日本の農業とTPP
【日本の農業とTPP】 これは会津のとある山の高いところにある村で撮った写真です。下の写真は、谷の下の方から上って来る道とこちらから走っていく道の交差点で、谷を撮った写真です。下の写真に写っている斜面には、小さな棚田が下の方まで続いています。戦後の米の増産政策による開墾で出来上がった棚田であろうと思われますが、この写真を撮った2004年9月26日には、棚田は既に田圃ではなくなっていました。 この棚田を造るのに重機を使ったとは思えません。一枚の田圃の広さから考えると、ブルドーザーを入れるのはかなり難しいだろうと思われます。ですから、耕作するにしても、大型機械どころか、小さな田植機を使うことも難しいだろうと思います。以前に、小生の母方の祖父がキセルの煙草を詰めるのに、火のついた煙草を掌で転がしながら、新しい煙草を詰めていたと書いたことがありましたが、祖父の掌はカチカチでした。 そして、こうした山村では、最早、米を作ることは諦めている家が多いようです。そうした実情を知ってか知らずか、TPPではかなりの米が輸入されることになりそうです。そして、「農家も頑張って下さい」と政府は言っていますが、「ご高齢の方々に対してそれはないでしょ」と言いたくなります。 TPPでは得する業種と損する業種が出てくるのは火を見るよりも明らかです。アメリカ産の米は美味しいです。もうかなり以前ですが、アメリカへ行った時に、ある方から頼まれてアメリカの米を買ってきました。そして、その味を確かめていただいたのですが、「ササニシキよりも美味しい」とおっしゃっていました。