会津キリシタン研究所

【会津の不思議な土葬墓】

　これは、前述の土葬墓がある村とはかなり離れている村の墓地にある土葬墓です。同じように土が盛り上げられています。この写真を撮ったのは５月２日でしたから、まだ草が生え始めている頃です。

　この村には、山内氏系の土豪がいましたが、上杉謙信に内応して芦名盛氏に叛旗を翻したのですが失敗して「自殺」していると『新編会津風土記』に記されています。この人物の墳墓であろうかと思ったのですが、案内柱には「鈴姫之墓」と彫られていました。おそらく村には伝承が残っているであろうと思われます。

　ただ、会津で死者を埋葬する習慣が始まったのは、それほど新しいことではありませえん。ある村にはいくつもの墳墓があったと『新編会津風土記』に記されています。その場所も訪ねてみたのですが、そこは果樹園になってしまっていました。

　この写真でもお判りいただけるかと思いますが、この墳墓は前述の墳墓に比べえると大きいです。ただし、案内板には大正年間に改修されていると書かれていました。確実に、村には伝承が残っていると思われます。