会津キリシタン研究所

【会津の「子安観音」像】

　前回の「子安観音」像が祀られている観音堂がある村の、隣の村に不動堂が建てられていて、正面に不動明王像が祀られているのですが、この「子安観音」像がその蔭に置かれていました。一昨年の６月１２日に訪ねた時に、一緒にここを訪ねた方の写真にそれが写っていたので、１８日にまた出掛けたのを憶えています。

　そして、このお堂に纏わることをお伺いしたのですが、この「子安観音」像は村のものではなく、個人のお宅のものかもしれません。この「子安観音」像は台座も含めて一木造りです。そして、こうした一木造りの「子安観音」像は、会津の他の村にも残っているのですが、それに出会った時のことを考えると、あの「子安観音」像も個人のお宅のものかもしれません。

　最近は、こうした「子安観音」像がそれぞれのお宅の仏壇に祀られていた可能性があると考えています。去年、とある村の一軒のお宅の仏壇に、黒く塗られた「子安観音」像が祀られているのに出会いました。あの「子安観音」像もその時に撮った写真に、偶然写っていました。

　会津のキリシタン史は、非常に興味深いです。寛文六年（１６６６）に、保科正之公によって三十三観音の順礼が禁止されていますが、三十三観音のお堂の中に「子安観音」像が残っているところがあります。それらの一部はここでもご紹介したことがあります。