会津キリシタン研究所

【武蔵国の転切支丹類族墓石】

　前述した一帯にある別のお寺の墓地で出会った墓石です。上部に＜○＞が彫られていたり、戒名の先頭が「一」になっていたり、上部に「皈元」「皈眞」と掘られています。こうした墓石が残っていることに、小生は驚きました。この辺りは、高校生の頃によく出掛けたところです。しかし、この一帯にも転切支丹類族がいたことを知って、キリシタンに関してあの頃から関心を持っていればよかったと思わざるを得ませんでした。

　ただ、手に入れた資料集に関して、先日ある方にお伺いして、江戸にいた転切支丹類族がこの一帯に移住させられた可能性があると思わされました。この一帯は、主に林業で生計を立ててきたところです。山から木を切り出して、それをイカダに組んで川を下る仕事です。米はほとんど穫れません。山間の谷沿いに村々が点在しています。

　宗門人別制度はそうした意味では、宗教的な影響よりも社会的な影響を大きく与えたと言えるだろうと思いますが、この一帯は正にその典型であろうかと思います。日が長くなったら、所長ともう一度出掛けたいと思っています。そして、時間をとって、昨夜記したＪＲ八高線沿いや山間の一番奥まで訪ねてみたいと思っています。

　それだけではありません。多摩川の左岸沿いにもキリシタンの痕跡があると聞いていますから、それも確かめてみたいと思っています。今日は、そろそろある方がここをお訪ね下さることになっているので、次回の書き込みは夕方以降になるだろうと思います。