会津キリシタン研究所

【不思議な石灯籠型六地蔵】

　「不思議な」と言っても、この六地蔵自体が不思議であるわけではありません。強いて言えば、香炉の屋根の部分に牡丹が彫られていることが気になります。それ以外には、特別気にならないのですが、気になるのはこの六地蔵が建てられている場所です。お寺の参道脇に建てられているのですが、ここは山門の手前のところです。

　しかしこのお寺は曹洞宗のお寺ですから、六地蔵が境内に建てられていても不思議ではないのですが、あえて山門の外に建てられたのでしょうか。いつかチャンスがあったら、このお寺をもう一度訪ねて、ご住職とお話ししてみたいと思っています。お寺の境内に、この六地蔵を建てるスペースがないわけではありません。

　今までにも、こうしたケースには出会ってきました。山門の外側に地蔵菩薩石像が祀られている曹洞宗のお寺がありました。曹洞宗のお寺の中には地蔵菩薩像が本尊になっているところもあります。東京分室にこの机を入れられないかもしれないと不安だったのですが、メジャーで測ったら楽勝で入りそうなので、東京分室ではディスプレイを複数台置けそうなので、史料のデータベースを見ながら、こうしたケースをすべて抽出してみたいと思っています。

　そして、そうした会津のお寺や墓地に残っているものを確認すると、また新しいことが見えてくるだろうと思います。また、こうしたケースは旧高遠藩領内でも出会っています。ある曹洞宗のお寺の山門の外に「南無阿弥陀仏」と彫られた石碑が建てられていました。お寺ではないところにあった石碑をお寺に持ち込もうとしたら、山門の内側に建てることを拒否されたのかもしれません。