カテゴリ:読み聞かせ
今日もイライラしながら仕事を終えて戻ったら 「石田衣良(いしだいら)」が出ていた~~♪ 私は彼のファンです。 髪型は気に入らないけど‥
さて、今朝のわんこは睡眠たっぷりの顔でした。 またまた私をかぎまわり、何か食べ物を持っていないか 検査をされました。 さすがに、なんちゃって麻薬犬です
先週の読み聞かせは からすたろう やしまたろう作/偕成社 卒業式も近いので、この本を選びました。
『からすたろう』の作者である やしまたろうは戦時中、 奥様と二人で治安維持法違反で特高に捕まって拷問され そのあとアメリカに行ってしまった人です。 そうして彼は、アメリカで日本を描きます。 自分が子どもの頃に暮らした日本ですから、 昔のことばかリです。 でも、描かれてあることは今でも古くありません。
この本は昭和30年(1955)にアメリカで出版されました。 山の小さな小学校が舞台です。 山のむこうから通ってくるほとんど字もかけない男の子を クラスの皆はチビと呼んで、苛めたり無視したりしていました。
そこに新しく赴任してきた熱心な若い男性教師が その子の良さを認めてくれました。 子どもたちを山に連れて行って、山のことが詳しいその子から いろいろなことを聞きました。 誰にも読めない彼の習字も、ちゃんと後ろの壁に張ってやりました。 そして六年生最後の、その子にとっては最後の学芸会で、 先生は彼に「からすの鳴きまね」というのをやってもらいました。 小さい村ですから、村中の大人も来ていました。 その人たちの前でその子は、からすの鳴きまねをします。 淋しい時の鳴き声 子どもを探している時の鳴き声 嬉しい時の鳴き声 などなど カラスの鳴き声を見事にやってのけるのです。 それを聞いた村人たちは、その子が住んでいる 遠い山奥の景色を思い浮かべます。 そんな山の奥から夜明けとともに家を出て 日暮に戻り、一日も欠かさず学校へやってくる その子のことを 「たいしたやつだ」 と口々に言いました。 そして子どもたちは、その子に つらい仕打ちをしてきたことを思い出し みんな泣きました。
学校を卒業したあと、 その子は炭をしょって村へ売りにくるようになりました。 その子に会うたびに 村のひとたちはなんとなく、うやうやしくその子に挨拶するようになります。
いそべ先生は、この子が村でこれからも生きていけるように 「からすの鳴き声」を村人たちの前でやらせたのだと 私は思います。 子どもの良さを見つけて伸ばしてくれるのが 先生の仕事だと思っていますので この絵本の「いそべ先生」は、私の憧れです。
やしまたろうについては 『あたらしい太陽』(晶文社)という本に詳しく書かれています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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