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カテゴリ:キリシタン
【会津で時々見かける狩野芳崖の『慈母観音』】 これは狩野芳崖の『慈母観音』という絵を模写して奉納したものであろうと思われますが、会津にある観音堂やお寺の本堂で時々見かけます。もうかなり以前に、切手にも使われた絵ですので、ご存じの方も多いかと思いますが、東京藝術大学のホームページで紹介されていて、そこには下図も載っています。 この下図のことを連絡して下さった方がいらっしゃって、すぐに小生もアクセスして下図を見たのですが、その中の一枚は水滴の中にいる子供の下図なのですが、首にはっきりとした十字架をぶら下げています。有名な南蛮屏風の中には、狩野派の画家が描いたものがありますが、あの絵を細部まで丁寧に見ていくと、キリシタンでなければ知らなかったであろうと思われる部分が忠実に描かれています。 不思議なことですが、しかし、そうした絵や下図が残っているのですから、キリシタン研究では非常に重要なものです。因みに、『南蛮屏風』は神戸市立図書館のホームページで、比較的大きな画像を見ることが出来ます。関心のある方は、是非、検索してご覧になって下さい。黒い修道服(フードがあります)を着た人物の帯に、3ヶ所ずつ結び目が描かれています。この結び目には意味があって、フランシスコ会特有のものであろうと思われます。 室町時代末期か江戸時代のごく初期に書かれたものであろうと思われますが、狩野派の中にキリシタンがいたのであろうと思われますし、それが江戸時代末期まで続いていたのであろうと考えられます。そう考えると、江戸幕府がキリシタンを厳格に取り締まっていたかどうか、実に疑わしくなります。片岡弥吉『踏絵』(NHKブックス)には、長崎で行われた絵踏に関して、絵踏御免になっている理由で最も多いものが「寸志之訳」であると記されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.04.18 09:04:40
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