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カテゴリ:キリシタン
【武蔵国の「子安観音」石像】 秩父三十四観音の札所の一つになっている、金昌寺というお寺の本堂の入口脇に祀られている「子安観音」石像です。不思議なことですが、この金昌寺は曹洞宗のお寺です。にもかかわらず、ここにこうした石像が祀られていて、しかもこの建物は金昌寺の本堂なのですが、観音堂です。曹洞宗のお寺が本堂として観音堂を建てたとは到底考えられません。 この「子安観音」石像、よく見ると膝のところと乳房が黒くなっています。母乳が出ることを祈るご婦人に触られてきたり、膝がいたい方が治癒を願って触られてきたのであろうと思われます。それも、数多くの方々が触られてきたことは、膝のところがかなり黒くなっていることから判ります。しかし、曹洞宗には本来そうした信仰はありませんでした。「只管打坐」と言う、ただひたすら座禅を組んで悟りを得ることが曹洞宗の信仰でした。 しかし、宗門人別制度が施行されて以降、それぞれの宗旨に大きな変化が起こったのかもしれません。また、村々にお寺が建てられましたから、僧侶の数が足りずに、無住のお寺が増えたのであろうと思われます。そして、檀家によってお寺が守られている中で、様々な変化が起きたのであろうと思われます。しかも、この金昌寺は特別な意味を持っていたので、江戸市中の大店の主人が石像を奉納しているのですが、その不思議さも、絵島がキリシタンであったことが判って、解決できました。 そして、この金昌寺に関する仮説が、日を追うごとに確かなものになっています。この金昌寺には数多くの石像や石仏が奉納されているのですが、その中には額のすぐ上のところに十字が彫られている「観音菩薩」石像があります。それだけではありません。この一帯で行われる祭のことがテレビで時々流れますが、気になる習慣が残っているところもあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.02.01 15:38:20
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