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テーマ:80年代英国音楽(8)
カテゴリ:音楽
それから30分が経っただろうか。
まさにふらっという感じでクルマの前に大きな男の影が現れた。 「おお!マツ!」と前の列の誰かが慌ててクルマのドアを開けた。 マツと呼ばれた男は片手でクルマの屋根を支えにして靴を脱ぎ始める。 どうやら相当なケガをしているようだった。 「クルマどうした?」と聞くとマツは「流された、たぶん」とポツリと言った。 マツのいうことでは、多賀城の明月というところで津波に追いつかれてあとはクルマを乗り捨てて走って逃げたが、波が膝あたりまできたときに激しい痛みと水圧に耐え切れず転倒してそのまま四つんばいの姿勢のまま波に攫われたのだという。 「よく助かったな」というと、マツは「うん…まあな」というと何かをこらえるようにただ黙りこくった。 マツは不思議なことを口にした。クルマで津波から逃走中渋滞に捕まっていたときに携帯の電話が掛かってきて出てみるとそれがこの自分からだったというのだ。 しかし自分はそのころマツと携帯で電話などしていない。 マツは「かまたさんが『いいからクルマ捨ててすぐ走って逃げろ!』」っていってくれたから踏ん切りがついてクルマ出られた」 というのだが… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年04月29日 09時05分27秒
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