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テーマ:キリシタン(4919)
カテゴリ:キリシタン
【伊那谷の「キリシタン地蔵」】 これは伊那谷にある、とあるお寺の境内で撮った写真です。上の写真に写っている本堂の裏に、石祠の中に祀られた三体の石造があります。この中央の地蔵菩薩像のような石像の無への部分に、ラテン十字が彫られています。これは伊那谷のキリシタン研究者の間ではよく知られている石像ですが、伊那谷でもこうしたものが残っていることを確認できました。 伊那谷にキリシタンが伝わったのは16世紀であることは間違いないと考えられます。そして、その時代には宗門院別制度は影も形もありません。仏教寺院は死に関わるイニシエーションを行っていません。日本で最初に組織化された宗教が一般民衆に広まったのは、キリシタンが最初であろうと考えられます。 つまり、組織化された宗教が何もないところに、高度に組織化され、教理が整えられたキリシタンが入ってきたのですから、瞬時にして、伊那谷一帯がキリシタンになったことは、会津と同じであろうと考えられますし、日本の他のところでも同じようにキリシタンが広まっていても不思議ではありません。 ここを最初に訪ねたのは2007年でしたが、その後も何回かこのお寺の境内を歩いたり、他に残っている気になるものの写真を撮ってきたりしました。また、このお堂に掲げられている絵からすると、かつてはこのお堂も茅葺屋根だったようです。そして、長い歴史の中で、この石像が残されてきた意味を、きれいな庭を眺めながらじっくり考えたこともありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.05.12 06:55:38
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