『20世紀少年』 もう一つの第一章 ネタバレになりますが
主人公たちの年令設定とか原作者浦沢直樹とほぼ同世代なので、この映画に登場してくるものの元ネタであるとか、登場人物のネーミングのルーツがわかりまくりで困るくらいである。そのほとんどが、ウィキペディアやファンサイトなどにも書かれてあることなので、ここで改めて書くことでもないのだが、ここでは自分が個人的に大受けしたものだけを書いておこうか。ユキジ(常盤貴子)の相棒の麻薬犬の名前がブルー・スリー小沢さとるの名作漫画「青の六号」の英語読みである「ブルー・シックス」がルーツと見えるが、映画ではそれから遡って三号(ブルー・スリー)なのではなくて、伝説的カンフー俳優ブルース・リーからとったということにしている。ちなみに、ブルース・リー主演映画「燃えよドラゴン」が日本でも爆発的ヒットしたのは彼の死後の1973年(昭和48年)。このころ、サントラのオリジナル版権がはっきりしていなかったために、日本国内で販売されたこの映画の主題歌はいわゆる海賊版というかバッタモンであった。このバッタモンのサントラ主題歌を歌っていた覆面歌手の名前が実は「ブルー・スリー」だったのだ。おそらくは、浦沢直樹はこのことを知っているはず。というか知らないはずはないだろう。面白いのは、唐沢寿明が以前「テレビ探偵団」というテレビ番組でこのことを語っていたということだ。「以前」というのはもう20年も前のことだから、原作漫画「20世紀少年」の連載以前ということになる。ひょっとするとだが、この麻薬犬「ブルー・スリー」の名付け親というかヒントを浦沢直樹に(結果的にということだが)提供したのが唐沢寿明ということになるのかもしれない。このへん、浦沢に取材したり、調べたりすると面白いことになるかもしれない。つづく