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藤城清治光と影の世界展に行ってきました。 影絵作家の第一人者で、国際的にも高い評価を受けている藤城清治氏が幻想的に創りあげる光と影の世界を楽しんできました。 一人でユックリ楽しみました。 やっぱり美術館はひとりがいい。 どの作品も素敵だが私の心を捉えたのは『ブドウ酒びんのふしぎな旅』と言うアンデルセンの『びんの口』というお話を絵本にしたもの。 アンデルセンのお話の中では地味な話だとか。 でも、今の私にはこのお話がとってもしっくりときた。 そうだね。人生てそんなものかもしれないね。 そんなことをつぶやく自分がいる。 そんな年齢になってる自分がいることをうけいれる。 お話は きれいなビンが作られワインがつめられる。 毛皮屋の美しい娘に買われバスケットにパンといっしょに入れられる。 ある晴れた日森で娘と船の航海士の婚約パーティが開かれワインがスポンとぬかれる。 「1年たって帰ったら結婚しよう!」と若い航海士は「こんなすばらしい日に使われたんだからもうほかの事に使われてはいけないとワインびんを大空に投げ上げた。 草むらに転がってたビンを拾ってきた子供達の兄は若い船のり。 若い船のりは薬草酒をつめたビンを持って船に乗る。 船は嵐で沈みそうになりあの日婚約した若い航海士は『我々は沈む。神に召されるのだ。』と婚約者の娘に書いた紙をあの日のビンとは知らずに入れてコルクの栓をする。 ビンは言葉の違う国にたどり着き屋根裏部屋に20年もほって置かれた。 家の解体修理で出てきたビンは中まできれいに洗われ植物の種がつめられてビンの作られた国に送られた。 種がまかれた後そのビンはまた他の多くのビンと一緒にほっておかれた。 ある日気球のりがそのビンにワインをつめてお祝いのパーティが開かれていた。 そのお祝いのパーティにはあの日の毛皮屋の娘と若い航海士のように幸せそうな二人もいた。 そばを一人のおばあさんが通り過ぎる。 気球のりは大空からワインを飲み干しビンを大空に投げる。 ビンはある屋根にあったてまるでダイヤモンドで切り取ったようにきれいに割れた。 その割れたビンの口にコルクの栓をすると小鳥の水飲みに丁度いい。 おばあさんの家の窓辺にベニヒワの古い鳥かごが吊るされていた。 丁度おばあさんのベニヒワの水飲みにいいとビンの口は古い鳥かごに逆さに吊るされた。 おばあさんはベニヒワの水飲みがあの日のワインビンの口だとは知らなかった。 こんなお話です。 なんだか「人生ってそうね。こんなものかもしれないわね。」とつぶやきながら、そんなことが素直に受け止められる年齢の区切りの日にこのお話の影絵展を一人楽しむことが出来たことが嬉しかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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