会津キリシタン研究所

【中通りの「子安地蔵」石像】

　福島県立図書館の東側に、東北新幹線のガードがあるのですが、そこを潜ったところの左側に、信夫山へのもって行く路がありますが、上の写真のように石像が並べられています。真ん中と下の写真は、この並んでいる石造の中で、子供を抱いている石像を撮ったものです。車を止められるところはありませんが、図書館の駐車場に小生たちは止めておきました。

　福島市中心部にもキリシタンがいたことは、ロザリオが発掘されていることからも明らかです。また、上杉景勝が会津の領主だった時に、岡越後守四郎衛門左内は杉の目の城主でした。杉の目というのは現在の福島市中心部です。ですから、杉の目にキリシタンが広がっていたことは、火を見るよりも明らかです。そして、杉の目を福島と変えたのはこの岡越後守四郎衛門左内であろうと小生は考えています。会津には「『福』が付く地名はキリシタン」という伝承が残っています。ただ、会津ではそうでない村々にもキリシタンの痕跡が残っていますから、「福」が付いている村だけがキリシタンであったわけではありません。

　「福」の「島」ですから、意味は十分に理解できます。また、岡越後守四郎衛門左内が杉の目城主だったのは、関が原の戦いの頃でしたから、宗門人別制度は影も形もありませんし、お寺はしに関わるイニシエーションを行っていません。お近くにお住まいの方は、是非、ここを歩いてみてください。そして、この路を上がっていくと広い路がありますが、それを横断して、反対側の林の中を登っていくと、三十三観音が並べられていた跡があります。３３対すべてが残っているわけではありませんが、不思議な「観音菩薩」石仏が山路の脇に祀られています。

　もうかなり以前のことですが、あるキリシタンの研究者の方が『奥州信達地方　キリシタンの面影』という、ご自身でまとめられた冊子を送ってくださいました。「信達」というのは信夫＝福島と伊達のことです。そして、この冊子の中には、細かい史料からの引用が多数載っていて、大変にいい参考になりました。これももうかなり以前のことですが、福島市のあるところで、不思議な石仏を見つけましたが、それがあった場所が非常に気になっています。