一方、（かつてそういう経緯で巨人に残った）仁志の横浜へのトレード（←→小田島）が決った。

自分が、「ＦＡ宣言したならすぐに全球団と交渉を可能にしたほうが良い」と言っているのも、仁志の例を見てきているからだ。その後の仁志の低調振りを見て知っている人ならば同意してもらえるとは思うのだが。

メジャー移籍をぶち上げたのはいいのだけれど、どこも手を上げるところがなくて結局再び巨人と契約した仁志に対するチーム内外の風当たりは強かったようだ。打撃はともかくも、守備にも精彩を欠き次第に
出場機会を失った仁志には居場所がなかったともいえる。

これも現行の制度ではしかたがないかなと思うのだ。出て行かれる側の球団としては、最初の交渉が決裂した時点で空いた穴を埋める努力をしないでおくわけにもいかないからだ。

それこそ球団からすれば「えっ、戻ってくるの？」という反応になったとしても責められないのではないか。一選手の去就でチームとしての補強の方針が揺らいでしまっては元も子もないからだ。

広い意味でだが、仁志もやはり現行のＦＡの被害者のひとりだ。

仁志にとってこの３年間がどんなものであったのかはわからない。針のムシロに座らさられているようなものだったのかもしれない。

だったとしたならばこのトレードはチームにとっても本人（もちろん小田島もだ）にとっても有意義だと思うのだが。