会津キリシタン研究所

【会津のとある村】

　この神社は大山祇神社ですが、会津のとある村の入り口付近にあります。会津の大山祇神社は、明治の初期にある大山祇神社の神官が村々を巡って、山ノ神を大山祇神社にしました。これは、歴春ブックレットの『会津の神社』に記されています。

　そしてこの村の墓地に２枚目の写真に写っている墓石が残っていて、神社の参道の上り口に「已待供養」と彫られた石塔が建てられています。この「已待供養」も当然、「己侍供養」であろうと小生は考えていますが、そう考えると墓地に残っている他の墓石に彫られている文字列を納得することが出来ます。

　それだけではありません。こうしたことが見えてきたら、村の名前にキリシタンが隠れていることに気が付きました。この村は、『新編会津風土記』にある村名の法則からすると、明らかに保科正之公が会津藩主になられてから成立した村です。但し、『新編会津風土記』にある漢字表記と現在の漢字表記は異なっています。

　実はこれにも理由があるようで、同じように漢字表記が『新編会津風土記』と現在の漢字表記が異なっている村も、同じような歴史があったように見えます。会津のキリシタン史に関心のある方は、時間をかけて、ゆっくり史料をデータベース化してみて下さい。『新編会津風土記』を基準にして、『文禄三年蒲生家高目録』・『寛文風土記』・『会津鑑』のデータを書き加えていくと、村の成立に関してさえ見えてくるケースが少なくありません。