会津キリシタン研究所

【会津の無文字墓石】

　前回の墓石がある墓地で撮った、無文字墓石の写真です。ご紹介したのは、あの墓地にある無文字墓石の一部です。これらの墓石は前面だけでなく、側面にも文字が彫られていた痕跡はありません。それにしても、何故、墓石に戒名が彫られなかったのでしょうか。

　そして、こうした無文字墓石は、あの村の墓地だけにだけあるわけではありません。そして、そうした無文字墓石がある墓地に残っているキリシタンの痕跡を考え、『会津藩家世実紀』にある不思議な記録を考えると、もしかしたら仏式葬儀を行っていなかったのではと思えます。

　キリシタンが転んだことにして隠れていたことは、明治以降に会津で起こった出来事を考えると、それほど少なくはなかったと思えます。小生は、ある方からそのことをお伺いしたことがありました。ですから、キリシタンが転んだことにして、隠れていた村では確実に伝承が残っているだろうと思われますし、明治時代になってローマ・カトリック教会の聖職者が住んでいた建物に、小生も入ったことがありました。会津に住みはじめてすぐの頃です。

　そして、あるところで、その建物にあったものに再び出会うことが出来ました。おそらく、同じようなことは他の村でもあったであろうと考えています。『会津藩家世実紀』には極めて不思議な記録が残っています。関心のある方は、是非、『会津藩家世実紀』と格闘してみて下さい。