、墳墓を囲んでいる柵のところから望遠ズームで撮影した写真です。この門の中は立ち入りが禁じられています。こうした写真を撮りたいので、もう少し明るい望遠レンズが欲しいのですが、それを買うと所長に言ったら、「３ヶ月、お粥と梅干しだけで良ければ買ってもいいぞ！」と返事が返ってきそうなので、諦めています。