舟上にて
昨日は、「刻舟」という言葉を見かけました。 意味が分からなかったので調べてみると、『呂氏春秋』の『察今』の故事から。ある人が、舟で川を渡っているときに、川に剣を落としてしまった。あわてて、すぐさま舟のふちを刻んで「ここが剣を落とした場所だ」と印をつけた。やがて舟が止まり、その目印から川に入って探しても、舟は進み、川は流れているので、当然、剣を見つけだすことはできなかった。…というお話。「刻舟」とは、時の変化に気づかず慣習にとらわれて見当違いとなることのたとえだそうです。かつて、うまく行っていた事や方法に固執していると、気づけば時代に取り残されている。…というよりも、やってる本人は、刻舟のようなことをしてることにまったく気づいてないことが多いので、「以前はうまく行ったのに、おかしいな」と思いながら同じ方法を繰り返すままスランプから抜け出せない、とかかつての栄光の自慢や反芻に終始して更なる練磨を忘れ、今、通用しない自分になってる事に気づいていない、とかそういう痛いことになってしまうのです。あー。ものすごく恐ろしい言葉だ(>__