会津キリシタン研究所

【旧高遠藩領内の不思議な曹洞宗寺】

　前回の石碑列がある村からそれほど離れていないところにあったお寺の墓地や参道で撮った写真です。上の写真には「南無阿弥陀仏」碑が写っていますし、馬頭観世音石仏なども写っています。そして参道には青面金剛石仏や如意輪観音石像が並べられていました。曹洞宗のお寺に観音菩薩があることは、無教会派の集会所に聖母マリア像が置かれている以上に奇妙なことです。

　何回も書きましたが、曹洞宗の中心的教理は「只管打坐」つまりただひたすら座禅を組んで悟りを得ることです。また、曹洞宗の僧侶が「南無阿弥陀仏」と唱えることがあるとは小生には考えられませんし、曹洞宗のご葬儀に何回か列席したことがありますが、南無阿弥陀仏と唱えられたことはありませんでした。

　上の写真はお寺の墓地の入り口付近で撮った写真です。石仏の風化程度からすると、それほど新しいものとは思えませんから、かなり以前に近所の村の方がここに置いていかれたのかもしれません。このお寺も、いまでも気になっているお寺の一つです。

　そして、参道に青面金剛石仏があるのも気になりましたし、如意輪観音石像があるのも気になりました。また、その下に卵形墓石があったのが非常に気になっています。旧高遠藩領内はほとんどすべての地域を巡っていますが、不思議なモノがかなる数多く残っています。