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カテゴリ:キリシタン
【会津の十字杖】 前述の石仏は参道の右側に、そして参道の左側にこの「地蔵菩薩」石像が祀られています。この「地蔵菩薩」石像の背面には「昭和三十二年一月吉日」と彫られていて、「○○主婦一同」と彫られています。(村名が彫られているので、この部分は暈かしてあります) 昭和三十二年だと小生はまだ産まれていません、と書きたいのですが、残念なが「一月」ですから、そろそろ六歳になる頃です。あの頃は、幼稚園からの帰り道に犬がいると遠回りして帰っていました。最近は、ワンコがいると自然に足がその方向へ向いてしまいます。 それにしても、この背部に彫られた年号は気になります、この錫杖は、錫杖ではありません。これでは、あの錫杖独特の澄んだ音は出ないだろうと思います。しかも、前述しましたが、このお寺は曹洞宗のお寺です。ですから、この石像もお寺とは関わりなく奉納されたのであろうと思われます。 ただ、これが会津の現実であることは間違いありません。昭和三十二年にお寺とは関わりなく奉納された「地蔵菩薩」石像とは何だったのか。錫の部分にはっきりとした十字架が彫られています。また、このお寺から少し離れたところに観音堂が建てられていますが、あの観音堂もお寺とは関わりなく建てられたものであろうと思われます。そして、小生が知る範囲では、曹洞宗のお寺の御本尊が阿弥陀如来像なのは、鎌倉時代以降、武士の間に阿弥陀如来信仰が広がったので、阿弥陀如来像が多数彫られ、その中の一体が、宗門人別制度が施行された時にこのお寺の本尊にされたのであろうと思われます。「昭和三十二年」。あの頃に会津で何が起こっていたのかを考えると、この十字杖が持っている意味が見えてきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.05.18 08:59:25
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