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カテゴリ:キリシタン
【関東平野の不思議な観音堂】 前回ご紹介したお寺に建てられている観音堂です。千手観音が祀られているのですが、何が不思議かというと、このお寺が曹洞宗のお寺だからです。禅宗のお寺に何故、観音堂が建てられていて、観音菩薩像が祀られているのか。本来は有り得ないことです。ただ、最近は曹洞宗のお寺の境内に観音菩薩像が建てられたケースはありますが、このお堂に祀られている千手観音菩薩像はそれほど新しいものには見えません。 また、日蓮宗のお寺の境内に最近になって観音菩薩石像が建てられたところが旧高遠藩領内にあります。江戸時代には、禅宗・念仏宗・日蓮宗で観音菩薩を祀ることは極めて異例のことでした。通常は考えられないことです。仏教の宗旨はキリスト教の教派と異なって、正典(カノン)が異なります。特に、曹洞宗では正典(カノン)と言える経典があるかどうか、小生には判りません。 だからといって、道元の時代に曹洞宗のお寺で観音菩薩が祀られたとは到底考えられません。道元の教えは、ただただひたすら禅を組むこと(只管打坐)でした。ただ、日本の学校教育では、仏教史をきちんと扱われていませんでしたから、こうしたことは一般的には知られていません。 この観音堂、一体何故、ここに建てられているのでしょうか。残念なことに、この時、お寺のご住職はお留守でした。ただ一つ言えることは、室町時代末期のこのお城の城主はキリシタンだったということだけです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.02.20 15:24:50
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