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テーマ:おすすめフレンチポップス(1)
カテゴリ:音楽
確か数年前にもこのアルバムについて書いた記憶がある。まあいいや。
つい最近情報交換をしているフランス系の人からモーニング娘。の新メンバーのことを聞かれた。彼女が気にしているのは「(新メンバーの)小田さくらは日本のファンに歓迎されているのか?」というようなことだった。 うーん、海の向こうの人にもそんな心配をさせてしまうくらいのものなのか。 自分は、おりにつけて同じようなことばかり書いているが、結局、誰が入ってよかったとかダメだったとかそういうことは全然考えない。 外側から(つまり一ファンとして)いろいろといいたくなることはあるのだろうが、そういう思惑というものは結局のところ時間という波に吸収されて無力化されるものだからだ。 それ以上に、光井愛佳が抜けて弱くなってしまった「歌」の部分が(小田の加入で)解消されるのであればそれは大きなメリットだろう。そのくらいかな。 そのフランス系の人から、だいぶ前にミッシェル・ポルナレフの「未CD化音源リスト」というものを頂戴したことがあった。 「間違いがあったら指摘してほしい」という依頼だったが、当時(5.6年前かな)そのリストを見た限りでは自分には間違いがあるかどうかなんて全然わからなかった。 過去のメールを刳っているうちにそのリストが出て来たので、ついでという感じで「このリストは更新(リニューアル)されているか?と尋ねたところ、「全然、変わっていないはずだ」という答えが返ってきた。 リストは2006年にリリースされた最新曲「Ophelie Flagrant Des Lits」のあと、フランス原版の5枚組CDボックス「Les 100 Plus Belles Chansons」が発売されたところまでである。 そののち何枚かのベスト盤や再発盤、寄せ集めCDは出ているが、初CD化のものは出ていない。 結局こうなる ・ライブ盤(テレビプログラム) ・12インチシングルの別テイク曲 ・サントラ に関してはまったくの手付かずのよう。 それらを別にしても、何故かどのCDにも入ってないという曲が一曲だけ残っている。 1968年にリリースされた4曲入りミニアルバムの最後(つまりB面二曲目)の「おかしなジョー」という曲だ。 この曲、何故かフランス原盤アルバムには未収録のまま、ポルナレフが当時契約していた「AZ record」との関係悪化したために宙に浮いたようなカタチになってしまい、いまだにCD音源化されていない(らしい)。 もっとも今ではこの曲、聞こうと思えば動画サイトなんかにアナログレコードを再生した音源で聴くことはできる。 日本では1974年にそれまで日本で未発売・未発表曲だった曲を集めたコンピュレーション・アルバム「ポルナコレクション Polnacollection」に入っていた。 しかし「ポルナコレクション」というアルバムリリースの経緯(日本で勝手に、というと語弊があるが本人の意思すら確認されずに日仏両レコード会社同士の契約関係だけで出されたといわれている)からCDされることなく現在に至っている。 自分も昔このレコードを持っていた。 現在「レコード」は所持していない。なくなってしまったのだ。 いやまあなんていうのか「盗まれた」のである。犯人が誰かもわかっている。 身内である(笑)。 盗んだ理由もはっきりしている。女に貢いだのだ。なにしろ当時でもすでに廃盤になってものすごく貴重なレコードでしたからね。中古屋で平気で「10000円」とかの値段がつけられて売られていた時代だ。 まあここまでは当時も書いたことだし書けたこと。改めて記事にすることでもない。 こっからである。 最近知った(忘れていただけかも)ことなのだがこの「おかしなジョー」という曲の原題は「L'AFFREUX JO JO」なのだ。 原題を直訳すると「醜いジョジョ」とか「奇妙なジョジョ」という感じか。 つまり「ポルナレフが歌うジョジョの曲」ということになる。 むしろ音楽ファンよりも、漫画方面とか別方面からこの曲のCD化の需要が出てくるような気がしますが。 いかがでしょう。 1.悲しきマリー/J'AI DU CHAGRI MARIE 1968年発売のミニアルバム収録曲。日本では1973年にシングルとしてリリースされた。 2.リンガディン/RING A DING 同ミニアルバムに収録。 3.哀れなギタリストの告白/LEPUAUV' GUITARISTE 1967年発売ミニアルバム収録曲 4.僕のベロニク/CHERE VERONIQUE デビュー曲「ノンノン人形」シングル収録曲 (45RPMシングルではなく33RPMミニアルバムという説あり) 5.侮辱/NE ME MARCHEZ PAS SUR LES PIEDS ポルナレフ、フランスでの最大のヒット曲「愛の願い」のミニアルバム収録 6.おかしなジョー/L'AFFREUX JO JO 初期ポルナレフ曲に多かった狂想的な歌詞とバンドネオン(アコーディオン)を使った変拍子のオケに乗せて歌う眼鏡大王の声が実にキモイ。もちろんそれが狙いなんだろう。 なにしろタイトルが「おかしなジョー」だもの。 「ジルベール・ベコーあたりに歌わせたい」と言ったのは故今野雄二氏だったか。 7.ミカエルへの哀歌/COMPLAINTE A MICHAEL 「ギタリストの告白」同様1967年発売ミニアルバムの収録曲 [B面] 8.ファットマダム/FAT MADAME むしろ世界的に知られているポルナレフの曲は「バラ色の心」だろう。[註] その「バラ色の心」がA面一曲目のミニアルバムに収録された曲。 9.海/La Mer インストルメンタル曲。これまた難しい選曲。なんでこんな曲入れたんだろうという感じ。 そもそもはジャン=ルー・ダバディの風刺劇「ラブレ」のための書き下ろし劇伴曲として発表されたもの。そのうち3曲が再録音されて「渚の想い出」のB面として収録された。 ちなみの残りの一曲が「シェリーに口づけ」。こんなオマケみたいな曲が結果日本でのポルナレフ最大のヒット曲になったのは皮肉としかいいようがないだろう。 10.ショービジネス候補生/ENCORE UN MOIS,ENCORE UN AN 名曲「ラーズ家の舞踏会」ミニアルバム同梱曲。 タイトルを直訳すると「あと一ヶ月、あともう一年」 11.ビートニク/BEATNICK 「ノンノン人形」のミニアルバム収録。 この曲もまた「ギターを弾いているのはジェフ・ベックかジミー・ペイジじゃないのか?」 という噂が立っていた。しかし事実関係はクロ。どっちでもない。 ベースはおそらくジョン-ポール・ジョーンズだろう。そのあたりからそんな噂がたったのだと思う。(ペイジはファーストアルバムで何曲かギターを弾いている。もちろんレッド・ツェッペリン結成前のことだ) 12.男は涙を流さない/LE SAULE PLEUREUR 「バラ色の心」のミニアルバム収録 13.アベク・ニニ/AVEC NINI ポルナレフの隠れた名曲「今夜の列車/UN TRAIN LE SOIR」のシングルB面曲。この選曲に文句を言っていたひとが多かった。 おそらくだが当時のレコード会社は「今夜の列車」をシングルで、つまりヒット狙いで温存したのだろうとのこと。(日本コロンビアに在籍していた某氏による証言) 14.別れの理由/POURQUOI FAUT-IL SE DIRE ADIEU? この曲が「おかしなジョー」の収録されたミニアルバムのA面曲になる。今風にいうとタイトル・チューン。 室内楽風ストリングスの実に良い曲だと思う。気に入らないのは「愛の別離」という邦題だけ。それで自分もこの曲には原題を直訳した「何故別れを告げるべきなのか?」から来たといわれている改題されたこっちのタイトルを使っている。 [註]「バラ色の心 Âme câline」という曲は、むしろ後にレイモン・ルフェーブルによってイージーリスニングの曲としてヒットしているし、アメリカではペギー・マーチなんかがカバーしたことで英語直訳タイトルの「Soul Coaxing」という曲名で知られている。 おそらくだが「Âme câline」に「バラ色の心」という日本タイトルをつけたのはレイモン・ルフェーブルの日本盤を最初に発売したレコード会社の人ではないかといわれている。 CBS(エピック)ソニーで大量にポルナレフのレコードが再発されたときにはテイチクや日本コロムビアでつけていた邦題は相当に改題されたが「バラ色の心」が手付かずだったのは、この曲がルフェーブルのヒット曲のタイトルとして知られすぎていたからではないかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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