会津キリシタン研究所

【伊那高遠の石碑列】

　上の写真は「金毘羅大権現」と「穐葉山大権現」と並記されている石碑ですが、伊那高遠のとある村の道路脇にありました。「何でこんなものが‥‥‥」と思えたので、写真を撮ってきました。確かに、「金比羅山大権現」ないし「金毘羅神社」と、「秋葉山神社」が並記されている石碑は、伊那高遠の別のところにも建てられているのですが、その場所は白山神社の境内で、神社の入口の右側には、庭に面したところが舞台になっている建物があります。

　伊那高遠史からすると、歌舞伎の舞台であろうと考えられますし、伊那高遠には最近になって歌舞伎が復活して、建物が建てられ、歌舞伎役者に来ていただいてこけら落としをしたと案内板に記されていました。こうしたモノに出会って、様々なことに気が付かされました。会津には古い形式を残した歌舞伎の舞台が２ヶ村に残っています。そして、最近になって、ある市町村にも歌舞伎の習慣が残っていたことを知りました。

　真ん中の写真は、伊那高遠のとある村の集会所の下にあるバス停のところで撮った写真です。右から３番目の大きな石碑には「寒念仏」と彫られています。ただ、この村の檀那寺が念仏系の宗旨のお寺であるかどうかは判りませんでした。ただ、この一帯には曹洞宗のお寺しかないようですが、伊那高遠の場合、村にお寺があるわけではなく、高遠町中心部にあるお寺の檀家になっているケースが少なくありません。

　保科正之公が高遠を離れた後、鳥居家が高遠藩主になっていましたが、鳥居家が宗門人別制度を施行したとは思えません。かなり変わった藩主だったようで、数年で転封されています。ですから、伊那高遠で宗門人別制度を施行したのは内藤家が高遠藩主だった時代であろうと思われますが、だからこそ、あの大奥にいた絵島が高遠に遠流になったことが気になって仕方がありません。