会津キリシタン研究所

【会津の「子安観音」石仏】

　前述の「子安観音」石仏を２００６年に撮った写真です。このブログを長く読んで下さっている方の中には、「同じようなものが沢山あって、もう飽きた」とおっしゃられる方がいらっしゃるかと思います。判ります。この会津の広い範囲に、膨大な数のキリシタンの痕跡が残っていることをご理解いただけたら光栄です。

　小生は１９９８年から、キリシタンの研究のために会津を巡り続けているのですが、まだ気が付いていないキリシタンのモノがあるだろうと思っています。ある一帯を少しゆっくり巡ってこようと思って、前の晩におにぎりを握り、翌朝、ゆで卵をいくつか作って出掛けたこともありました。

　あの頃はまだ、小さな携帯用デジカメを使っていましたから、お天気が良いか悪いかで、写真の撮れ具合が大きく変わりましたが、この写真を撮ったときには、雲一つない快晴だったので、実物に近い色の写真が撮れました。光輪の一部が赤く塗られていたこともお判り頂けるかと思います。

　ただ、ここ数年の間に、いくつかのモノが消えました。墓地整備が行われたからなのか、はっきりとした十字架を手にした石像が消えました。あるいは、道路から少し入ったところにあった、本来の庚申塔が他の石塔と一緒に消えました。こうしたことが、「キリシタン隠し」によることなのか、他に理由があるのかは判りませんが、歴史が変えられてしまいます。ただ、それらのものの多くは、既に写真に撮ってあります。