会津キリシタン研究所

【「五人組」の復活ですか？】

＊写真は２０１０年９月２４日に会津で撮ったものです。

　「生活保護費の不正受給に関する情報を住民から募る専用電話（ホットライン）が、少なくとも全国十二市で開設されたことが分かった。設置した市は『不正受給が増え、行政だけでは発見できない事案もある』と主張する。受給者の支援団体や有識者からは『生活保護の印象が悪くなって、本当に必要な人が申請しにくくなる』『監視社会を招く』との批判が出ている。国民に最低限度の生活を保障した憲法二五条の理念が失われかねない。」
　「寝屋川市では一三年度に二百五十二件の情報が寄せられ、うち二十五件で受給が止められた。半面、さいたま市がホットライン設置に合わせて作成したちらしに、情報提供を求める例として「財産を隠している」「世帯構成が虚偽」などと列挙したのに対し『受給者が犯罪者予備軍であるといった偏見を助長する』などと苦情が寄せられ、四日後にちらしを差し替えた。」
　「田島泰彦上智大教授（情報メディア法）は「憲法二五条が保障する生存権の行使を抑止し、萎縮させる。密告を奨励する『隣組』的な住民の相互監視を進める形で機能していくことになる。そういう息苦しい社会を助長させる危険が非常に強い」と話す。」
　以上は東京新聞のサイトから引用しています。

　五人組の復活でしょうか？最近、憲法の規定が無視されていることが時々見られます。実は、昨夜、東京新聞のサイトでこの記事を見つけたのですが、睡魔に勝てずに、この問題に関して書くのが今になってしまいました。それにしても恐ろしいことです。正に五人組を復活させています。住民の相互監視を推進させています。こうしたことは、訓練を受けたケースワーカーがするべきことであって、住民にそれをさせるということは、まだ江戸時代が終わっていないということになります。

　こうしたことが助長されていくと、今度は税務署が同じようなことを始めるかもしれません。スーパーなどで何を買っているかを報告させ、それが収入に見合ったものであるかどうかを判断するためです。どうも、税金は年貢のようです。困ったものです。迷彩服を着た首相が戦車に乗っている写真のことを以前に書きましたが、「解釈改憲」する前に、すでに憲法が十分に理解されていないようです。

日本国憲法
第二十五条　すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
　国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

　日本という近代国家が、江戸時代に戻り始めているようです。そのうち、皇居に天守閣を再建して、そこを首相の公邸にするつもりでしょうか。